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新人潰し

 コンコン、コンコン


 朝、ドアがノックされる音で目が覚めた。

 外はもう日が昇り始めているが、こんな時間に誰だろう。


「…はーい、どなたですか〜?」


 ガチャ


「朝早くにすみません。冒険者ギルドのガルム様より言伝があります。」


 この城の召使いさんだ。


「’昨日のゴブリン討伐の事で少し話がある。ギルドまで来てくれ。’との事です。」


「わかりました。ありがとうございます。」


「お構いなく。」


 召使いさんはお辞儀して出ていった。





 身だしなみを整え、ギルドに行くとギルドマスターの部屋に通された。


「お、来たな。座ってくれ。」


「失礼します。…で、昨日の事って何かあったんですか?」


「あぁ、まず1つ聞きたいんだが、昨日のゴブリン討伐で何かおかしいと思った事は無いか?」


「そうですね…この世界の常識がどうなのか分かりませんが、数が多かったのと魔法を使うやつがいましたね。」


「そう。今回の件はまさにそれだ。

 まず、ゴブリンの群れは大体10~20匹程度だ。それに対して、今回は大体60~70匹はいた。

 ゴブリンメイジが司令塔になって、群れをまとめてやがったんだろう。

 これは、迷宮の中でしか見られない事例だ。

 ゴブリンメイジは迷宮じゃないと湧かないからな。」


「なるほど…

 ゴブリンメイジが司令塔だったんですね。」


「あぁ。今まで迷宮の中でしか見られなかった、ゴブリンメイジを中心とする群れ同士の連携。そろそろ覚悟しといた方が良いかもな。」


「厄災ですか…確かに今起きてる異常なんて、そのぐらいですからね。

 出口に近付いてるかもしれないですね。」


「そーゆー事だ。ところで、今レベルは?」


「…ちょっと待ってください。」


 言われて見れば、ゴブリン討伐の後、ステータスを確認していなかった。


 ===================

 ツキナガ ユウ

 Lv 178

 ステータスポイント 15

 STR 150

 INT 80

 VIT 80

 DEX 56

 AGI 150


 HP 1341/1341

 MP 2181 /2181


 物攻 1558

 物防 1208

 魔攻 1208

 魔防 1208

 速度 1558


 スキル

 限界突破 ヘルプ 必要経験値減少+8

 スニーク+5 身体強化+13 自然治癒+13

 観察眼+1 遠見 集中+3 感覚強化+5

 早駆け 衝撃波+5 狂化

 ===================


「え…」


 スキル欄に()()というスキルが増えている。

 暴走しないか心配になってきた。


「どうした?」


「いえ、狂化っていうスキルが増えてたもんで…大丈夫ですかね?」


「ほう…狂化ねぇ…」


 ガルムがいつにもまして嬉しそうだ。


「狂化ってのは一時的に身体能力を爆上げするスキルだ。もちろん、効果が切れたら反動があるが使えるに越したことはない。

 ちなみに、俺も使える。使う相手がいなかったがな。」


 そう聞くと、以外と良さそうだ。

 ただ反動が少し怖いので、使う時は誰かと一緒の時にしよう。


「強そうですね、良かったです。

 それと、レベルは今178になってます。」


「もう少し上げときたいな…。よし、明日は暇か?」


「明日ですか?特に予定はありませんが…」


「なら良かった。明日また、迷宮に潜るぞ。

 今回は俺と2人だ。」


 なるほど、確かにレベル上げにはもってこいだ。


「わかりました。では、僕は今日も依頼受けてきます。」


「おう!頑張れよ!」





 早速依頼を受けるため、掲示板へ向かう。

 と、そこへ見知らぬ2人組の男、スキンヘッドのマッチョと、岩のような体のでかい男が俺を見ながら歩いてきた。


「よう、お前が期待の新人って奴かい?まだガキじゃねぇか。」


「そんな強そうには見えねぇけどなぁ?えぇ?」


 ついに、異世界ものの名物に出会ってしまった。

 おそらく新人潰しの類だろう。


 今まで出会わなかったので、てっきりいないのかと思っていたが、そんなことはなかった。


 というか、どこで情報を手に入れたのか…

