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東亜戦記  作者: 栗林
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第四話,帝国防空戦

*中華人民解放空軍、上海*


「上から、命令があったが、今回我が部隊は、日本の西側の

 防衛の要である沖縄と九州を爆撃する」

中国側は、一週間前の中国本土爆撃さらに空から中国軍を攻撃する日本に対し

報復すべく、日本本土空襲計画を建てていた。

「今回、我が軍が使用するのは、敵もやったのだから

 こちらも同じくちょっと古い機で行う」

「これは心理戦で今頃勝利気分で浮いている日本、おそらく

 防空態勢は我が軍並かそれ以下のレベルであろうと思われる」

根拠のない情報である、上からこれしか情報がとどかない。

これが数で日本に勝る中国軍の泣き所である。

「対日本爆撃の為、旧ソビエトから購入した爆撃機、「tu-95」こと

 大轟炸一型、これで日本を空爆する」

 

tu-95とはツポレフ設計局が開発したレシプロ戦略爆撃機である。

レシプロといってもターボプロップである。

非常に優秀な機体で現在でも少数が稼動しており史実では中国軍で運用されていないが

満州経由で中国が購入、現在中国内に30機、上海には日本爆撃の為15機が配備されている。

「敵がジェットならこっちはペラ、屈辱を与えてやろうではないか?」

中国兵の士気が高まる



*一方、大日本帝国、沖縄*


ここは日本空軍が最も重視する島で陸海軍も多く駐屯しまた日米同盟の日本は

オアフ島を、アメリカは沖縄を部隊がそれぞれ防衛する、という文に基づき米陸海空軍も

オアフにいる日本軍と同じ数が駐屯し、さらに同盟国の航空隊も駐屯しており

世界はここを「琉球要塞」と呼んでいる。


冷戦が終わった今、その規模こそは縮小されているもののそれでも日本防衛の要として、

そして中満開戦により主に対中国戦の要としてかなりの人員がここにいる。



まさに難攻不落の大要塞でイギリスはかつて日本軍の手に堕ち今では

独立国であるシンガポール要塞のような感じで「日本のシンガポール」と評している。

ここには日本空軍の第2方面空軍の飛行第3師団、第4師団が駐屯している。



*那覇空軍基地-第2方面空軍総司令部*

「閣下、お伝えします」

「韓国及び台湾からの情報によりますとここ沖縄の方向に中国軍爆撃機計10機が向かっております」

中国軍爆撃機の姿はすでに同盟国のレーダーに捕らえられており

自国のレーダーを見ると1000km先に影が10個写っていた、バレバレである。

「…そうか、一応戦闘機がいつでも発進できるように待機させておいてくれ」

「まずは哨戒航行中の海軍イージス艦隊に任せておこう」


この時丁度東シナ海をイージス艦3隻「神風」「雪風」「春風」が

哨戒していた、このほか別海域には巡洋艦「愛宕」原子力空母「南雲」駆逐艦「屈斜路」が

行動している。


大陸での戦いが予想されるこの戦争だが海軍も作戦上欠かせないものである。

東シナ海や日本海などの自国の領海を守るほか日本軍が計画している大連上陸は

海軍無しには行えないのである。


大連上陸を果たすためにはまず黄海・渤海の制海権を手に入れなければならない。

日本と戦うために中国軍の戦力はここに集中し海軍要塞と化していた。

ここを手中におさめなければ大連上陸も果たせない。



-閑話休題-



旗艦「神風」

神風は神風型イージス艦の一番艦。

イージス艦としての能力は世界でもトップレベルを誇りそこは流石世界三大海軍の一つである。

ちなみに日本海軍はアメリカ海軍よりも規模が大きい陸軍が51万、海軍は35万、帝国海兵隊は

10万、空軍は23万、憲兵隊は1万。

海軍の兵員はアメリカを上回る保有艦艇も302隻、これはアメリカ海軍の280隻を上回るものである。

(302という保有数は厚木の302空が由来という逸話がある)


