漆黒令嬢は眠り聖女と護衛がやってくる
今日は2話投稿、こちらは2つ目です
その日の記憶がない。その日と言うのは今日のことで。気がついたら授業が終わって自分の部屋にいて、窓の外暗くて。
お昼からの記憶が無い。お昼のことは覚えてる。すごく幸せになって、それから私は何をしたんだろう。授業に出たのか、ここに居たのか。分からない、わからないけどそれでいいきがした。
窓の外は暗くて夜だってことがわかって。夕飯を食べたんだろうか、おなかが減っていないから食べたんだと思うたぶん。
夜で夜だから、何かあった気がする。なにかやくそくが。
部屋の扉がノックされた。
そうだ、ルーナが来るんだ。
しまっていた鍵を開けて、扉を開ける。
「ルーナ……」
扉を開けて、そして。そして私は倒れていた。
私はどうして倒れているんだろう、扉を開けてそしてそして?
「お前がルーナ様を」
目の前には、ちがう。倒れた私の上には人がいた。乗っていた。真紅の髪の女の人。明かりをつけていない、月明かりに照らされてる真紅の髪。瞳は透き通った、透明感のある赤で宝石みたいな瞳だった。
どうして私は上に乗られているんだろう。この人は誰だろう。
「あの日も、その次の日も。ルーナ様は夜にどこかに行った。追いかけて、でもこの辺で見失って。そして今日ルーナ様はお前とお前と!」
私の上の人が、何かを言って。怒っていて。どうして怒っているのか、分からなくて。どうして私は怒られているんだろう。
「ルーナ様はお前と、お前と接吻をなされて。この唇でルーナ様とルーナ様と」
赤い女の人が近づいてきて、唇が触れて触れた。いつもは幸せなのに幸せじゃなくて。
「ああ! 私はルーナ様とルーナ様と接吻を」
だんだんとそれは激しさを伴うようになって。
「ルーナ様、ルーナさ……」
ルーナの名前を呼んで。そして、そして倒れてきた。私に重なるように倒れてきて。大きな体が私を覆って、私が床と体に挟まれて。真っ暗になって。
ぼーっとぼーっとして。
また扉が開く音がして、誰か来て。
横まで誰かが来て、私を覆っていた女の人が上からいなくなった。
暗かったのが明るくなって、白い髪が見えて。
「馬鹿だ馬鹿だとは思っていたけど。ここまでなんて。これじゃなんのために撒いてたか分からないじゃない。もろに影響受けるなんて、真紅も系統としては黒にはいるし。影響されたのかもしれないけど。はぁ……」
何かを言っていて聞き取れなくて
「これは夢よ、悪い夢。目が覚めれば全て忘れているから」
唇になにか触れて、途端に唇から幸せが溢れてきて。ぽかぽかして暖かくて眠くなって……
「はっ!」
起きた。目が覚めた。何か悪い夢を見ていた気もするしいい夢だった気もする。今何時だろ。
窓の外を見ればすっかり暗くなってた。
もう夜だ ここは私の部屋で。 授業はどうなって……
机の方を向く前に目が合った。誰と、ルーナと。ルーナがいる、ここに居る。どうして居る?
「おはよう」
「おはよう、おそよう?」
「おはようでいいんじゃない、起きたんだし」
「そうなのかな。ってどうしているの」
「来るって約束したじゃない」
「約束、約束したっけ」
「昨日、馬車の中で約束したでしょう」
馬車の中で約束……した。うん、明日行くからって約束してたそういえば。
「した。でもいつの間に。そもそもどうして私はここに」
「来た時には寝てたし、疲れてちゃったんじゃないの。」
「お昼から記憶が無い。授業出たのかな」
「教科書が机にあるし、受けたんじゃない」
「そっか」
遅れて多分頑張らないきゃいけなかったから、それで疲れて寝てたのかな。
「寝顔可愛くて、ついにイタズラしたくなっちゃった」
「え?」
「しちゃった」
「な、何したの」
「キスしちゃった」
「キスは、イタズラでするのじゃない……」
「起きてる時にして欲しかった?首、見て見て」
「首?」
窓に映る私の首を見る。薄らと赤く腫れてるような、違う吸われたような?
