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悪の臭気 3

 リーに連れられてウルフは裏口から店の外へ出る。


「こっちダヨ」


 鼻歌でも歌い出しそうな陽気さで、リーは歩き出す。ウルフは一度、周囲に目を走らせて

からリーの後に続いた。


 路地裏の入り組んだ道を、慣れたようにスイスイと先導するリー。ウルフは少し疑問に思ってリーに問いかけた。


「・・・俺に場所をばらしてしまってもいいのか? てっきり目隠しか何かされて、車で移動するモノだと思っていたが」


「ハハハッ、映画でよく見るやつダネ。心配ないよ、今から向かうのはバレても何の問題も無い場所だ・・・何より、ワタシ免許持ってないのよネ」


 ニヤリと笑ったリーが立ち止まる。


「ほら、この中だヨ」


 そこは、今も営業しているのかも怪しいような古びたホテル。なんでこんな場所に立っているのか理解に苦しむようなアクセスの悪さだった。


 リーに続いて中に入ると、やる気のなさそうなフロントマンがチラリとリーを一瞥する。リーが右手を挙げて合図をすると、興味を失ったかのように目を伏せた。


「ここのフロントとは顔なじみなんダ」


「・・・・・・」


 連れられたのは三階の端の部屋。


「連れてきたヨ、お望みの狼さんダ」


 ドアを開けながら、部屋の中にいる人物にそう呼びかけた。続いて部屋に入ったウルフは中にいる人物の姿を視界に捉えた瞬間絶句した。


「・・・・・・まさか・・・・・・ゼロ・・・か?」


 ゼロと呼ばれた青年は、その澄み渡った藍色の瞳でウルフを見据えて微笑んだ。


「やあ、ナンバー4・・・いや、今はウルフと名乗っているんだって?」



 

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