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決戦 2

 興奮した様子のジョセフは目をギラギラと光らせてさらに一歩踏み出した。


「そう! 正義だ! 君は何の為に戦い、何故悪を狩る? 何を心の支えとして国の犬に成り下がりながらもそのヒーローという肩書きを背負っている!?」


 明らかな狂気。


 しかしその問いには真摯に向き合わねばならない。例え問うているのが敵だとしても、ジェームズはきちんと答えなくてはならないと感じた。


「私にとっての正義・・・それは人々の笑顔を守るための力だ。例え軍の・・・国の犬と罵られようとも、マスクを付けた道化と嘲られようとも。私は自分の正義を貫く為にヒーローの名を背負い続ける」


 その言葉に淀みは無かった。


 何故ならそれはジェームズが常日頃己に問い続けてきた事だったからだ。


 自分は何のためにヒーローという肩書きを背負い、誰の為に戦うのか・・・己にとっての正義とは何なのかを。


「ふむ・・・なるほど。人々の笑顔を守るため・・・か。綺麗な正義だ。君らしい言葉で・・・とても眩しいよ」


 ジェームズの答えを聞いて少し落ちついた様子のジョセフは何か考えるような仕草を見せた後にゆっくりと首を横に振った。


「確かにそれも正義の在り方の一つなのだろう・・・しかし少し残念だよミスターT。君は確かに正義の味方だ・・・しかし君の正義は私の理想とするソレとは少しだけ違うみたいだね」


「・・・貴様は何故そこまで正義に固執する? そこまで正義を求めるのならば何故このような悪の道に染まったんだ?」


 ジェームズの疑問にジョセフは静かに乾いた笑い声を上げた。


「さて、どうしてかな? 私を捕まえて確かめてみるといい・・・まあ、出来ればの話だけどね」


 そしてジョセフは能力を発動する。


 パチンと大きく指を鳴らすと彼を囲むようにして巨大な炎の渦が現れた。


「さあ始めようかミスターT。ここからは殺し合いの時間だ」









「着いたわチビ助!・・・何やってるの?」


 ルーカスからの報告を受けたエマとケイゴは基地で装備を整えて急いで警察庁に向かった。その移動手段としてエマの能力でケイゴを抱えて空を飛んできたのだが・・・目的地にたどり着き、地面に降り立った瞬間にケイゴはぐったりとその場にしゃがみ込んだのだ。


「・・・気持ち悪い。酔ったみたいだ」


 初めての空中散歩はどうやらケイゴにとってあまり快適ではなかったようだ。


「情けないわね! ほら、さっさと行くわよ!」


 そう言って警察庁に踏み入ろうとしたエマの足下に散弾が撃ち込まれた。サッと後方に飛んで臨戦態勢に入るエマ。その後ろでケイゴもするりと刀を抜く。


「はぁいクソガキ共、久しぶりね」


 そんな二人の前に現れたのはショットガンを手に持った大柄のオカマ・・・悪の組織の幹部、パワーだ。






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