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3/25

召喚されたその先は

 悠が召喚の水晶をみつける前日、教会の召喚の間に人影が1つ


 全身真っ黒の服に真っ黒のマスク、出ているのは金の瞳を持つ目とその周りだけ


「確か……ここを…こうだったかな?」


 その人影はボソボソ言いながら、召喚の儀で使う魔法陣に細工を施した。


「よし、さっさと逃げよ」


 そう言うと元々いなかったかのように姿を消した…







 目が覚めると、そこは教会..................てんではなかった。


「は?」


 いやいや、教会に召喚されるって聞いたんだけど?


 どう見ても草原だよね?どこ見ても草しか無いんだけど?


「はぁ〜、もしかして失敗したのかねぇ〜」


 思わずため息が出る


「とりあえず、ステータス!」


 不安を振り払うように、とりあえず叫んでみた


 ===================

 ツキナガ ユウ

 Lv 1

 ステータスポイント 0

 STR 0

 INT 0

 VIT 0

 DEX 0

 AGI 0


 HP 10/10

 MP 50/50


 物攻 100

 物防 100

 魔攻 100

 魔防 100

 速度 100


 スキル

 限界突破 ヘルプ

 ===================


 すると、半透明の画面のようなものが空中に現れた


「おぉ!ステータス割り振る系か!いいねいいね。

 それから、初期値は固定なのかな?で、 ヘルプってなんだ?」


 その時、画面が切り替わり、


「何について調べますか?」


 と、出てきた


「おっと、言ったら切り替わるのか。へぇ、とりあえず、ここどこ?」


 ステータスポイントや能力値は、MMORPGのゲームをプレイしたり、異世界系の創作物を読んでいた俺なら、特に問題はない


 なので、とりあえず現在地を聞いてみると、機械のような声が頭に響いてきた


「ここは、名前も付けられていない、ただの草原です。エルダス神国の南東に位置します。」


「おぉ、音声付きじゃん。話し相手にできそうだな」


 名前も無いって事は、人が住んでるとこから結構離れてるのかもな


 そうして、いろいろ調べていった結果こんな事が分かった


 1、ステータスポイントは、Lvが1上がる毎に3ポイント貰える

1つのステータスに割り振れるポイントは、999まで


 2、スキルは熟練度によってLvが上がったり、習得できたりする


 3、エルダス神国の周りには、迷宮(ダンジョン)がいくつかあり、その迷宮を中心に町が形成されている


 4、迷宮が、何故、どうやって出現したのか未だに謎のまま


 5、この世界の平均的な冒険者、探索者のLvは500前後


 6、ステータスの初期値は人によって異なるが、あまり大きな差は無い


 7、ここから西に進むと街道があり、商人達が利用している


 8、盗賊に身をやつしている者もいるため、1人での行動は推奨されない


 9、この世界、アルバンの端は底が見えない程の深い崖になっている


 10、異世界人の存在は特殊な為、同じ時間に異世界人が2人以上存在する事は無い

 もし、存在してしまった場合は、世界が崩壊するかもしれない


 11、Lvを上げるには、モンスターや生物を倒すまたは殺す、トレーニングをする、などして経験値を稼ぐ必要がある


「結構いろいろ調べられるな。

 ステータスの初期値って違うのか。俺のステータス適当だな…。まぁ良いけど」


 それに西に進んで商人に会えば案内はしてもらえるだろうし、移動しながら草原のモンスターでも狩ってLv上げしときたいな


 そう思い、とりあえず西の方角に進んでみるも、モンスターどころか動物すらいない


 10分ほど歩き、やっと見つけたと思えば、それは10cm程の角が生えた野兎のようなモンスターだった


「ヘルプ〜、あの兎何〜?」


「あれは、ホーンラビットです。

 額の角を突き出し、突進してきます。とてもポピュラーなモンスターで、素早いため、冒険者になりたてのルーキーなどが怪我をする事が多くあります。

 年に一度か二度、死亡者が出る事もあります」


「うへぇ、刺さりたくねぇなぁ。とりあえずやってみるか……あ、限界突破の説明見てなかったわ。ステータス!」


 そこで、ステータス欄の限界突破を触ってみると、詳細が表示された。


 そこには、


 ===================

 限界突破


 あらゆる限界を突破するスキル


 ===================


 とだけ書いてあった。


「まぁそのまんまだな。分かってたけど序盤は役に立たないな。

 なら、とりあえず攻撃してみるか。ちょっと怖いけど」


 今、ホーンラビットは呑気に草を食べている。


 こちらの事は気にも留めてないようだ。


「そぉ〜っと、そぉ〜っと…」


 後ろからゆっくり近づき、心の中で謝りながら、力いっぱい蹴り飛ばした。

すると、ボールのようにポーンと10m程飛んでいった


「自分でやっててアレだけど、ちょっと可哀想だな。まぁでも一応倒せたみたいだし、ステータス」


 ===================

 ツキナガ ユウ

 Lv 1

 ステータスポイント 0

 STR 0

 INT 0

 VIT 0

 DEX 0

 AGI 0


 HP 10/10

 MP 50/50


 物攻 100

 物防 100

 魔攻 100

 魔防 100

 速度 100


 スキル

 限界突破 ヘルプ

