5/8
6月25日
近頃流行り病が国内で猛威を振るっているらしい。
ついこの間掛かった風邪のような普通なものでは無く、
上半身が痺れ、下半身は泥のように重く動けなくなるという奇病だと噂になっている。
掛かってしまうと今の所特効薬は無く、自然に治るのを待つしかないようだ。
最初にこの病気が発生した、国の端にある小さな村はほとんど全員が動けなくなり
看病する者も足らず餓死者が多く出たらしい。
数少ない病気に掛からなかった者が事を知らせに街に出たようだが……
これは噂に尾ひれが付いているかもしれないけれど。
感染する恐怖が知らせた先の街で出てしまい、知らせた者が生きたまま火あぶりにされた、とか。
結局村がどうなったのかは聞いていないし、こうして病気は広まってしまっている。
自然治癒した人の噂もまた、聞こえてこない。
最初の村は、どうなったのだろう。