表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/103

革命 3

(レオン・レパード警部だと!? ・・・何故この人が麻薬王と親しげに・・・)


 部隊ごと失踪した警察の対超能力者用特殊部隊 ”ヘル・ハウンド”。その隊長である目の前の男が、何故犯罪者と親しげに話しているのだろうか。


「ふふふっ・・・理解できない、そういった顔をしていらっしゃる・・・」


 邪悪な笑みを浮かべながら、ゆっくりとレオンがケイゴの元へ歩み寄る。レオンの少したれた目がケイゴの小さな体を見下ろし、その薄い唇が歪にめくれ上がる。レオンは鍛え上げられた太い腕を大きく振り上げ、握り締めた拳をケイゴの顔面に思い切り打ち付けた。


 わかりやすいほどのテレフォンパンチ。しかしそれ故に威力は半端ではなく、身動きの取れないケイゴは一瞬意識を手放しかけた。


 ドウと地面に転げたケイゴを見下ろして、レオンは満足げな表情を浮かべる。ツカツカと歩み寄り、思い切りケイゴの腹を蹴り上げた。


「ハハハハハッ! どうしたヒーロー!? ほらほら、反撃して見ろよ!! この、ムカつくガキがよぉ!!」


 興奮したようにギラギラと見開かれた瞳。上気した頬。レオンは動けないケイゴを執拗に蹴り続ける。


「見ろ! みんな大好きヒーロー様がこの様だ! ヒーローなんていらない・・・この俺こそが最強の能力者なんだからなぁああ!!!」


 すでにケイゴの意識は無い。それでもなお、攻撃をし続けるレオンの右肩を、引き留めるようにセルジオが軽く叩いた。


「そろそろ止めときな新人くん。ゼロの指示を忘れたか? 面倒くせえが、ヒーロー共は生かしたまま連れて帰らなきゃならねえ」


「・・・そう・・・でしたねぇ。いや、失礼。私とした事が、少々興奮していたようでして」


 意外にもレオンはわずかに冷静さを残していたようで、セルジオの制止を素直に受け入れた。しかしまだ蹴り足りなかったのか、未練がましくチラリと地面に倒れているケイゴを見るのだった。


「ッハ、まだヤリたりねえか。なら新人くんよぉ、ヒーローはもう一人残ってんだ、ソイツはテメェにくれてやるよ」


「・・・感謝しますよ先輩」


 そしてレオンはくるりと踵を返して屋上を後にした。その後ろ姿を眺めながら、セルジオは機嫌が良さそうにクックと笑い声を上げる。


「全く、なんであんな野郎が警察なんてしてたのかねえ・・・このオレ様より狂ってやがるぜ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