10 巨乳お姉さまと、最弱勇者
「いやぁ~悪いですね、晩ごはんまで用意してもらって」
机にはちょっと豪華な晩ごはんが並んでいる。
どのおかずも美味しそうだ。
そして今が旬の『邪竜の尻尾』の唐揚げは特段にうまい。
「おい、何を勝手に食っとるんじゃ! たしかに、引き車は役に立ったが……」
「そんな泊めてくれるんだしいいじゃ――」
「「誰も泊めるなんて言ってない」」
でも、机の上には茶碗も箸も3つ置いてあるし。
家にあげてくれたし。
どういうことだ…………ハッ!
「ツンデレか!」
そんな訳ないじゃろ、とじいさんは呆れたように即答してため息をつく。
……やっぱりこの反応は!
「ツンデ――」
「は? 頭悪いんじゃないの」
こ、このヨシノのゴミを見る様な、すりガラスの様な、濁った目……ほ、本当に違うというのか!
「そ、そんなあの時のは遊びだったとでも言うの?」
「痴話喧嘩みたいに言うのやめろ! てか、あの時ってどの時だよ!」
「ま、まぁそのことは置いといて……僕を家に入れてくれたのはいった――」
「「お前が勝手に入ってきたんだろ!」」
「じゃ、じゃあ茶碗と箸が3つずつ置いてあるのはいった――」
「「ここにもう一人住んでるんだよ!」」
ソファーの上であお向けにふんぞり返っている。
ガチャ
扉を開けて金髪赤眼の180センチはありそうな巨乳のお姉さんが入ってくる。
「たっだい――」
「巨乳キャラ来たぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!」
ついに、ついにだ!
ようやく、待ちに待った巨乳キャラ!
しかも、Fカップはありそうだし!
それなのに、ビキニ鎧の上からマント羽織っただけの露出過多な素晴らしい服装だし!
ムッチリした太もも(ニーソ付き)だし!
もうほとんどハダカニーソじゃん!
「ね、ねぇヨシノちゃん何かめっちゃゲスい視線を発してくるあの子誰? ヨシノちゃんの友達? 新しい住居人?」
「そんなわ――」
「はい! そうです! 今日からここに住むことになったダーヤマと言います。これからよろしくお願いします」
僕は彼女の前に行き手を取る。
おっぱいから目が離せないのはちょうど目線上に彼女の胸があるからで他意はない………本当だ!
「あ、うん……わ、私はメイベル・シオーネ……よ、よろしく」
「こいつは筋力はカンストしてる化け物じゃが守りと素早さがゴミでのう、うちの常連なんじゃ」
教会に常連って……ハッ!
そ、そういうことだったのか!
「つまり、昼間話していたSランク冒険者というのはそこのお姉さまに会う口実として死んでいたんだ!」
「キモ、さすが(自称)勇者だわ」
「さすが(自称)勇者は考えてることが違うのう……それとそのSランク冒険者は同性にしか欲情しないんじゃ」
み、身の危険を感じる……これは冒険者ギルドに行かず次の街を目指したほうがいいのでは?
で、でも身分証がないと街に入るのにお金取られるし……
「大丈夫じゃ、お主はどう考えても狙われん……そう言えばここに住むんじゃったな! 家賃は月10Gじゃ。」
「あぁ、10Gね〜…………」
ポケットに手を突っ込むが財布がない?
じゃ、じゃあもう片方は……ない、と。
ま、まぁ引き車の中に落ちちゃったのかな?
急いで部屋の外に行き引き車の中……には聖剣しかない。
「ふ、ふぅ……べ、別にここに住むとか言ってな――」
「音声再生」
おっさんがそう呪文を唱えると部屋にとある音声が鳴り響く。
『今日からここに住むことになったダーヤマと言います。今日からここに住むことになったダーヤマと言います。今日からここに住むことにな…………』
「わかった! わかったから! いつまでに払えばいいの?」
「明後日じゃ、もし払えなかったらどうなるか分かってるんじゃろうな?」
「具体的には一体……ゴクッ」
「3週間、邪竜漁に行ってもらう」
……死ねと? あなたは私に死ねと?
「まぁとりあえず明日は、冒険者ギルドに行ってダーヤマの冒険者登録で決定!」
こうして話はメイベルの一言できれいに終わ……
「うわッ、なんか箸が湿ってるんだけど!」
きれいに終わった!
キャラ紹介
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⑥ビキニ鎧のお姉さま
名前 メイベル・シオーネ
ノーツじいさんが経営しているアパートに住んで
いる巨乳のお姉さま。
防御力が紙すぎて蘇生に報酬の八割を使ってしま
うので月10Gの家賃には助かっている。
身長 183cm ■■■■■
B86.5W63H84
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次回、冒険者ギルド!!!!!!!!!