漆黒令嬢はキスで気持ちをしかめる
いい感じにLove
ルーナどうして好きになったのか。改めて考えるとよく分からなくなってくる。好きにというか、一緒に居るようになった切っ掛けだって教会で助けられてからで。その時助けられたのも、原因は黒の祝福で。あの時好きになったのも黒の祝福の力なら。私はずっと、黒の祝福に動かされてただけなのかな。
ルーナとキスすると幸せになるのも、ルーナの近くにいるとドキドキするのも全部……
「子供の頃、あった時も黒の祝福が……」
「それは違う」
「わっ!」
きゅ、急にシェイが出てきてびっくりした。急に出てこないでって言ってるのに。
「黒の祝福が使えるようになったのは五ヶ月前から。それより前の出来事に黒の祝福は関係ない。それじゃ、チェロが体拭くの手伝わないと」
「五ヶ月前って、待ってシェイ!」
五ヶ月前って、お母様とお父様が死んだ時なんじゃ。黒の祝福とお母様達の死が関係してるのかな。シェイに聞きたいけど、もう居ないし。チェロに迷惑かけてないといいけど。
それより子供の頃に黒の祝福が関係ないって。あの時たまたまルーナにあっただけなら。
ルーナに助けられたあの日に、教会に行こうと思ったのも。黒の祝福は関係なくて。
ルーナを好きになった始まりに祝福が関係ないなら、祝福があったからルーナが好きってわけじゃ無いのかな。
好きになった始まりに祝福がは関係なくて、でもそれからのことには祝福が関係してて。
今ルーナにもう一度会ったら。分かるのかな、好きなのか。
でも……
さっきルーナを部屋から追い出したばかりで、私から会いに行くのは気まずい…………
そもそも、どんな顔して会いに行ったらいいか分からないよ。いつもいつも、ルーナから私に会いに来てて、私から会いに行ったことなんでないし。
ルーナはいつもどうやって来てたっけ。急に部屋に来て……
そう、私から会いに行けないからルーナの方から来てた……
私がルーナを求めてた訳じゃない、ルーナが私を求めてた。私はそれに流されてただけ……
直接ルーナに好きって言ったこともないし……ルーナは私に沢山好きって言ってくれたけど。私がそれに「好き」って返したことがないし……
教会でキスされた時も、私はルーナの白い髪が好きって言った気がする。その後にルーナが「両思い」って言ったのに「うん」って返しただけで、私から言ったことは無い。
私って、ルーナのことを求めたことが無いんだ。ルーナに流されてばかりで……
これじゃ私がルーナのこと好きって言えないよ。
どうして、辛い気持ちなのに。眠くなってくるんだろう……どうしてなんだろ
眩しくて目を開けたら、もう朝で。気持ちは辛いままで。ご飯を食べる時も、馬車に乗る時も。ルーナと目を合わせることは無かった。
ミシェルさんとチェロは別の馬車に乗ってて、馬車の中には私とルーナ二人だけ。私はずっと下を向いて、ルーナ外を見ていて。会話なんてないし、顔も合わせない。
どうすればいいか分からなくて、どんな顔して話しかければいいのか分からなくてずっと……
ルーナと一緒の馬車に乗って、好きなのか分かると思った。でも辛いだけで、好きって気持ちになれなかった。何で、どうして辛いのか。考えても分からないままで。
一緒にいるのが嫌な訳でもないし、二人きりだからでも無いし。
ルーナと一緒にいるのも、ルーナと一緒にいるとなんだか幸せになれるからだし。幸せで心が満たされるあの感じが忘れれなくて。それが好きってことなんだって思ってた。今でもそう思ってる。
確か初めての時キスされて、幸せで満たされた。あれも祝福の影響なら、もう一回キスしたら何かわかるかな。
うん、してみよう。そうすれば全部わかる気がする。
「ルーナ、キスして」
「え!?」
ルーナが驚くところ初めて見た。そんなに私からキスしてっていうのが珍しかったのかな。
「キスしたらこの気持ちが本物なのか、分かる気がするから。あの時と同じなら、祝福関係なしに私はルーナが好きだってわかるから。お願い」
「わかった。ノッテ、こっち来て」
「うん」
ルーナの隣に座る。私はやっぱり、ルーナの白い髪が好きだなって思う。今でもそう思うんだからこれは本当の気持ちで。あとのことはキスをしないとわからない。でもそれが怖い。ここまで来ちゃったけど、キスをして何も感じなかったら。私はルーナことが好きじゃないことになる。あの感覚が、祝福があるから感じていたことになるし。
そうなったら、私はもう今度こそルーナとどう接すればいいのかわからなくなる。ルーナが私を求めても、私がそれにこたえることができなくなる。ううん、そもそもルーナは求めてこなくなるかもしれない。ルーナは私を大切にしてくれるから。
「いい、ノッテ」
「きて、ルーナ」
「「んっ」」
やっぱり、好きだよルーナ。だって、すぐごく幸せだから。幸せで満たされるんだもん。好きじゃなきゃ、こんな気持ちにならない。好きだから幸せになる、私はちゃんとルーナが好きだったんだ。
「ルーナ、好き。大好き。色なんて、祝福なんて関係なく。ルーナのことが好き」
「私も、ノッテのこと大好き」
良ければブクマとかポイントとかポチッと気分でお願いします。
そして感想がほしかとです
あと、百合ネタの引き出しが尽きかけてまして。シチュ的なの貰えたら嬉しいなーと
ちなみに前回シェイが「ちゃんと考えるといい、なんで好きだったか」とすまし顔でかっこいい感じで居なくなりましたけど。単純にチェロちゃんの日常生活覗きたかっただけです。今回も体拭くの手伝うって戻りましたからね。チェロちゃん大好きシェイ
馬車の中だとミシェルさんがいるので大人しくしてます。存在は知られてるので隣に座ってます。




