第七話,黄海海戦2
空母「南雲」
「第二次攻撃隊!発艦!」
このほか、熱風艦上戦闘機(海外では戦闘攻撃機と紹介されている)、艦上対潜哨戒機「日本海」などが南雲、紅龍から約60機あまりが発艦。
一方の中国海軍も迎撃機としてsu-30を数十機発艦させた。
*数十分後、ミサイル巡洋艦「日高」*
この日高はイージスシステムを搭載した日本初の艦船であった。
近代化改修はされているが既に旧式化しており本海戦が最後の戦いになる予定である。
「艦長」
「ん?なんだ?」
「第二次攻撃隊は空母1、駆逐艦4、フリーゲト3に対艦ミサイルをあて損害を与えたが不確実であるとの事、トマホークでの支援を要請、空母を狙ってくれとの事です」
「そうか…確かにトマホークを空母に叩き込めば…沈まなくとも着艦は不可能になる」
「よし、トマホークの発射を許可する」
空対艦ミサイルの戦果といえばアルゼンチン軍によるシェフィールド撃沈が最も有名であろう。
だが後にイラク軍が200発も放ったものはイラン艦艇に損害を与えるもまちまちであった。
このほかイランと誤認してアメリカにも撃たれたものの撃沈はまのがれた。
今回も数百発のミサイルが放たれたものの最も重要な空母に1隻しかあたらずしかもまだ使用可能であった。
(それ以外は3隻が大破)
航空機による攻撃の妨害を少なくするには空母をしとめなければならない。
その為、トマホークによる空母攻撃を日本海軍は望んだ。
「CIC艦橋、トマホークの発射を許可する。目標は敵空母2隻」
*艦橋*
「トマホーク発射」
ゴォォォ…
轟音を上げ、トマホークは日高より2発が発射された。
「頼むぞ、トマホーク」
日高乗組員たちは今放たれたトマホークが戦果をあげることを期待し、祈っていた。
日本海海戦と同じぐらいこの海戦の勝利は重要なのである。
黄海及び渤海の制海権を入手しない限りは反攻は難しい。
ここで勝利し、大連、山東に上陸して各部隊がそれぞれ、中国の首都である北京を目指す。
北京を攻め落とせば傀儡である満州も降伏に応じてくれるだろうと、日本は期待していた。
*一方、中国海軍*
「戦況は?」
「空母1小破、駆逐艦2、フリゲート大破、駆逐艦2、フリゲート1中破、フリゲート1小破」
「艦載機損耗80%、敵海軍の損害は艦載機のみです」
「極めて過酷な戦況だな」
「提督!大変です!ミサイルが空母に向かってきています!」
「なに!?」
中国のレーダーにもトマホークの姿はしっかりと映っていたが命中率が高いトマホークを防ぐことはできなかった。
…
…
…
旗艦、空母「南雲」
「提督!日高のトマホークは2発とも敵空母甲板に命中!」
「…ということは?」
「空が多少ばかり手薄になります」
「…よし、艦隊の全兵力を駆使し、残り艦艇を撃滅せよ」
空母甲板をやられ航空機により支援がなくなってしまった中国海軍にもはや勝ち目はなかった。
高杉中将も予想外であったこれほどの圧勝は、日本兵達の士気を多いにあげた。
海戦は翌日も続いたが日本海軍の損害は駆逐艦2隻が小破したのみであった。
対する中国海軍は駆逐艦、フリゲートの多くを失い原子力潜水艦も2隻が失われ。
北海艦隊は致命的なダメージをうけた。毛はすべての艦艇を黄海、渤海に送ろうとするも海軍は猛反発した。日本には多くの同盟国がおりまた日本海軍も今回派遣した艦艇は一部にすぎない。
そのことを中国海軍上層部はわかっていたのだった。
だからこそすべての艦艇を黄海、渤海に送る事に猛反発したのであったが毛は反発した海軍上層部の人間4名を3日後、暗殺し新たな司令官に入れ替えた。
しかしこれは毛の愚策だった。パイロットは5年あれば育てられるし飛行機も船も中国の工業力だったらすぐにできる。しかし優秀な指揮官は長い年月をかけないと生まれない。
毛の行動は中国海軍のさらなる弱体化を生むきっかけとなるにすぎなかった。
一方日本陸軍は12月1日の大連、山東上陸を目指し26万の兵士を用意していた。
(天津に上陸しない理由は北京に近く防御も固められているからである。中国はここから日本軍が上陸してくると思っていたので大連も山東も天津も要塞ではあるが特に天津を要塞にしたのである)
日本陸軍の計画としては26万を半分にわけ大連と山東に上陸させる。
さらにこの上陸作戦にはアメリカ軍8万、フィリピン軍4万、インドネシア軍2万、台湾軍1万も参加することになった。
そのほか各国海軍、空軍(日本・韓国)も作戦に参加する予定である。
ちなみにアメリカ軍8万はイラクなどから撤退した部隊。
12月1日にはノルマンディーも真っ青な各国陸海空軍共同の大規模な上陸作戦が敢行されようとしていた。
次回:
日本軍は朝鮮半島奪回戦にて中国陸軍の恐ろしさを知った。
精度は悪くとも数で押してくる上に99式戦車は予想以上に強敵であった。練度で押していた日本陸軍だが次第に数で圧倒され、苦戦の末国境まで押し戻した。
だがそんな日本陸軍に待望の新型戦車がデビューすることになった。