 しらを切るか。


「人違いじゃないですか?」


「あぁん?じゃあなんでギルマスと親しく話したり、迷宮行ったりなんてしてんだ?」


 本当にどこ情報だよ…


「なんでそんな事知ってるんですか…」


「へっ。なんでだろうなぁ?」


「で、なんの用ですか?」


「なぁに簡単だ。俗に言う新人潰しだよ。」


 そこにガルムが話しかけてきた。

 受付嬢が呼びに言ったようだ。


「おう、どうしたお前ら」


「ガルムさん、新人潰しらしいです。目立ち過ぎましたかね?」


「だろうな。2人ともまだやってんのか…」


「けっ、別に良いだろうがよ」


「負けて恥かく前にやめとけよ?」


「あぁ?俺達がこのガキに負けるってか?笑えねぇ冗談だな、おい。」


「やってみりゃわかるだろ。訓練所行くぞ、ユウ。」


「え、やるんですか?」


「俺が立ち会ってやるよ。お前が対人戦でどこまでやれるか見ておきたいからな。」


 ガルムは相変わらず楽しそうだ。


「はぁ…わかりましたよ…」


「ボコボコにしてやるよ」「後悔すんなよ?」





「じゃ、どっちからやる?なんなら2人でも良いぞ」


「何言ってるんですか、ガルムさん!」


「あ?こんなガキに2人もいらねぇよ。俺からだ。」


 2人のうち、スキンヘッドが先に出てくる。


「まったくもう…」


 ガルムは遠くで笑っている。いつか仕返ししてやる。


 確かに強くはなったが、今回の相手は人間だ。


 明らかに頭が悪そうでも、流石にモンスターより知能は高いだろう。


 それに、まだまだ戦闘経験が足りない。

 知らないスキルや知らない戦い方の対処をしなければならないかもしれない。


 相手がこちらを侮ってくれているのは幸運だ。


「なに固まってんだよ。早くかかってきな」


 挑発されたが、ここは相手の出方を窺うことにする。


「ちっ。しゃーねぇな。叩きのめしてやる!」


 スキンヘッドが剣を抜き、走ってくる。


 ……遅い。シャドウウルフの方がまだ速かった。


 こいつ、実はそんなに強くないのか?


 ようやく俺の前まで辿り着き、剣を振りかぶってくる。


 それを余裕を持って躱し、横から脇腹を殴る。

 もちろん、衝撃波(おまけ)付きだ。


「ぐぉえ!」


 スキンヘッドが10mぐらい飛んでいった後、地面に突っ伏して起き上がらない。

 気絶したみたいだ。大丈夫だろうか……


 でかい男の方を見ると、飛んでいったスキンヘッドの方を見て唖然としている。


 その様子だと、奴もあまり強くないのかもしれない。


「どうしたの?オッサン。早く来なよ。」


 調子にのって挑発までしてしまった。


「このガキ…」


 でかい男の顔に血管が浮き出ている。

 ガルムはゲラゲラ笑っている。


 でかい男は見た目通り重いのか、ドシンドシンと音を立てながら走ってくる。


「ふんっ!」


 目の前まで来ると、男はそのまま倒れ込んでくる。

 少し無防備すぎやしないか?


 ヒョイっと横にステップで躱し、頭…は少し怖いので、横腹を蹴り飛ばす。


 スキンヘッドと同様に10mぐらい飛んでいき、そのまま動かなくなった。


 少し拍子抜けである。

 新人潰しなんてやってるから、もうちょっと強いと思ってた。


「だから2人でも良いぞって言ったのになぁ…」


 ガルムはずっと笑っている。

 余程、面白いのだろう。


「しかし、どっちも一発か。まったく、これに懲りて新人潰しなんてくだらん事は辞めてくれると良いんだがな。」


「この2人ずっとこんな事やってるんですか?」


「あぁ、こいつらはヘッズとロッズっていうんだが、D級に上がってから伸び悩んでな。色々あって腐っちまった。

 まぁ、よくある話だ、気にするな。」


 スキンヘッドがヘッズ、でかい方がロッズらしい。


「それにしても弱かったですね。警戒してたのが馬鹿らしくなりましたよ。」


「知らない相手を警戒するのは当たり前だ。

 むしろ、しない奴は余程の自信家かただの馬鹿だ。」


「それもそうですね。」


 ガルムがこっちをじっと見ている。


「提案なんだが……」






 嫌な予感がする







「俺とも()らねぇか?」

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