吸われた跡?
誰に、ルーナに。
「こ、こ、ここここ」
「鳥の真似かな?」
「これ首筋にあ、跡残って!」
「私のって、キスマークの証。可愛でしょ」
「可愛くない可愛くない、恥ずかしい!」
髪でギリギリ隠れるか隠れないかの位置で見られちゃうかもしれないし。見られたら恥ずかしいし!
「恥ずかしがってるノッテが可愛い。もっと弄りたくなっちゃう」
「やだ!」
布団の上で後ずさりするけど、逃げ場がない。部屋の角だから。
「何もしないよ、もうすぐ来るだろうし」
「え、来るって」
「ルーナ様!」
突然部屋の扉が開いて、そこにいたのは食堂で見た真紅の髪の人。ミシェルさんだった。
「今日こそ見つけました、早く部屋にお戻りになってください。ルーナ様のお肌が荒れてしまいます」
「ミシェル、落ち着きない。ノッテが間の向けた面白い顔になってるじゃない」
「へ、はっ」
急すぎて、ついていけなくてぼーっとしてた。
「とにかく、挨拶くらいしなさい」
「ミシェル・ブラウンです。お見知りおきを。さあ、お部屋に戻りますよ」
「本当に言葉が少ないんだから。私護衛ってことになってるの。ミシェルの自称だけど」
「私はルーナ様の護衛です。さあ早く」
「はいはい。それじゃあまたね、おやすみノッテ」
「お、お休み」
ルーナとミシェルさんが部屋からいなくなって、一気に静かになった。お休みって言われたけど、起きたばかりなのに起きれるの私。
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ということで、ミシェルさんが満を持しての登場なのですが。初登場が衝撃的過ぎておかしな人に見えるという事態が発生したので、名誉挽回ミシェルの経歴をここで紹介しておこうというものです。スルーしてもいいですよ。
さて。ミシェルは修道女、つまりはシスターです。孤児でしたが、その髪色と瞳で教会に引き取られました。
ルーナとは孤児院にいたころからの付き合いという。幼馴染ポジション。さらっと言いましたがルーナも孤児というわけではなく。孤児院に寄付していた家の子供がルーナです。
教会に引き取られた後に改めて聖女となったルーナと再会し、ルーナの側仕いとして一緒にいるわけですね。
ミシェルは貴族ではないので貴族院にはいけないのですが、養女となることで貴族院に通っています。ブラウン家、実はルーナの家です。なので血のつながらない姉妹なんですね二人は。だからルーナはミシェルのことを自称護衛といったわけです。ルーナは姉妹と思ってます。
とまあこんな感じなんですが、ミシェルのルーナに対する感情は護衛を超えていて。まあ、あんなことノッテしちゃうくらいですからね。ルーナのこと愛しちゃってます、loveです。
いつもはルーナの護衛として側にいますが、それもルーナと一緒にいるためですからね。ルーナのことしか見えてないので、ノッテの髪の色とか気にしてません。もっと言えばルーナ以外のことはどうでもいいとすら思ってます。
はい、おかしいですね。名誉挽回のはずなのに、結局おかしい人になちゃってる。
明日は一週間のうちで唯一の休み。今日二話投稿したから明日くらい休んでも……
あれルーナちゃんどうしてここに。明日は書くのおやすみ……
アシタハヤスミダカラ、ゼッコウノシッピツビヨリデスネ。フフフ
はっ、いまルーナちゃんがいた気が。明日も投稿しますね。(茶番を入れてみたかったのです)
感想ください、と今日は直球で言ってみる。