召喚の儀
もう少しお付き合いください
この話で前置きは終了です
スキルを1つ貰えることになり、1時間程考えてようやくまとまった。
「決まりました。随分お待たせしてしまって申し訳ありません。」
「いえいえ、お気になさらず。
では、どのようなスキルをお望みですか?」
「オーバーリミットというスキルはありませんか?」
「ふむ、限界突破ですか…」
「ダメですかね?」
「いえ、大丈夫です。ではそのように。
他に何かご質問はありますか?」
「こちらからは特に」
「そうですか。では少し説明と補足、確認をさせていただきます。」
「あ、はい」
「まず、召喚されるのはエルダス神国の教会になります。主にそこにいる方々と生活することになると思います。
次に、あなたの身体は15歳程まで若返らせて送り出します。召喚された後は、まず神殿に行き、スキルを1つ授かってください。
最後に、この召喚ですが、最終目標はこの世界アルバンに迫る厄災の対処です。
いつ訪れるか分かっていませんが、現地の方々と協力し、対処してください。
これで以上になります。
再度、ご質問はありますか?」
「あ、はい。どうして15歳なんですか?」
「それは、神殿でスキルを授かるには15歳である事、つまり成人した最初の歳である事が条件だからです。」
「なるほど。では、迫る厄災ってなんです?」
「そうですね…分かりやすく言えば魔王のようなものでしょうか。」
「魔王のような?」
「はい、本物の魔王という訳ではないのですが、魔物を操り、村や町を襲撃しています。」
「え、それって魔王とは違うんですか?」
「はい、魔王との違いは個の戦闘能力です。
魔王は、単体でも世界を滅ぼし、勇者達と互角に戦う程の凄まじい戦闘能力を持ちます。なので、あまり魔物を操るという手段は取りません。
一方その厄災は、個の戦闘能力はかなり低いですが、魔王の側近級の魔物やかなり多くのバフ、デバフスキルを所持しています。しかもそのスキルが、本来のものとは異なるものに変異しています。おそらく、厄災に変化した際、スキルも変異したものと思われます。」
「なるほど…。じゃあその厄災を倒す、または殺すのを目的としての召喚なんですね」
「そういうことになります。
出来れば殺して、復活する事の無いように消滅させて欲しいのです。」
「わかりました。頑張ってみます。」
「ありがとうございます。
では、そろそろ召喚の儀に移りたいのですが」
「あぁ、はい。詳しい事は現地で聞きます。
そういえば、女神様と今後会話する事は出来できすか?」
「いえ、残念ながらそれは不可能です。
先程も申し上げましたが私は召喚の儀という例外を除き人間達に干渉する事を禁じられております。ですので、召喚の儀が終わると、私との会話をする事はおそらくできないでしょう。」
「そうですか…」
「まだ何かありますか?」
「いえ、大丈夫です。」
「では、召喚の儀に移らせていただきます。
あなたは何もしなくて大丈夫です。リラックスしていてもらって大丈夫です。」
「分かりました。」
「では、始めます」
女神様がそう言うと、また視界が真っ暗になる。
あぁ、また気絶するんだなぁ
前置きが長くなりましたm(*_ _)m
次から本編です