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東亜戦記  作者: 栗林
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第九話,上陸作戦

*11月30日夜*

日本、アメリカ、フィリピン、インドネシア、台湾などの多国籍軍による船団が黄海を航海していた。

ほかにも各国海軍や日本・韓国空軍がこの、山東と大連への上陸作戦に参加する。

中国方面多国籍軍最高司令官には日本軍の西康介元帥が、大連方面地上軍総指揮官にはアメリカ軍のドワイド・W・スチュアート大将が、山東方面地上軍総指揮官には台湾軍の蒋超亜大将が選ばれた。



*日本陸軍特殊船『ぬまづ丸』*

陸軍の特殊船には揚陸艦としての機能もあれば後方に僅かながらミサイルも搭載しておりある程度の海戦を行える。

このぬまづ丸はよく司令部として利用される。

「大連、及び山東上陸は。日本陸軍のみならず。アメリカやフィリピンなどの同盟国軍全体が最大の比重をかけた大作戦である」

「敵は我々が天津に上陸すると予想している為、大連と山東の戦力をかなり天津に回している」

「そこで、一度天津に向かうと見せかけて、一気に大連と山東に上陸を開始する」

「日米の海兵隊4万が先陣をきり、突撃を敢行する。残りの敵は後に上陸する陸軍に任せ、海兵隊はできるかぎり前進あるのみ」

「中国軍と満州軍は総勢1000万人を越える兵士を抱えているから、ちょっとでも進軍を止めたらすぐに大勢の兵士を集め、大攻勢をしかけてくる」

「そうなる前に、我が軍は北京入場の突破口を開かなければならないのだ」

「突進、突進、そして突進。なにも考えずに敵中を突破せよ、ちょっとの時間が命取りになる」

一見、ただつっこめといっているようであるが現在大連・山東に中国軍が(比較的)少ないのは事実でありこれはチャンスであった。

だが多くの兵士を抱える中国、そしてその傀儡政権の満州はすぐに戦力を集中し多国籍軍の前に立ちはだかることができる。

進軍をちょっとでもやめれば多国籍軍に勝利はなくなるのである。


これまで日本空軍と韓国空軍の爆撃によりこのあたりの陸軍はだいぶ兵力を落したとはいえ、北や西、南方面はまだ無傷である。



多国籍軍の船団は渤海に侵入、そのまま天津に向かうと見せかけていた。

中国軍のレーダーはこの船団の存在に気がついているが天津に向かっていると軍人たちは完全に思っており、このままこっちに来るものと思っていた。

だが、12月1日午前3時、突然の如く船団は二つにわかれ、それぞれ大連、煙台に向かった。

だがこの時間帯は中国軍の兵士達にとって、睡眠の時間であった。

(もちろん交替で働く人もいるが)

異変に気がついた彼らは兵士達を起こそうとしたが、ここで無能指揮官の登場であった。

「日本船があの海域をうじゃうじゃしているのはいつもの事だ。北海艦隊の大部分を失った我々はあの海軍力に抵抗する力はない」

「ならばここ天津で迎え撃とう。ここには強力なミサイル陣地があるのだ」

しかし、午前5時ごろ…

*大連*

「…」

ドドーン!!!

大連突如、トマホークが撃ちこまれた。

日本とアメリカ、フィリピンの駆逐艦からである。

だが中国軍も馬鹿ではなく大連の守備隊はこう来るだろうとは思っていたのだった。

「発射!」

ゴォォォ…

大連の守備隊もミサイルを放った。

日ごろの爆撃でだいぶ戦力が落ちたとはいえ、僅かながらミサイル陣地は残っていた。

*大連沖*

「フィリピンの輸送船に一発ミサイル命中!他台湾軍の揚陸艦3隻にも命中!損害は今調べているとの事です!」

その頃、浜にかなり迫っていた船団は上陸用舟艇を降ろし、まず日米軍が第一陣として4万の海兵隊を送り込んだ。


イージス艦「神風」…

「目標、敵のミサイル陣地」


「…発射!」

ゴォォォ…

さらに一発、ミサイルが放たれた。

このミサイルは見事に直撃し、中国軍によるミサイルの雨攻撃はほぼなくなったがここまで距離が近いと十分火砲の射程内に入ってしまう。

船の周りには水柱が立っている、砲撃によるものだ。



至近弾は以外と危ないものでこれだけでも船は損傷してしまう。

ドドーン!!

「ようそろー!」


「敵さんも必死ですな」


「こちらも必死だからね」

一方、浜では。

銃声や砲撃による轟音が聞こえる中、日米の海兵隊員は決死の突撃を行っていた。

彼らにはもちろん、支援がつく。

歩兵だけではどうしようもない数である。そこでヘリコプターの登場だ。

日本の八五式ヘ型陸上攻撃機(ヘ型とはヘリコプターの事)の支援は海兵隊の皆にとって神様のような存在だった。

「おお!!」

一方、戦車戦では日本海兵隊の七八式戦車、九〇式戦車が96式戦車や99式戦車と激戦を展開していた。

特に99式戦車は海兵隊の戦車でも一撃撃破は難しい。

互いに2〜3発あてなければ撃破は不可能であった。



だが…



ドゴォォ!!

渤海にて突然日本の揚陸艦に水柱がたち、そして船体が傾き始める艦が増えた。

犯人は一つ。

「対潜戦闘用意!!」

この潜水艦による攻撃で実に多国籍軍艦艇13隻に損害が出た、そのうちの3隻は沈没するに至った。



















だが…中国軍の抵抗空しく、大連上陸戦は多国籍軍の勝利となった。

「敵は幾万…」

その後、日本陸軍2万が大連にに残る残敵の討伐を行ったほか、ほかフィリピン・インドネシア軍3万は補給線確保の為朝鮮半島との境にあるタントン・シニジユ方面へ向かった。

フィリピン・インドネシア軍との早期合流を目指し朝鮮にいる韓国軍4万、日本軍2万も攻撃を開始した。

(ちなみにこの時日本陸軍は朝鮮半島に10万、新たに大陸に26万を送り込んだため本土には全国に陸軍15万ほどしか戦力が残されていない、ただし海軍と空軍はかなりいる)


一方日本軍13万、アメリカ軍4万、両軍海兵隊4万は奉天方面に進軍。

国境付近の瀋陽占領を目指した。




方や山東の上陸部隊も上陸に成功した。

この作戦での戦死者は多国籍軍は陸海空軍合わせて682名、負傷者は3843名にまで上り、開戦以来一つの作戦での戦死者数がNo1となった。

中国軍の損害は大連、山東合わせ死傷者28000名、捕虜13000名であった。

ちなみに死者の半数以上がフィリピン、インドネシア、台湾軍の兵士である。

(もちろん日本兵や米兵にも死者はでている)

特にフィリピンやインドネシアの陸軍は久々過ぎる実戦参加であった。



その頃、連戦連敗の中国の毛は満州首相にこう命令した。

「日本にミサイルで攻撃しろ」



次回:

満州軍は日本へ向け弾道ミサイルによる攻撃を開始した。

日本は被害を最小限にする事ができるのであろうか?


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