 ===================


「まぁ流石に1匹じゃ無理か」


 ちょっとだけ期待していたが、やはり上がってはいなかったので、また歩き出す。


 それから、1時間程歩いた所で、明らかに不自然な直径1m程の水溜まりを見つけた。


「いや、雨も降ってないし、周りは濡れてないし…コイツ絶対スライムだろ。ヘルプ〜」


「はい、これはスライムが水溜まりに擬態して獲物を待っている状態です。触るとまとわりついて窒息させようとしてきます。獲物が死ぬとそのままゆっくりと捕食します。」


 やっぱりな。触ると危なそうだし、今は遠距離攻撃もできないからスルーだな。


 そうこうしてるうちに街道が見えてきた


「お、あれ街道じゃないか?見た感じ誰もいないけど」


 とりあえず行くか、と歩いて行き街道に着いた


 街道は幅10m程の大きな土の道のようだった


「街道に沿って歩いたらそのうち誰かいるだろ」


 そう言って、北の方角に歩き出した


「てか、ヘルプって便利過ぎるだろ。これ皆持ってるのか?」


「いいえ、ヘルプのスキルは異世界人のみ所持しています」


「へぇ、特権か。まぁそりゃそうか」


 それからまた1時間程歩き、少し疲れたので街道のすぐ横に座って休憩する事にした


 休憩して30分程時間が経った頃、遠くの方から馬車が近づいてくるのが見えたので、一度立って待つことにした。


 しばらくすると、向こうもこっちに気付いたのか、馬車のスピードを緩め、近くまで来て停止した


「おい、ボウズ。こんなとこで何やってんだ?この辺はモンスターも動物も全然いねぇから、盗賊すらいねぇんだぞ?」


「へぇ、そうなんですね。

 いやぁ、気が付いたらこの草原にいまして、場所も分からないんで困ってたところです」


「おいおい、大丈夫かよ。俺は今、エルダス神国に向かってるんだが、乗ってくか?」


「是非お願いします。ですが、ご覧の通り僕は何も持っていないので、お礼などは出来ませんが良いんですか?」


「はっ、ガキがそんな事気にすんなよ」


喋り方はガサツだけど、良い人そうだな


「ありがとうございます。では遠慮なく」


「おう、俺はガンドってんだ。見ての通り行商人だな。お前は?」


「僕は月永悠っていいます。」


「ツキナガユウ?長ぇからユウって呼んでいいか?」


「ええ、構いませんよ」


 こうして、ガンドさんと世間話をしながら、移動する事およそ2時間


 エルダス神国らしき、大きな外壁が見えてきた


「あれがエルダス神国ですか?」


「なんだ、見た事ねぇのか。そう、あれがエルダス神国だ。でけぇだろ?」


「ですね。そういえばエルダス神国の周りに迷宮があるって聞いたんですけど、本当ですか?」


「あぁ、あるぜ。ここからなら、初心者迷宮が1番近いな」


「初心者迷宮ですか?」


「あぁ、1番浅い迷宮でな、ホーンラビットとかゴブリンとかが大量に湧いてやがる迷宮だ。

 ただ初心者迷宮って言われるぐらいだから、お前みたいなガキでも気を付ければ怪我なく潜れるだろうよ」


「へぇ、そうなんですね。用事が済んだら行ってみます」


「ん?エルダス神国に用事があったのか?」


「あれ、言ってませんでしたか?今年15歳になったので、エルダス神国にある神殿にスキルを授かりに行こうとしてたところなんですよ」


「なるほどな。じゃあなんであんな所にいたんだ?」


「会った時にも言いましたけど、故郷を出てからあそこに辿り着くまでの記憶が全然無いんです。気付いた時にはあの草原に、身一つで倒れてました」


「ふむ、意味が分からんな。まぁいい、なら丁度良かったじゃねぇか」


深く聞かないでくれるのはありがたいな


「はい、ガンドさんが通りかからなかったら、1人で歩いて行くことになってましたよ」


 そんな事を話していると、門の前に到着した。


 外壁はなんの素材か分からないが、かなり白よりの灰色の石材のようだった。


「身分証の提示とと入国料を」


「はいよ。あぁ、お前、身分証はあんのか?」


「いいえ。持っていません」


「なら、このガキの分の仮身分証を作ってやってくれ」


「了解した。では、仮身分証の発行に銅貨1枚、入国料2人分で銀貨1枚だ。仮身分証は手続きがあるから、少し待ってくれ」


 もっといろいろ調べられるかと思ってたな。


 ちょっと拍子抜けだ


「はいよ。」


「入国料って1人銅貨5枚って事ですか?」


「あぁ、そうだな。銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚、それ以上の貨幣は俺たちには馴染みのねぇもんだ。なんでそんな事聞くんだ?」


 おっと、適当に誤魔化しとこ


「いやぁ、僕の故郷は物々交換だったもので、貨幣を見るのは初めてなんですよ」


「ほぉ、そんなとこも、まだあったんだな」


「はい、今日の分は後日稼いでお返しします」


「だから、ガキがそんな事気にすんなっての」


 本当優しいなこの人。何か裏がないか探りたくなるわ


「そうですか、ではお世話になります」


「いいってことよ」


「手続きが完了した。これを持って、神殿か、ギルドに行き、そこで身分証の登録を済ませて、仮身分証を返しに来てくれ。期日は10日だ」


「分かりました」


「よし、じゃあ入るぞ。神殿までで良いな?」


「良いんですか?」


「どうせ神殿の近くを通るからな」


「そうですか、ではそこまでお願いします」


「おう、任せな」


 さてと、どんなスキルが貰えるか楽しみだな〜

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