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1.きっかけ

本編1話目です。短いですが、続きます。

その時は突然現れる。

何気ない日常、いつもの帰り道、ちょっとした寄り道。


油断すれば消えていく。どれだけ大切なものでも。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



今日から高校生だっていうのに、自覚がまったくない。姉が起こしてくれなかったからだ。

せっかく姉と同じ高校に入学できたのに、委員会があるからと先に家を出ていったとお母さんが言っていた。起こしてといったのに。


とぼとぼと見慣れない道を歩く。目的地は、徒歩30分先にある高校。

真新しい道を歩いているうち、沈んだ気持ちが浮かんで怒りが沸いてきた。


真面目過ぎる姉が悪いんだ。今日くらいゆっくりしていいのに。お姉ちゃん以外にも仕事をする人がいるんだから、任せていいのに。


やけに耳につく人のざわめきが、怒れる私の意識に届いてきて、少し冷静になった。

お人好しの姉のことだ。きっと後輩の頼みを断れずに、仕事を引き受けてしまったのだろう。そう思わないと、理不尽な怒りがぶり返してきそう。


切り替えていこう。早めに登校して、学校を探検するんだから。

道を右に曲がる。



人が倒れていた。

同じ制服を着ているので、同じ高校だと思うが、大丈夫だろうか。

同じく心配になった人がいたようで、女子高校生らしき人に声をかけている。

倒れている人の安否を確認するためか、体を仰向けにしようとしているようだ。

気になるので少しだけ見ていることにする。


倒れていたのは、

あれ、



じんわり、赤色が地面に広がった。

そこにいたのは、私より先に家を出ていた姉だった。











視界に異物が入り込んで、止まった思考が再開する。

姉に近づく一人の大男。全身黒い服を着ていて、拳は真っ赤。明らかに救急隊員でも警察でもない。


ここで初めて悲鳴を拾った。

私が思考を止めていたからか分からなかったが、これだけの人がいるのに誰も悲鳴を上げなかったのか?ただ、今はどうでもいい。

とにかく、姉を助けないと。救急車や警察はもう呼ばれたのか?

どちらも遠かったはずだし、時間を稼ぐにしてもあんながたいのいい男相手に、どうやって。

もたついたら、お姉ちゃんが死んじゃう。


次第にざわめきが広がり、パニックになった人が増えてきた。

流血沙汰なんて、普通に過ごしていたら遭遇するはずない。今更膝が震えてきた。

暴力の現場を実際に目撃したであろう人、もしかしたら次は自分かも、と逃げ出す人。パニックでその場から動けない人。

人に遮られて、姉が見えなくなっていく。

こんなことをしている場合じゃないのに。こうしている間も、血が流れ、手遅れになるかもしれないのに。



はやく、だれか…!

このように、1話1話が短いものを定期的に掲載しようと思っています。

具体的には、1~2か月の同日同時間帯に、1話ずつのペースで無理なく確実に投稿していきます。

投稿は、基本的に予約投稿を活用します。

私自身、「こんな話が読みたいな」という欲求の元書いておりますので、つたない文章や誤字脱字に関しましては、少々目をつむっていただけると助かります。

今後とも、「さびっさび!」をよろしくお願いします。

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