王子の元婚約者ですが、王子から恋愛相談を受けました。
深夜テンションは偉大だ!
どうも、こんにちは。王子の元婚約者で伯爵令嬢のセカイイチーです。
あ、元婚約者と言っても一方的に婚約破棄をされた訳ではありませんよ。
ちゃんと婚約解消法に基づいた正しい婚約解消でした。
婚約を解消をした後も王子とは友人ですので、私はその日王宮へ王子の恋愛相談を聞きに行っておりました。
❤︎
「それでな、僕は彼に告白しようと思うんだ。」
ええ?
「王子この国では女性の事は『彼女」と言うんですよ。」
王子は仕方のない方ですね。こんなのが上層部に入るから、この国はいつまで経っても後進国なのでしょう。
「それぐらい知ってるわ!!!!!!!!」
「間違えた事を照れていらっしゃるんですか?大丈夫ですよ。誰にも言ったりしません。」
「違う!!!!僕は男性に恋をしたと言っている!!!」
マジですの!?
「王子『違う』ということはこの件は皆さまにお伝えしてよろしいのですよね?」
「ふん、やってみろ!世は多様性の時代だぞ。男性を好きになった所で責められるいわれはない!」
「王子の恋愛対象が男性でありながら、だらだらと私と婚約していたことは充分責められると思いますけど。」
「社交界ってめんどくさい‼︎」
「マリア嬢あたりに噂を広げるようお願いしておきますね。最近の『ざまぁ』に比べたら随分良心的ですよね。」
「そんな性格だから婚約解消に反対が出ないんだよ!!!!」
はあ、そんな訳ないでしょう。私の性格は普段、大気圏より分厚い猫を被って隠しているんですよ。
素を見せるのは王子にだけです。
あら、これって結構、王子の役得じゃないかしら。
「それで王子、相談とは?」
「ああ、自分から話を脱線させておいて自分で話を元に戻す手際は流石だな。相談というのは彼への告白方法のことなんだ。どんな告白をされたら嬉しい?」
それ男性に聞いた方がいいんじゃないですか?
「まあ、強いて言うなら顔が良ければなんでもいいです。」
「お前の男のタイプを聞いてるんじゃないんだよ?」
王子、顔良いですよねー。
「あと、一般的な女性は押しが強い男性が好きなのではないでしょうか。壁ドンとか。アゴクイとか。『おもしれー女』とか。腹パンとか。」
「最後の一つは告白じゃなくていじめだ。やっぱお前性格悪いだろ。」
いいえ。王子の告白を全力で失敗させようとしているだけです。
「まあ、壁ドンとアゴクイと『おもしれー女』は参考にしてみよう。今から告白に行くぞ!」
王子、超行動派ですね。壁ドンの類で落ちる女は大体地雷だと思いますけど。
❤︎
裏庭で一人の少年が素振りをしています。
私たちはその様子を花壇の陰から見ています。
「あの男だ。告白してくる。アドバイスありがとな。」
あれ?あの少年、どう見ても男装した女の子ですけど。
王子の恋愛対象は結局どちらなのかしら。
王子は男装少女に向かって颯爽と歩きだしました。
「おい、カリナ、話がある。」
名前、普通に女の子ですね……。
とゆうか王子偉そう過ぎますね。
王子なんて、親が偉いだけの一般人ですのに。
マイナス10点。
「何でしょうか。王子。」
あ、声も女子じゃないですか。
本当に隠す気あるんでしょうか。男装少女。
王子が上手くカリナさんを壁側に誘導しました。
そして、壁ドーン!
アゴクイ!
「お前、俺の男になれよ。」
ああ、所謂『押しが強い男』の演技は完璧ですね。
流石王子。一般人よりウザさ5倍です。
これで、景気良く振られるはず……。
あれ?カリナさんは顔を真っ赤にしています。
えええええええええ!!!!!!!!!!!!!!
あれで惚れるんですか!?
あんなの付き合ったらめんどくさいだけだってわかるでしょ!?
絶対家事とか手伝わないタイプですよ!?
まさか、カリナさん、地雷?
どうしましょう。私とても罪深い事をしてしまいました。
俺様王子×地雷男装少女とかコメディー枠じゃないです。
18禁つけて投稿しないと純粋な読者を汚してしまいます。
「私、実は女なんです。」
完全に男装する気を無くしたカリナさんが、真っ赤な顔でシャツをまくりあげました。
女ならシャツめくる手を止めましょうよ。
まさか、私の実況にそこらへん誤魔化させるつもりですか。
あれ?そういえば私なんで実況なんてしてるのかしら?
普通に帰ればよくないかしら。なんか、このまま見てたら心が汚れそうですし。
そもそもなんで元婚約者に恋愛相談なんかされてるのかしら。
なんで、私泣いてるのかしら。
あれれれ。
私もしかして、王子のこと好きだったのかしら。
だとしたら、私の取るべき行動って一つよね。
私はゆっくりと城のバルコニーに上がります。
婚約者として何度も来ていたので簡単にたどり着けました。
バルコニーの柵に登ります。ここから落ちたら間違いなく死ぬでしょう。
いつの間にか周りに人が集まっていました。お母様とお父様が泣きそうな顔でこちらになにか叫んでいます。城の衛兵が私を止める為に階段を登っている音が聞こえます。
ごめんなさい。もう止まれないの。
「王子のあだ名はエロボケ王子、エロ本の隠し場所は玉座の下、ストーカーで検挙されたのは6回、盗撮は23回、好きな子のタイプはロリ巨乳と人妻、侍女の下着を盗んでる、初恋は王の愛人のクリルさん、実は女の子の靴下フェチ、匂いを嗅ぐのが大好きらしい、性癖はドM、幼稚園のボランティアに行ったのはロリを鑑賞するため!!!!!!!!!」
失恋したら、自分が与えられた傷の10倍以上の傷を相手に植え付け返す。
それが悪役令嬢流、傷の癒し方。
「お前の方がよっぽど地雷じゃねーかよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
は?そんな訳ねーだろクソ王子が。
セカイイチーちゃんは箱入りなので、あまり人を口汚く罵ったりしません。
一時の気の迷いと王子への愛故にあんな罵詈雑言が飛び出してしまいました。
お父様とお母様が涙目になっていたのは、娘の性格を熟知していたからです。
セカイイチーちゃんが地雷かって?
そりゃもちろんじら(殴




