ユーゴ編
アラン「ぜーはー、ぜーはー……自己紹介……」
ユーゴ「ユーゴ・アリオスト。今はカイル様の屋敷の執事をしています。……というか、なぜ汗だくで座り込んでいるんですか?」
アラン「い、いや、命がけの追いかけっこをする羽目になってな。あいつマジ怖ぇー。普段、人畜無害な奴の方が性質悪いわ」
ユーゴ「あぁ。あの方のところに行ったのですね。ふむ。仕留めそこねるとは、腕が鈍っていますね」
アラン「い、今サラッと恐ろしいこといいやがったなっ。つか、チクッたのあんただろ!?」
ユーゴ「何のことでしょう? そんなことより、本題をどうぞ」
アラン「あ、あぁ。人気投票の1位と最下位を聞いてんだけど」←危険を察知してこれ以上ツッコむのをやめた。
ユーゴ「そうですね。1位はリルディアーナ姫。最下位はフレデリク・エルンでしょう」
アラン「あれ? あんたが姫さん推しとは意外だな」
ユーゴ「……ゴホン。あの方は主人公ですから。それが妥当でしょう」
アラン「正論だけどよ、なんか私情も交じってるような気がしないでもないんだよな。あんた、意外に姫さん好きなんじゃねーの? そーいやぁ、あんたの初恋ってアン……」
ユーゴ「さて、メディシス将軍を呼び出しますか」
アラン「さーせんでした。なんでもないっす。っと、最下位はエルンの王様?」
ユーゴ「ええ。あの人はいけ好かないので」
アラン「清々しいくらいに言い切ったな」
ユーゴ「何か問題が?」
アラン「なんでもありやせん。ご協力ありがとうございました」
ユーゴ「いえ。さて、私は忙しいのでそれでは」
優雅に立ち去るユーゴを見送り、次の相手へ向かうアランだった。