第21話「ポーションの作り方を教える」
「それでは、今から作り方を作りながら説明するので、よく見ていて下さい。分からないところがあればその都度聞いて貰っても良いですし、終わってから纏めでも良いですよ」
そう言って、私はポーション作りの準備を始めた。
今日は聖水があるので、聖水を使った一般的なやり方の方が良いかな。
「まず、材料ですが、聖水と薬草、屑魔石を使います。屑魔石を使う以外は教会で習うのと同じだと思います」
そう、基本は変わらない。ここからが肝だ。
さっきエミリーさん達に話したことと同じことを話す。
「魔力の使い方、込め方が違うのですが、一度やってみますね」
そう言って、材料を用意された容器に入れていく。
「聖水に薬草と屑魔石を一定の割合で入れていきます。これは屑魔石の部分以外は教会で習っていると思いますが、それと同じです。屑魔石は分量を間違っても出来上がった際に使われなかった分は下に沈殿するので、大凡で構いません。沈殿した分は材料を継ぎ足して再利用するか、分けておいてあとで使うとかして下さい。捨てることはないですよ」
そう、捨てる必要は無いのだ。
「先生、屑魔石を使う理由は何ですか?」
「使う魔力の補助と考えて貰えば良いかな。屑魔石が多ければ使用する魔力は減るし、少なければ多くなる。沢山効率よく作るときには屑魔石が多ければ多いほど楽が出来るよ」
屑魔石は魔力の補助的に使われるので、多ければ余るし、少なければ作ってる人の魔力が多めに必要となるのです。
「もう一つ質問です、教会では薬草の使用量は厳密に計って、それでも沈殿して残った薬草は捨ててましたが……」
そう、教会では捨ててる。薬草は再利用するほど残ることはないから、不要分として捨ててる。効率的と言えばそうなんだけどね。
「まあ、効率を考えれば捨てても良いんですよ。まだ使えるので勿体ないので、分けておけば、またあとで使えるので良いかなと思うのです」
勿体ない精神ですよ。ケチってるとか言わない!
「材料をこの容器に入れてっと」
ドババーッと一気に入れる。どう見ても適当に見えるね、これ。
「まず、呪文を唱えながら、ポーションを作る容器を覆う感じで魔力を流します。魔力の膜で聖水を覆う感じで魔力を流すと覆い終わる辺りで魔力の流れがぶつかった感じがするので、そこから内側に魔力を満たすイメージで魔力を込めていくと魔力で満たされて発光してポーションが完成します。発光は治癒魔法と同じなので、それを意識してやると割と早く出来上がると思います」
説明が終わる頃には光ってたよ。
「ええ、そんなに早く出来上がるんですか」
二人とも吃驚している。エミリーさんとカリンさんは先ほど見てたので驚いたりはしていない。
「さぁ、やってみて下さい」
エミリーさんを含めた三人に促してみる。カリンさんは薬師なので今回は結果を確認して貰うことになるのかな。
……数分後
「ノノ、出来たよ。確かに言われたとおりに意識して魔力を流すと分かり易いね」
以外にもエミリーさんがあっさり成功した。もうちょっと係るかと思ったけど、魔力の扱いはさすがに慣れてるっぽい。残りの二人は……。
「先生、魔力の膜のイメージが難しいです」
シンシアさんはこんな感じでウンウン唸ってる。
「魔力の流れがイマイチ分かりません」
ジョシュアさんも同じような感じかな。
なかなかうまくいかない模様。どっちも魔力の流れが掴めてないのが原因なんだけど、まあ、きっかけが無いと難しいかも知れない。で、あれば……。
「きゃっ」
私はシンシアさんの後ろから手を添えて、魔力を流れを確認してみる。ちょっと吃驚させちゃったかな。
「こうすると分かるかな?」
添えた手からちょっとだけ魔力を流す。異質な魔力が加わると分かり易いはずなんだけど、どうかな?
「あ、なんか分かった気がします、これですか?」
お、流れが強くなったぞ、そうそう。
「分かったみたいだね、それが魔力の流れ。普段は感じないかも知れないけど、慣れてくれば何となく分かるようになるよ。いろいろ応用できるから頑張ってね」
シンシアさんはもう直ぐ出来そう。
さて、ジョシュアさんは、と。
「ん、こう、これかな?」
どうやら何かを掴んだようですね。目を凝らしてみてみると、魔力の膜が出来てた。あとは容器に魔力を満たせば……。
「そこで内側に魔力を流すイメージだよ」
「あ、はい。……こうですね?」
二人とも無事にポーション作成が出来た。あとは回数をこなして行けば時間短縮も出来るはず。
「しっかりした指導があると割とあっさり出来るもんですね」
カリンさんが出来上がったポーションを確認しながら話しかけてきた。
「実際に作ったことがあるから、教えやすいというのもあるんですよ。魔導書の記述だけを見てやってみてもなかなかうまくいきませんし。試行錯誤を繰り返し繰り返しやって、失敗を重ねてようやく成功とかの方が多いですよ。魔導師が徒弟制なのは魔力という目に見えない力をどうやって扱うかを教えて貰う必要があるからなのかなとか思ったことがありますね。王立の魔法学校はどんな感じなんです?」
エミリーさんに話を振ってみる。カリンさんは魔法使いの子達を見ている。
「教師が壇上でやって見せてから、皆で実習って感じかな。習熟度を上げるとかそういったことはあまりしてなかったように思う。特にポーション作りとかの他職でも出来るようなのは授業としても少なくて、魔法の行使とか効力とかに重点が置かれていたよ」
そう言って、エミリーさんは肩を竦める。
全くもって当然な回答をいただきました。
「まあ、確かに一人で何でもするよりかは分業した方が良いですし、普通、魔法使いが一人で行動することも殆ど無いですしね、そりゃそうですね」
魔法使いは魔法は強力だけど、詠唱時間や魔力切れを考慮すると非力だとされている。あと、接近戦だと全く役立たないしね。前衛がいて初めて役立つ感じだね。
「でも、此処に居ると手空きの時にはこういったポーション作りとかもするから、今日は為になったよ。効率とか考えると、一度にたくさんで作れる薬師や錬金術師に任せた方が良いんだろうけど、そんなに大勢居るわけでもないしね」
私とエミリーさんがそんな話をしていると夕方近くになっていた。
「結構時間が経ったね。夕方に近し、そろそろ終わろうか」
カリンさんが窓から差し込む、西日を気にしながら片付けるように魔法使いの子達たちに指示している。
後半はほとんどポーション作りの講師になってしまったけど、良かったのか悪かったのか。




