ネリー編
アラン「……」
ネリー「……」
アラン「……」
ネリー「って! 人を呼び出しておいて寝てるってどういうこと!?」
アラン「い、いや、倒れてんだけど……」
ネリー「あら、そうなの!? 確かに顔色が悪いわね。チャラチャラしてるけど、
あなたって苦労性って感じだものね」
アラン「初対面の奴に同情される俺って……。あながち間違ってないから何も言えねーし」
ネリー「今度は一人で落ち込まないでよね。まったく」
アラン「はい。すんません。とりあえず、自己紹介を」
ネリー「ネリー・バリオーニ。刃の君の屋敷のメイドをしているわ」
アラン「で、人気投票1位と最下位予想を頼みます」
ネリー「そうね、1位は麗しの君。最下位は氷の君だと思うわ」
アラン「ほうほう、なるほどな……って、誰が誰だか全然わかんねー!」
ネリー「もう! 麗しの君といえば、エルンスト様ですわ。あの爽やかな微笑み。誰にでもお優しい懐の広さ。そのうえ、いざ戦場にでれば鬼神のごとき凛々しいお姿。完璧だわ!」
アラン「懐が広い……か」←エルンストに会ってイロイロあった人。
ネリー「氷の君って言えば、あの性悪詐欺師。ユーゴ・アリオストよ! 人を小馬鹿にしたような態度だし、この前だって上から目線で何様なのよっ! 大体、なんであんなに酒に強いわけ? あいつ、本当に人間なわけ!?」
アラン「い、いや、俺につめよられても困るつーか……」
ネリー「はっ! と、ともかくそういうことよ」
アラン「なんつーか、ユーゴのことを話す時は熱いよな。実は好き……」
ネリー「なわけないでしょーが! 絶対無理。あんな奴、大嫌い」
アラン「よくわかんねーけど。複雑な関係なんだな」
ネリー「違うわ。単純明快な話。私は麗しの君が大好きで氷の君が大嫌いなの」
アラン(つか、そう言い聞かせてるように聞こえんだけどなぁ)
ネリー「?」
アラン「ま、いいや。ご協力どうもでした~」
ネリー「あ、ちょっと待って。はい、これ」
アラン「ククリの実?」
ネリー「水分補給と滋養強壮。疲れてるみたいだしあげるわ。じゃあね」
アラン「何気にいいやつじゃんか。うるさかったけど」
というわけで、ククリの実で体力回復。アランは次に向かうのでした。




