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ある雑誌記者の記録1
リフォーム済
9月6日 20時
職場にて仕事に励んでいたところ、S氏より「至急会えないか」と電話あり。
一区切りついたところだったので誘いに乗り東区の居酒屋へ向かう。
S氏と何度か行ったことのあるOという店だ。
私が店に到着した時にはS氏は既に二杯目のジョッキをテーブルの上に置いていた。
注文をして煙草を銜えたもののライターが見つからず困っている私に、S氏が自分のライターを差し出してくれた。
礼を言いつつも内心私は戸惑っていた。
何とはなしに態度がおかしい。
神妙というのか。
この感じは前にもあったと記憶が蘇る。
私は深々と煙を吸い込みS氏から視線を外した。
ハイボール、鰈の煮つけ、ポテトサラダが卓上に乗せられていくのを眺めながら、私はどう言うべきか考えていた。
「なあ、Sさん。俺は」
「聞くだけでいいから」
言いかけた私の言葉を遮り、S氏はジャケットの内ポケットから何かを取り出した。
グラスと皿の間に置かれたそれは一枚の写真だった。




