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革命 8

 所謂重機関銃。


 地面に固定されたその銃器は、いささか個人が所有するには凶悪すぎる殺傷能力を持っている。


 そも、その大きさと重量故に持ち運びにはそれなりの準備が必要になる代物だ。


 だが、ルーカスこと ”ガンマスター”。彼の能力はそんな大型の銃器の携帯を容易に可能にする。


 しかし傭兵時代のルーカスならともかく、ヒーロー”ガンマスター”として動いている今の彼なら、不用意に殺傷能力の高すぎる銃器を取り出す事など無い筈だ。


 いつものルーカスでは無い・・・不穏な空気を感じながら、ジェームズは恐る恐るルーカスに声をかける。


「”ガンマスター”? どうしてここに・・・」


 その問いに対するルーカスの返答はシンプルだった。


 冷たい目線でジロリとジェームズを見据えると、銃口を彼に向け、無言で発砲を始めた。

 無数の銃弾が自身の元へ届く直前・・・正確には銃口が自身に向いた瞬間にジェームズは反射的に部屋を飛び出して扉の影に身を隠す。


 数瞬前までジェームズが居た場所を無数の弾丸が通過し、壁をハチの巣にした。


「ジェームズさん! 敵ですか?」


 少し遅れてやってきたエマ。ジェームズは立ち上がって状況を彼女に伝えようと振り返ったその瞬間、エマの背後に忍び寄る影に気がつく。


「!? 後ろだ!」


 その緊迫した声にハッと振り返るエマ。視線の先には真っ黒な装束に身を包んだ小男が、ギラリと光る特徴的な刃を振りかざして襲いかかってくる姿。


 エマは反射的に能力を発動。翼を動かして生まれた推進力で後方に回避を試みる。しかしその行動はワンテンポ遅く、暴漢の刃は見事にエマの左足を切り裂いた。


 派手に出血する左足。しかしエマは痛みを堪えて回避行動に専念する。狭い通路、この場所はエマの能力と相性が悪い・・・せめてもう少しスペースのある場所に移動しなくては。


 チラリと背後を確認すると、そこには奥の部屋から出てきた ”ガンマスター”ことルーカスが、能力でとりだしたショットガンの銃口をこちらに向けている姿。


「させるか!」


 エマを殺させまいと、扉の近くにいたジェームズが突撃する。素早い動きでルーカスが構えたショットガンを蹴りつける。

 



能力 ”爪先の異端者”



 この夜で最も硬い物質となったジェームズの爪先は、ショットガンをいとも簡単に破壊する。


「うぉおおお!!」


 そのまま丸腰となったルーカスに体当たりをする。二人は部屋の奥へと姿を消していった。 これでエマが背後から襲われる事はなくなった。しかしそれは、エマ自身が目の前の敵を対処しなくてはならないという事と同義だ。


 エマは素早く暴漢から距離をとり、キッと目の前の暴漢を睨み付ける。先ほどは不意に強襲された為、その姿を確認することが出来なかったが、少し冷静になったいま、目の前の人物が誰かが分かって、エマはその目を大きく見開いた。


「・・・・・・”ニンジャボーイ”?」




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