表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/40

漆黒令嬢は聖女に甘えるそして二人きりに

「さあさあ、デートよ。と、その前にノッテの部屋に必要なものを買わないといけないわね」

「私の部屋に必要な物って?」


 チェロを雇ってから、元々の予定だったデートをすることになって。ルーナはルンルン気分だったんだけど、思い出したかのように気分が落ち着いた。でも私の部屋に必要なものなんてあるのかな。


「ノッテ様。チェロが使用人として、ノッテ様のお部屋にこれから居るのです。ノッテ様だけでなく、チェロが仕事をする上で必要なものもあるので」

「そっか。気付かなくてごめん、チェロ」

「いえいえ、そんなお気遣いなく。ルークイン子爵様」

「子爵はいらない。部屋の中もノッテで良いから」

「ルークイン様で部屋の中ではノッテ様ででいいでしょうか?」

「お願い」


 案内所にいた時は、こう少し頼りない感じがしたけど。契約してからは、出来る使用人になってる。受け答えもミシェルさんみたいだし。

 ちなみにチェロとの契約は、朝から夜までで。家から貴族院に通うことになった。貴族院にも使用人の部屋があるにはあるけど。お母さんが心配だからと、そういう契約になった。今日は貴族院に一度来てもらって、通行証を発行してもらわないといけない。


「チェロって子。おどおどしてた割にはちゃんとしてるわね」

「そのように躾られているのでしょう」

「着くまで、チェロの事を聞きたい。聞けることだけでいいよ」


 前の方でルーナもミシェルさんと話してる。何話してるんだろう、デートのことかな。


「硬いノッテも可愛いわ。新鮮だし」

「外ですので、ルーナ様ももう少しちゃんとしてください」

「あら、じゃあこのかつら取らないといけなくなるわよ」

「このままデートしましょう、ルーナ様」


 デートの事だったけど、最初の方聞こえなかった。買ってから行く場所の話かな。


「私のことですか」

「話せることだけでいいよ。話せないこともあるだろうから」

「そうですね。母と二人で暮らしてます。母も昔は使用人をしていたそうで、この服も母の物なんです」

「じゃあ、チェロが使用人になりたかったのもお母さんに憧れて?」

「はい。使用人になるために、沢山教えてもらいました」


 チェロのお母さんが使っていた服。チェロに似合ってるし、このままでも凄くいいんだけど。


「ルーナ、チェロの服も買わないとダメかな」

「私はいらないと思うけど。ミシェル、あなたから見てどうにかしら」

「生地などは古いように見受けられますが、手入れがされているのでこのままでも問題ないでしょう。それに古くて判別は難しいですが、恐らくその辺で売っている服よりは上等なものです」

「それってあなたがいつも着ているのと同じかしら」

「同じか少し下でしょうか。年月が経っているので断定は出来ませんが」

「ノッテ、とんでもない子を見つけたわね」

「え?」


 なんのことかさっぱり分からなかったけど。すぐにチェロのことだって気がついた。


「ミシェルがいつも部屋で、というか貴族院が終わってから着ている服あるでしょう。あの使用人服わね、服のランクとして最上位の物よ。仕立て屋の腕も生地もね。それと同じか少し下だってミシェルが言うんだから。チェロのお母さんは、相当位の高い貴族の場所で働いていたことになるわ。その技術を教わったチェロを雇えたんですもの。幸運よ」

「この服がそんなにいいものだったなんて、初めて聞きました」

「なんで教えてくれなかったのか、私にはわからないけど。聞いてみたらいいわ、今日帰ってからでも」

「はい聞いてみます」


 話しながら、ルーナとミシェルさんの後を追っていたら。目的地についてたみたい。


「それじゃあ、ミシェルはちょうどいいのをチェロと探してくること。お金は私が出すわ」

「ルーナ悪いよ。私の部屋で使うのだから。私が出さないと」

「ノッテの部屋に行くのは私だからいいのよ。向かいのお店にいるからね」

「チェロさん行きましょう、ちょうどいいもを探してきますので待っていてくださいルーナ様」

「はい、ミシェルさん」

「えっと、行ってらっしゃい」


 ルーナに押し切られて、ルーナがお金払うことになっちゃったけどいいのかな。いや、よくないよね。確かにいつものようにルーナが部屋に来るけど。ルーナだけが使うのじゃないし。私だって使うことが……

 そこまで考えて今までの生活を思い浮かべたときに、必要としてなかったことを思い出した。今の部屋の状態がで普通に貴族院で生活ができてたし。ルーナが部屋に来なきゃ使わないから、間違ってないのかな。

 お金を払うべきなのか、ルーナに甘えるべきなのか。考えれば考えるほどに怪しくなる。結局私は甘えることにした。


「ルーナ、ありがとう」

「いいのよノッテの喜ぶ顔が見たかったんだから。それにこうして、ミシェルとチェロを遠ざけることもできたし」

「え?」

「向かいのお店で、待ちましょう。デートだから楽しまなきゃだめよ」

「楽しいのかな。デートってよくわからないけど」

「これから楽しくなるのよほら」


 ルーナから差し出された手を私は


「うん」


 握った。


 良ければブクマとかポイントとかポチッと気分でお願いします。

クリミナルガールズXやってたら更新忘れてましたすみません。ゲーム作品で心に刺激を受けた作品の続編でつい。

感想もらえると嬉しいなと今回も言ってみる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