漆黒令嬢は回って回って回る
病んで体調崩してだいぶボロボロですが。小説更新遅れてすみません
くるくるくるくる。回る回るルーナと回る。
ルーナに身を任せてくるくるって回る。
「ノッテ楽しい?」
「たのしい、ルーナとおどってる」
「酔ってるノッテはいつも以上に可愛いわね」
「よってる?」
よってる、寄ってる、依ってる、酔ってる、よってる?
よってるってなんだっけ
「お酒飲んだでしょ。手に持ってたグラスの飲みもの」
グラスの飲みもの。甘くて美味しかったの。無くなっちゃったの、お酒だった?
でもルーナがお酒って言ってるし、
「あまいのおさけなの?」
「果実酒、強いお酒じゃないけど。ノッテはお酒に弱いみたいね」
わたしよわい、ルーナは?
「ルーナつよいの?」
「飲んだことわからないわ」
「のんだことないの」
「そうよ、だって飲める歳ではないもの」
飲んじゃダメな歳。ルーナわたしより歳上。わたしのんだのおさけってルーナ言った。
「ノッテ飲んじゃだめだった?」
「そうね、ダメだったけど仕方ないわ」
「ノッテわるいこ?」
ダメなことしたらおこられる。ルーナに怒られる……
「悪くないわ。悪いのは給仕よ。子供も参加する晩餐会で、ノッテにお酒を渡したんですもの。ほかの子供に似たようなことをしてるなら大変なことになるわ」
「ノッテわるくないの?」
「悪くないわ」
聞こえてくる音楽が変わって。ゆったりとしたのからなんて言うんだろう。心躍るような、体を動かしたくなるような。そんな音楽に変わって。
ルーナの動きも、ゆっくりな動きじゃなくて激しい動きになってきた。二人でくるくるしてたのが、私がルーナに支えられてくるくるするようになって。
「目が回るよー」
「大丈夫よ、私が支えてるから」
「あう」
くるくるが終わってルーナの胸の中にぽすって収まる。
「ね?」
「うん」
でもまだまだ終わらなくて。あっちに行って、こっちに行って。ルーナに引っ張られて。部屋の隅から隅に、行ったり来たり。汗もたくさん出てくる。
「つ、疲れた」
「もう少し付き合ってね、ノッテ」
「まだ踊るの!?」
「だってやっとお酒が抜けたノッテと踊れるんだから」
「わぁ!」
確かに酔ってたかもしれないけど……
「踊ってるのに、かわりなっ」
「舌かむわよ?」
「みょうかんにゃ」
「可愛い」
舌痛くてしゃべれないし、しゃべったら舌噛むし。あと、酔ってた時のこと忘れるって聞いたことあるけど。全部覚えてる。全部覚えてるから……
恥ずかしいっっっっっっっっっっ!!
「真っ赤なノッテ、おもいだしたの?」
「やっ、見ないで」
「ノッテ、汗かいたからノッテの匂いがするわよ」
「んん!!」
嘘……じゃない。あぅぅ汗の匂いと一緒にルーナの匂いする。何より、汗かいてるルーナが近いから匂い強いし。幸せだけど幸せじゃないよ、恥ずかしいよ!
「はい、おしまい。楽しかった?」
音楽がちょうど終わって。くたくたになって、その場に座った。
「ルーナのバカっ……」
「可愛い可愛い」
「むぅぅぅぅ」
「うなってもかわいいだけよ?」
「んんっっっ!!」
ポカポカとルーナのお腹をたたく。
「はいはい、もう言わないから。廊下に出ましょう、ミシェルも待ってるはずだから」
「ミシェルさん……いるの?」
「いるわよ、護衛代わりに。衛兵も巡回しているし、何よりパラディー様がいるから。騎士の護衛も必要ないわ」
「そうなんだ」
パラディー様はやっぱりすごいお方なんだ。
廊下に出ると、ミシェルさんが待ってた。
「ルーナ様、こちらで汗をお拭きください。ノッテ様も」
ミシェルさんがハンカチを渡してくれて。水で濡らして絞ってあって冷たくて気持ちよかった。
「ありがと、ミシェル」
「ありがとうございます。ミシェルさん」
「いえ、私はルーナ様がお拭きになったハンカチをいただければそれで」
「洗って返すわね」
「そんなご無体なっ!!」
「だーめ。ノッテ、ハンカチちょうだい」
「え、うん」
ハンカチを渡したら、そのまま持ち歩いてた小さいポシェットに入れちゃった。
「会場に戻れば終わりも近いと思うから少しだけ一緒にいましょうねノッテ」
「わかった」
ルーナと明日一緒に入れればいいって思ってたけど。今日も一緒に入れるなら、それがいいな。
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