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革命 9





「おぉ・・・神よ。偉大なる我らが父よ。アナタは何故、人に過ぎたる力を与えられたのか・・・力は争いしか生まず、過ぎたる力を御することなど人間には不可能だというのに」


 静かな、しかしよく通る太い声で大仰な台詞を呟く中年男。


”革命家スコーピオ”


 彼はヒタリと閉じられていた瞼をゆっくりと開けると、ニコリと口角を上げて振り返った。


「やあ、来ていたのだね友よ」


 両手を広げて歓迎の意を示すスコーピオ。その視線の先にいたのは今風のファッションに身を包んだ細身の青年。


「ボクの貸したヒーロー二人はどうだい?」


「ふふっ、今彼らにはかつての仲間達とやり合ってもらっている所だよ・・・さて、どちらが生き残るかな」


 不敵に笑うスコーピオに、青年・・・ ”ゼロ” は柔らかに微笑み返した。


「決まっている、勝つのは私が貸した二人だよ」


 断言したゼロに、スコーピオは不思議そうな顔をした。


「ヒーローの中でも如実な実力の差があると?」


「それもある・・・俺が貸した二人、”ガンマスター”と”ニンジャボーイ”は殺傷能力という点において、他の二人より高いからね。でもそれだけじゃない。


ボクが勝つと断言した最大の理由はね、今回私が貸した二人には殺しに関する制限がかかっていないという所だ。


こちら側は全力で殺しにいけるのに、相手側はヒーローという立場上、不殺を貫きながら相手を無力化するという無理難題をこなさなくてはならないのさ」


 ゼロの言葉にスコーピオは深く頷いた。


「悲しき存在だねヒーローというものは。世界に祝福された強力な能力を持ちながら、そのヒーローという立場が彼らに制限を掛けてしまっている・・・実に悲しい事だ」


「ああ、そうだねスコーピオ。だからこそボク達が彼らを解放してあげないといけないんだ」


「これが革命」


「ああ、革命の時だ」


 二人は静かに笑い合う。







「さあ、スコーピオ。革命を始めよう」











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