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09 よく分からんと、最弱勇者③

「ヨシノ、困っている人のためにも犠牲になってくれないかな?」

「フッ! 聖剣すら持ち上げられないなんちって勇者が私に勝てるとでも?」


 そう言ってヨシノはあお向けのままドヤ顔をする。


「でも、MPぎれで動けないじゃん」

「………………あっ」


 そのことに今気付いたのか、顔色が悪くなる。

 僕はそれを無視して、引き車の聖剣に手をのばした。


「ちょ、ちょっと待って、マジで! ほ、ほら争いは争いしか産まないって言うじゃないか!」

「残念だが僕はそんなセリフでほどされる程チョロくないのだ…………フンッ! やァ! …………抜けろ!!!!!!!」


 何もない状態の聖剣を動かすこともできなかったのだ。

 それに加えてノーツじいさんが乗っているのだもちろん聖剣を抜けるはずがない。


「ほ、ほら! 武器だって持ち上げられないし、諦めなよ!」

「こ、これはきっと窮地におちいって本当の能ウワー!」


 コケた拍子に、全体重が聖剣の柄にかかる。

 そのままテコの原理でおっさんが(聖剣も一緒に)ふっ飛んだ。


「ギャァァァァァアアアアア!!!!!!!!!!」


 ドシーンと大きな音をたててヨシノの顔まであと数センチのところに落ちる。


「おい、危ないだろ! あと数センチズレてたらどうなったかわかってんのか!」

「まぁまぁ、落ち着くのじゃヨシノ。そのおかげでわしも出られたし良イダァァァァアアアアア!!!!!!」


 ヨシノをなだめているノーツの顔に聖剣((さや)付き)が落っこちてくる。


「おい、ふざけんな! もし鞘がついてなかったらどうなってたか分かっとるんじゃろうな」

「それのことなら安心して大丈夫だ、なんせ聖剣は勇者が持ってるときじゃないと剣の形したただの鈍器だし」

「そうゆう問題じゃねぇじゃろ!」

「そうだそうだ!」


 ヨシノも、じいさんも、一切黙らない。

 こんな時に有効な手段を勇者ダーヤマは知っている。

 ゴリ押しか、寝たふり。


 僕が選ぶのは…………。

「ダーヤマは、今晩の寝床を見つけた!」

「「誰が泊めるか!」」


 ゴリ押しだ!

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