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4/8

 ②

「ハッ! っ……ヤな夢…………」

 まったく。

 なんで、千六百八年も前の事。

 夢で見ないといけないのかな…………。

 ホント、不愉快なんだけど。

 …………あれ? 

 見慣れた天井と壁が何もないよ?

 おかしいな……。

 ボク。

 昨日ベット、外に持ってって寝たんだっけ?

 しかも回りが荒野て……。

 変なの!

 あ。

 もしかして、昨日お酒飲んだのかな?

 ボク、お酒メッチャ弱いんだよね……。

 だから、お酒使ってあって、そのお酒が蒸発してないお菓子なんて、イリコリ――じゃなかった。

 イチコロなんだよね……。

「って、あれ? ボク、昨日お酒の入ったモノって、食べたっけ?」

 記憶にないんだけど、まあいいか。

 嫌な夢見たし……。

「あの時失敗した人狼たちの殲滅。してこようかな……」

 ボクは寝てたベットからむくっと身を起こす。


 ――――ガゴン!


「痛ぅ~~」

 か、顔!

 顔面になんか飛んできた?!

 って、あれ?

 この見慣れた、底と踵が鋼鉄製の靴は……。

 あの雑魚長だな!!

 痛いじゃないか、こんちくしょう!! 

「俺がお前を抹殺してやろうか。サンダニオ」

 靴が飛んできた方から、あの雑魚タコの声。

 あ。

 『長』つけるの忘れた!

 なんて思いながら、そっちを見たら……。

 なんかタコ長。

 額に青筋浮かべてる。

 まぁ、それはどうでも良いけど。

 ボク、顔がめちゃくちゃ痛いんですけど!

 もう。

 こうなったら仕返しだ!!

「どりゃあ!!!!」

 ――――グゥォン!

 え?

 何の掛け声で、何の音かって?

 もちろん、雑魚タコ長めがけて靴を投げ渡したんだよ?

 音はその時出た音だよ。

 え?

 思いっきり狙ったんじゃないかって?

 いやだな。

 ばっちり命中さ!

 もちろん顔面にね。

 いい気味だ、ざまぁみろ!!!!

 ふっはっはっはっは!

「あっれ~? 隊長ー、顔に靴。刺さってますよぉ? どうしたんですか~ぁ?」

 いひひひひひひひ!

 あ。

 タコ長の鼻から血だ。

 うわぁ~。

 なんかやらしいこと考えてたんだ~。

 気持ち悪――――。

「るぅがぁ! っ~~~~~、いったぁ……」

 何?!

 なんで後頭部に衝撃?!

「その辺にしとけ。サンダニオ……」

 いかにもだるそうで、めんどくさげな声が後ろから聞こえた。

 振り返ります。

 後ろには、短い藍色の髪に、金の瞳。

 手には血の付いた長い包丁に、返り血に染まる白い服の男。

 はい。

 ボクの友達・バイアズです!

「なんでバイアズがボクの部屋に居るの?」

「元、な。今はお前のせいで荒野だ」

「てか、なんでその手は血だらけ?」

「あぁ。さっき、思いきり上官に対して暴言吐いてた馬鹿の、息の根を止めやろうと思ったんだが、無理だった」

「へー。そんな馬鹿居るんだぁ~」

 てか、そんなやついないでしょ~。

「お前だよ。馬鹿ニオ……」

「ん……? 『ばかにお』? 何それ」

「『馬鹿でどうしようもないサンダニオ』の略称だ」

「へ~」

 サンダニオって、ボク以外にもいたんだ!

 初めて知った。

「お前だっっつの!!」


 ――――スコーーーン!


 ……頭頂部が、痛い…………。

 てか、タコの再生力パネェ……。

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