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エピローグ 到着と出発
目の前に灰色の海が広がっている。想像力の欠如した、色のない海が。
また、ここに来たよ。
海は相変わらずモノクロのまま。まだ本物を見れていないんだ。
でもね。
変わったところもあるよ。
まず、空を青くした。知ってた? 青って何種類もあるんだよ。向こうの空の色は、グラデーションがあって意外と複雑なんだ。だからすごく大変だったけど、とにかくやってみた。
太陽も作った。前はなかったよね。すごく眩しいから、直接見ちゃダメだよ。
今は風も吹いてる。本物の海は『潮の匂い』がするらしいけど、よくわからないから普通の風にした。
砂浜。前からあったけど、これは自信作だ。陽の光を浴びて、暖かいんだ。柔らかくて、不思議な感触がするよ。裸足で歩くのがオススメかな。
今はこれくらいが限界だね。
気付いていないだけで、海以外にも色を塗れるところがあるかもしれない。
じゃあ、僕は向こうに戻るね。
キティが呼んでる。仕事だってさ。
エルス。
きっと君は、こっち側にいるんだよね?
いつでもいいからさ、見に来てよ。
君と話した、この場所を。




