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漆黒令嬢はグラスを片手に夜風に当たる

明日か明後日にはいちゃつきます

 酷く疲れた。

 何とかテラスの場所まで戻ってくることが出来た。さっき見たいな会話は、話しているだけなのに疲れる。こうしている時は気を張って居るのに、会話にも気を配らないといけないのは負担が大きい。


 楽しみだったけど、あまり楽しくはないかな。明日ルーナと出かけるの方が楽しそう。


「お飲み物はいかがでしょうか?」


 グラスに入った飲み物をトレーに乗せた給仕が来た。さっきの言い合いで喉が乾いてたからちょうど良かった。


 トレーの上のグラスはどれも同じ物が入ってあって、周りの貴族も同じようなグラスのを持っていた。グラスを。。一つを手に取った。


「ありがとう」


 外を眺めながら、一口飲んだ。甘い味と花の香りがスっと抜けていって。喉が少しピリッてする、感じがして。


 飲んだことない不思議な飲み物だった。もっと飲みたくなるような、ならないような。でも美味しい。


 あまりグラスには量が入ってないから少しずつ飲むことにする。味わいながら少しずつ。


 少しづつ飲んでたら、何だか体がぽかぽかしてきて。暑くなってくる。内側からじわじわと体が熱を持ってくる。

 夜風に当たったら、この熱も覚めるかな。


 テラスに通じるガラス扉を開けて、外に出る。夜風が体を冷やしてくれて、とても気持ちいい。それに私以外に人がいないから、落ち着く。


 今は慣れてきたけど、昔から一人でいる事の方が多かったから。人が多くいるパーティーには慣れない。


 暗い外から、明るい中を見ると。私のいるべき場所はあっちじゃない気がしてくる。


 赤・橙・黃・緑・青・藍・紫。濃かったり薄かったり、明るかったり暗かったり。色々な色がその空間を彩って居る。綺麗に鮮やかに、その場所が居るべき世界なのだと。


 外に漏れ出る光は、夜に近づくにつれて薄く見えなくなる。私の足元まで届きはしない。夜に、影に、闇に、遮られる。


 私のいるこの場所は暗く、ほんのりと月明かりが照らすだけ。

 扉一枚隔てた向こうに戻れば私は。私はカラフルな世界の中で一人生きることになる。


 あの場所に戻らないで、ここで。月の照らすこの場所にいることが出来れば一人じゃないのに。


 ガラス扉が開く。誰か、じゃない。

 その白い髪は、目はルーナ。


「ノッテさっきは見事だったわね。晩餐会は楽しい?」


 ルーナの世界。ミシェルさんやチェロのように。光ある色の世界からルーナか来た。


「ここに来ちゃダメだよ、ルーナ」


 ここはルーナにふさわしくない場所。色がとか、そう言うんじゃなくて。貴族として、ルーナはここじゃなくて中で話をしたりする筈なのに。


「良いのよ、ミシェルに任せてきたから」

「そうだけど、そうじゃなくて。暗い場所はルーナには似合わないよ」


 そう言うと、ルーナは中とこの場所を見て言った。


「確かに中は私がいるべき場所ね」


 そう。そうなんだよ。だから、


「でもあんなに明るいと、霞んじゃうわ。それに目が痛くなっちゃうのよ、色が多くてね。中に比べてここは、目も痛くならないし。私という色が一番良く見える場所。暗い場所こそ本来いるべき場所なのよ。だから私はここに居るの。わかった?」

「わかんない、わかんないよ」


 グラスの中身を全部飲む。


「ノッテそれ」

「無くなっちゃった、甘いの」

「それ……誰から貰ったの」

「給仕さん」

「その給仕とお話したいところだけど。先に行かないといけない所があるから後ね。ノッテ、一緒に来て欲しいんだけど大丈夫?」

「大丈夫。ルーナとならどこにでも行く」

「受け答えはできるし、事情を説明すれば問題ないかしら」

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毎日更新が崩れつつある最近。モチベーションややる気やその他諸々のために。

とかは考えずに面白かった楽しかったの一言の感想でいいのでもらえると嬉しいです。

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