ちなみにこの他近衛武装警備隊という天皇陛下を守る為の組織が存在しこちらは3万の人員を抱えている。

陸軍歩兵と同じ装備をしておりお国の為ならたとえどこへでも行きそして

激戦地へいっても損害がわずかで済んだりする精鋭部隊である。

外国では「日本の特殊部隊」と報じている。



帝国海軍海兵隊はアメリカの海兵隊に習い戦後新設された新たな組織で概要はほぼ同様。

アメリカと比べると小規模ながらよく鍛えられており

独自の航空兵力も持つ、海軍と共同行動をとることが多くまた陸軍とほぼ同じ装備をしている。


アメリカと同じく帝国海兵隊にもモットーがある。

それは「少数精鋭の無敵部隊」や「大君へ永遠の忠誠を」などがある。




-閑話休題-



*中国軍爆撃隊一番機*

「現在右下に敵艦艇が3隻います」


「どうせ補給艦だ、無視してもよい」

「よし、ここからは沖縄を単等する5機と

中国軍の爆撃ルートは5機ずつわかれ沖縄、九州をそれぞれ爆撃する。

特に九州が爆撃されれば中国に本土が爆撃されたことになる。

それは日本にとって最も屈辱的な事である。

だからこそ、時代遅れの飛行機で中国軍は日本本土空襲を敢行しようというのである。


一方、「神風」

「こちらCIC艦橋、敵機は左上上空を高高度で飛行中。艦長、指令を」

CIC艦橋からの報告をうけた、神風艦長は戦隊司令官木下少将に言った

「提督、指令を」


「…三式で敵を撃ち落そう、本土空襲は日本国民の戦意を大幅に下げるうえ

 中国の戦意をあげ大反撃に転じてくる可能性がある」


「お言葉どおりに行動しましょう」

「CIC艦橋、直ちに撃墜せよ」


「了解しました、三式対空高高度噴進弾!」

三式対空高高度噴進弾とは、日本が独自開発した艦対空ミサイル、三式対空噴進弾のうち

高空〜高高度を飛ぶ飛行機の迎撃を得意とする。

低空や中高度版も存在する。


*中国軍*

「なにかがこちらに飛んできます」


「大丈夫だ、大韓航空機撃墜事件の時ようになかなか撃墜できないはずだ」

だが機長のその考えは謝りであった。

爆音と振動と共に機体の動きが急におかしくなった。

「なんだ!?なにごとだ!?」


「機長!穴があいています!」


「空対空ミサイルか?」


「しかし戦闘機はいません…まさか下にいる船はイージス艦では!?」


「艦対空ミサイルか…想定外だった…」


*神風、雪風、春風*

雪風-

「全弾命中!敵機は墜落中!」

神風-

「…やってくれたか、三式対空噴進弾」

中国軍の大轟炸一型5機はイージス艦3隻にあっさり撃墜されイージス艦の防空能力が

いかに高いかを敵に示した、一方九州へ爆撃しにいった部隊を向かえようとしていたのは

原子力空母「南雲」を旗艦とする機動部隊である。

*南雲*

「2機だけで大丈夫なのかね?」


「熱風なら2機でもツポレフぐらい圧勝だろう」

熱風(A15M)は日本海軍が1986年から運用している艦上戦闘機だが

対艦攻撃にも優れており外国からは戦闘攻撃機といわれている。

極限まで軽量化されたものの基準の強度は満たしており軽快な運動性能を誇る。

現在海軍機でもっとも運動性能がよいといわれている飛行機である。

格闘戦も得意だがほかの戦法も同じぐらい得意であらゆる戦闘機に勝てる戦闘機である。


陸上戦闘機とも互角に戦える力を持っているのは湾岸戦争で実証された。

(相手がお古だったっていう理由もあるが)


その熱風が2機、迎撃の為、スクランブル発進した。

*数十分後*


「20mmガトリング砲発射!」

ブオオ…

速すぎて音の切れ目がない。

「ふう、ガトリング砲は調子いいみたいですね」

「おっ、敵機ですよ」

中国軍に護衛機はない、第一ここまで飛んでこれる戦闘機がなかった。

「さて、ガトリングもいいがやっぱ噴進弾ですな」

そういった瞬間中国軍爆撃機とすれ違った。

なんだ?と驚く中国人たち、だが2機は急旋回、軽快な運動性能を

生かしあっという間に後ろについた。

「噴進弾!発射!」

熱風が複数のミサイルが発射されエンジン目掛けて飛んでゆく。


ドゴォ!

「なんだ!?エンジンが!!」


「馬鹿な!ペラの飛行機にはサイドワインダーはあたらんはずだ!!」


「機長!この飛行機はターボプロップです!熱探知型でもあたります!」

ちゃんと教育のとどいていない兵士を前線に送り出す中国軍と1人1人が精鋭の

日本軍の差はまさにこれであった。



中国軍が夢に見ていた日本本土空襲は、夢となり消えていった…

後に大本営はこの戦果を華々しく報じた。

だが中国軍はどうしても日本本土を空襲したいらしく、その後もしつこく、爆撃機を

送り出した、だがそのすべては日本軍に迎撃されている。











*首相官邸*

「総理、敵はいつまで日本本土を空襲しようとするのでしょうね?」


「大和魂ならぬ、支那魂でしょう」

「爆弾を一発も落せなかったとはいえここまで来ようとした彼らを私はすごいと思いますよ」


「ええ?」


「日ごろの連戦連敗から、そんな事をする勇気はなくっただろうと私は思っていました」

この日で丁度、反攻開始から一ヶ月、大規模な作戦は一週間後に決行されることとなる。



その日は、11月7日…












次回:

11月4日、米国大統領アンブッシュらとの日米軍事会談

が行われた、だが大統領らは常に狙われていた…

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