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リーダー代理

「おかえりなさいルーカスさん。ジェームズさんの容態はどうでした?」


 ジェームズの病室から帰ってきたルーカス。事務室で彼を出迎えたのは少し疲れた表情をしたケイゴであった。


「来てたかケイゴ。嬢ちゃんはアイドルの方の仕事かな? まあ、リーダーはもうしばらく復帰は難しそうだよ」


 問いに答えながらルーカスはそっと目の前の少年を眺めた。


 前回の大規模テロにおける首謀者を捕まえたケイゴ。百戦錬磨のヒーロー、ミスターTですら為し得なかった偉業をこの少年は成し遂げたのだ。


 何か少しだけ嫉妬の気持ちすら沸いてきて、ルーカスはいつものシニカルな笑みを浮かべてケイゴをからかった。


「オレはリーダーなんて柄じゃないからな。ケイゴ、お前が代わりにやってみるか?」


「冗談言わないで下さいよルーカスさん。サポートばっかのボクには無理ですって」


「前回の事件で大活躍だったやつが何言ってんだか・・・まあ、無理強いはしないさ。ガキ達に無茶な仕事もさせられねえからな」


 そう言ってぐるりと肩を回すルーカス。なごやかな雰囲気が流れたその時、部屋中に甲高い警報の音が鳴り響く。


「・・・っ!? 出動だケイゴ! 急ぐぞ!」








「おやおや、これはこれはヒーロー部隊の皆様ではないですか。その少人数での出動、誠にお疲れ様でございます」


 慌てて準備を整え、現場に急行したルーカスとケイゴを迎え入れたのは大量の部下を引き連れた垂れ目の警察官。口調は至極丁寧なものだったが、その表情は何か人を見下したような色が見える。


 ルーカスは見慣れぬその警官の慇懃無礼な態度に若干困惑しながらも一歩前に出て挨拶をする。


「初めまして、私はヒーロー”ガンマスター”です。能力者が暴れているとの通報を受け手やってきたのですが・・・」


「・・・軍部に所属しているアナタ方より、我々警察官の方が街の異常には敏感だ。当然上方の伝達もスムーズに進みます」


「・・・はあ、それはそうですが・・・」


 警察官の言葉にさらに首をかしげるルーカス。


「我々は新たな組織を結成いたしました。対能力者用戦闘部隊”ヘル・ハウンド”。私はヘル・ハウンドの指揮を任せられていますレオン・レパード警部です。以後、お見知りおきを」


 警察の新部隊・・・その噂は知っていた。しかしもう実働しているのだという事実は初耳である。


「もう事態は収拾しました。今回、アナタ方ヒーロー部隊の仕事は無い・・・いえ、今回に限った話しではありませんね」


 そしてレオンは馬鹿にしたような表情でルーカスを見る。


「我々が結成された以上、もうヒーロー部隊の出番はありません。大人しく軍部に戻って戦争にでも出動する事をオススメしますよ」



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