~2001/02のお話~
彩。です。初投稿です。
ホラーって良いですよね推理するって良いですよね。
そんな物を自分で書き起こしてみました。
あの少し肌寒い日もし変われるなら戻れるならどんなに望んだ事か届かぬ願いは風の様に私の頬を嘲笑した。
「うぅうう!にしてもよ!こんな寒っっい所に引っ越すとはな!」
青森。引越し先は何も無い。ビルも信号機もそして友達も
都会では味わえない寒さに身を震わせながらもそう思う
「寒いのはこっちも同じよ洸樹!いいからこれ!玄関に持ってって!」
親が呼ぶ母親が。俺は重い段ボール箱を担ぎ上げ玄関に運ぶ
時刻は夜の九時を回る頃月の見える見晴らしの良い田舎に越して来た
二月。まだここは寒い。傍で蕾の月桂樹が笑いかける様に揺れていた
「お前もここで一人揺れてるのな」
俺はそう言うと蕾を突いた
「はいはーーーい!静かに!」
この村で初登校となる学校で三岳先生は手を叩き生徒を黙らせ話を続けた
「今日から転校生が来ます。洸樹君ほら皆に自己紹介。ねっ。」
転校して自己紹介なんて何とは言わないが良くあるシチュじゃないか
待ってましたと俺は大きく息を吸う…が
「さぁぁぁ…楽しみだねぇ…転校生かぁ!」
何か奥で手を擦り合わせているヤバい奴がいる
声量と言い行動と言いヤバい。本能がそう言ってる
「あっと…洸樹です。三丈洸樹。福岡から引っ越して来ましたどうぞよろ…」
「ろっっしくぅぅ!!!」
声を重ねてきやがった挨拶と言う転校一大イベントに声重ねてきたぞアイツ
「あぁ…ハッハッハッ…取り敢えず皆洸樹君と仲良くしてあげてくださいね~?」
先生が皆に笑いながら呼びかける。引きつってるぞ顔。
その間もヤバい奴は目を光らせ煙が出る程手を擦り合わせていた
「席は…後ろに増やしておいたから空いてるそこね」
先生が指差す先は窓際の右奥
ヤバい奴とは離れている助かった
新しい生活を邪魔されるのだけは御免だ…でも
「ウっ…」
視線だけは避けられなかった畜生考えてなかった。痛いくらいの視線が降り注いでくる
(大丈夫…なのかなぁ…)
俺の不安を煽る学校生活が今始まってしまった
「越し先の一食目が町の弁当ってのもいかがなものか…」
この弁当は親が引っ越す前に良く通っていた弁当屋のマカロニ弁当
好きだから最後に買えるだけ買ってきた…と
「好きなら全部自分で食べればいいのに…」
独り言のつもりだった文字通り独りでも違った
「おぉおん?何一人で弁当食べてるのかなぁ?」
歯を見せニヤリとこちら見る奴がそこにはいた
青い髪に青い目。緑色の石が付いた小さなネックレス
間違いなくアイツだった
(ゲッ…あのヤバい奴だやめてくれ学校生活だけは許してくれ!)
心の中で許しを請う。人質を取られた仲間の様だ
独り言のつもりだったんだ。なのにそれなのに何で聞こえてるんだこいつは。地獄耳か。自分と合わない奴に限ってこういう事が良くあるんだ
「あ、知ってるその弁当」
唐突の知ってる宣言。福岡の小さな弁当屋の弁当を?
「へ?いやいや福岡の弁当だぜ?何で君が」
思いもしない言葉に戸惑う自分。当たり前だよな。なんせ青森の人が福岡のしかも小さな弁当屋の弁当を知ってる訳無い
「ぷっ…カッハハハハ!!!!」
突然笑いだすその子。やはり怖い単純に怖い
「ハハハハ…クハァ…ごーめんごめんついついいたずらしちゃったや」
腹を抱えながらその子は目の涙を拭った
「私たえ。漢字は多いに栄えるそれで多栄!いやぁ!やっと話せた!」
ほれ見た事か目付けられた
「早速なんだけどさぁ一つお願いしても良いかな」
「君の様子じゃ断ってもぐいぐい食い込む位お願いするんだろ?」
突然。そう唐突に。言葉の雰囲気が変わった
「嫌なら良いそれで良い」
冷たい。氷の様に冷たいさっきまでの様子とずいぶん違った
何か意味有り気に
「そうか。何か言いたげだな」
「えぇ。伝えたい事は確かにあるわ。でも良いなら良い無理なら無理で良い」
本当に人が変わった様だった。聞くべきか聞かぬべきか。いや何か有るこれはある直感がそう言っている
「聞こう。何かあるんだろ?伝えたい事が」
「本当!?じゃぁこっちに来て!!」
また人が変わった本当になんだ多栄って子は
そんな変わった子に俺は奥へ奥へと連れて行かれるのだった
「さて問題です!」
人気の無い廊下で俺は詰められていた
「この村には秘密があります!!それは一体何でしょう~~か!!」
問題の難易度が難し過ぎるだろ俺はこの村に来て三日目だぞ知るか。いや知ってたらそれこそおかしい
「それは答える義務あるのか?」
「はいっ!!!!」
目を輝かせながら見つめる奴がそこに居た
「そうか…じゃぁ自己紹介中に声かぶせて引越しして間もない人に詰め寄ってくるヤバい奴がいる…かな」
「ちっがぁぁぁう!ちがう!ちがう!!ちがぁう!!!」
廊下に響く声。デカい。
「ちがうよ!この村のルール!!」
「ルール?」
知らないぞルールなんてそんな説明引っ越す前にあったか?
「知らないなルールなんてそんな事は一切知らされていない」
「そう…やっぱりねぇ…いい?今から言う事を真面目に聞いて」
人が変わった目つきが変わり真っすぐこちらを見つめていた
多栄は次の事を俺に伝えてくれた
「一つ。村には交番や警察署は無いから罪を犯さない事」
「二つ。おかしい言葉は信じるな」
「三つ。一つ隣の山にある比見余寺には一人で行かない事」
「四つ。村の水は煮沸して飲む事」
「五つ。裏切りは裏切られる」
だと。いきなり言われても分からない。だが多栄は続けてこう言った
「今言った事は村に伝わる禁忌。五条厳守言」
「五条厳守言?」
この子に言われなきゃ知らなかった。そんな物がこの村にあるのか
でも何かおかしくないか?警察が居ない?おかしい言葉?何言ってるんだ
「もしその禁忌を犯したらどうなるんだ?村から見放される的な?」
冗談で言ってみた。どうせ村で良くある言い伝えって所だろう
そんな言い伝えは幻想でしか無い。信じた所で無駄だろう
「知ってる限りでは」
口を開く多栄から発された言葉はこの世とは思えない程奇妙だった
「騙す側になるのよ騙された人はこの村から一年後消える。いや。死んだ事になるのよ名目上」
この村は僕が思ってる以上におかしな所みたいだ
初投稿一話いかがでしたでしょうか
ホラーに付き物の条件付きのお話でした
メジャーですがメジャーこそ自分で工夫出来る素晴らしい物だと思います
はい。そう思います。
始まりでしたこのお話村と言いホラーと言いメジャーなんです
そこにどう手を加えるか今後をどうか楽しみにして頂ければと思います
以上。