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クラスにS級美少女がいるけど、A級美少女と仲良くなった話  作者: 砂糖流


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29話 オフ会

 オフ会当日の集合一時間前。俺は完全に寝坊した。


 昨日調子乗ってしめじさんと深夜までゲームしてたせいだ。


 集合時間が昼過ぎだからと、完全に舐めていた。とりあえず急いで準備を――


 ――ヴー。


 焦っていると机に置いているスマホが震えた。


『浅野今日一緒に行くよね?』


『ごめん、寝坊したから先行っててくれ』


『もしかして今起きたの?』


『お恥ずかしながら』


『まあ分かった』

『なら先行っとく』


『うん』


 広瀬とのやり取りを終え、準備を始める。


 ◇◇◇


 電車を降りて待ち合わせ場所までの道を走る。


 急いで準備したものの、10分の遅刻だ。


 とは言え、しめじさんも遅れてくるらしいので、遅刻してくるかは本人の自由なのかもしれない。説明にはそんなこと記載していなかったけど……。



 そうして目的地のゲームカフェへ到着。


 今日はこの場所で自己紹介やらをして各々交友を深めるため、自由にゲームをするという集まりだ。


「すみません。遅れました……」


 申し訳なくなりながらも中へ入ると、広瀬含む10人程の人が椅子に座って、既に自己紹介は終わり雑談をしていた。


 自由にゲームしている人もちらほら。


 見る限り女性は広瀬の1人だけ。

 分かってはいたがやはり男女比率がおかしい。


「お、【アサ】くん。久しぶりー」


 目が合ったギルドリーダーから名前を呼ばれる。

 【アサ】……俺のゲーム内の名前だ。


「お久しぶりです」


「じゃあ自由に座って。さっき自己紹介終わったところだから」


「それならお言葉に甘えて……」


 大体顔見知りなので俺に関しては自己紹介は不要ということだろう。


 何せ、オフ会参加はこれで二度目だからだ。とは言え、しめじさんの顔は未だにお目にかかったことはないんだけど。


「美波ちゃんって言うんだー、ゲーム名と本名一緒なの珍しいねー」

「他になにかゲームしてるの?」


「はい……それ以外思いつかなくって。ゲームは格闘ゲームとかボチボチですかね」


 既に到着していた広瀬とギルドの人たちとの会話が耳に入る。


 基本的にうちのギルドは平均年齢が低めだ。20~30代前後が大半数。


 それのせいもあってか広瀬は完全にロックオンされている。


 数少ない女の子で珍しいということもあるだろうが、他の理由があるのは明確。あのルックスだから仕方ないか。


 学校外だと言うのに相も変わらずの人気っぷり。


 せっかくなら広瀬の隣に座りたかったけど既に両席埋まっている。

 当然しめじさんもまた来ていないので、いつも通りのボッチに。


 こればかりは遅刻した自業自得。広瀬と向かい合う形で座――って、


「何してる?」


 広瀬がいきなり立ち上がったと思ったら隣に座ってきた。


「別に、向こう側暑かったから席変えようと思っただけ」


「それちゃっかりギルドの人たち傷つけてない?」


「傷つけてない。私がバカにするのは浅野だけだから」


「そんな特別みたいに言われても嬉しくねーよ」


「喜べよ」


「別に俺は罵倒されて喜ぶ変態じゃねーっての」


「つまり、する側がいいってこと?」


「なんでそうなるんだよ……」


 今日の広瀬は様子がおかしい。というか夏休みに入ってからというものずっとこの調子な気がする。多分浮かれているだけだろうが。


「それより浅野久しぶりだね」


「ああ、確かに」


 そういえば夏休みに入ってから一度も顔を合わせていないから久しぶりになるのか。


 夏休み中たまにだが、ゲームはしていたし何なら昨日はビデオ通話したせいで、実感がない。


「ってことであれやろっか」


「あれ?」


 疑問に思いつつ、広瀬が取り出したのは携帯用ゲーム機。


 ()()と言えば思い当たるのは一つしかない。


 そう思っていたのだが、広瀬が起動したのはいつもやっている1対1の格ゲーではなく大乱闘の方だった。


「なんで大乱闘?」


「それはねー」


 企み顔を浮かべる広瀬に疑問を抱いていると、


「えっ? もしかしてスマシス?」


 ギルドの人が後ろから画面を覗く。


 スマシスとは、今やろうとしているゲームの略称だ。


「スマシス? いいね、俺も混ぜてよ」


 どんどん俺たちの周りにギルドの人たちが集まっていく。


 なるほど……広瀬はこのために大乱闘の方を選んだということか。コントローラーもなんか凄い持ってきてるし……。


 広瀬のこういうところは本当に尊敬できる。


 それでも広瀬は負けるのが嫌なのか、自分だけはしっかりとしたコントローラーを握っている。


 尊敬はできるけどこういうところはしっかり広瀬らしい。


 当然俺はそんな広瀬に闘志を燃やして戦いに挑んだ。



 その後、ギルドの人たち含む6人で大乱闘を楽しんだのだが……最後残るのは毎回俺か広瀬。


 俺たちはバチバチに煽り合い今現在の勝敗は7勝1敗。


 当然広瀬は頬を膨らませ、


「もう一回……」


「はいはい」


 もうギルドの人たちいるの忘れてるだろ。


 心の中でツッコミを入れつつ、俺も負けず嫌いなので、結局その後も二人でバチバチの対戦を繰り広げたのだった。


 ◇◇◇


 現在時刻は18時。


 もう解散の時間だ。だと言うのにしめじさんは未だに来ていなかった。


 ちなみにスマシスの結果は、18勝6敗。


 終わったあと俺たちは我に返ってギルドの人たちに猛謝罪したが優しい人が多く「上手いねー」と褒めてくれた。


 今日はしめじさんに会えなかったとはいえ、広瀬がいたおかげでいい思い出になった。


「浅野帰ろ」


 ゲームカフェ店前で二次会の話をしているギルドの人たちの声に混ざって広瀬にそう言われる。


「そうだな。帰るか」


 もうこれ以上待っていてもしめじさんは来ないだろうし、今日は帰ってまたゲームを――


「はぁはぁ……しめじ、です! すみません! 遅れました!」


 諦めて広瀬と共に帰ろうとしたところで背後からそんな声が聞こえてくる。


 まさかしめじさんが今になって来るとは……という思考にはならず今の俺はただただ混乱していた。


 当然その声を聞いた広瀬も硬直。


 振り向かずとも声だけで分かる。


 よく学校で聞く声……どうして……どうしてS級美少女の【早乙女杏菜】さんがここにいるんだ?

最後までお読み頂きありがとうございます。


平日・午後12時投稿。

休日・午前7時投稿。


投稿はこの時間帯になると思います。


少しでも「面白い!」と感じましたら、ブックマークと★★★★★、よろしくお願いします!

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あら?まさかのライバル
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