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7月4日
流行り病が近くまで来ているようだ。
国土全体で見ると既に2/3程も病魔に侵されている事になるが
最初の村から即座に連絡を受けた、国の中央に位置する王都は
それきり固く門戸を閉ざしており、幸いな事に病は出ていないと行商人が言っていた。
でもそれも、食料が尽きるまで時間の問題でしかない。
村の人達は国王は民と共にあるべきだ、と声を荒げていた。
私は賢くもないし、国王という物を身近に感じた事がないからそういう話は解らなかったけれど
国が全て滅んでしまうくらいなら、そうやって生き残っても良いんじゃないかなと思った。
ここに病が届くまで、そう長くもないだろう。
薬屋のお婆ちゃんと少しでも効き目がありそうな薬草を山まで行って摘んで来た。
だけどお婆ちゃんもこんな病気は見聞きした事が無く効果は期待できないと言っていた。
それでも、ただ不満を言い合うよりはずっと良いはずだ。