プロローグ
混沌の神様ケイオス。
あらゆる世界に刺激を与えるため、自己満足のため、世界のバランスのため等。
様々な噂はされてきたものの、実際のところその真意は誰も把握できていない。
その神が動く。
「あれ?またエラー出てる。何で?」
地平線まで続く様々な色で構成された世界は一柱の周りを除いて物すら置かれていない。
しかし、島が浮いていたり、水が下から上に落ちているなど、その状況はまさに混沌と言えるだろう。
「あれぇ?どーやってもエラーが出るなぁ……」
「うーん仕方ない。外から刺激でも入れるかぁ」
「刺激、刺激かぁ……あ!」
混沌の神は何でも行える、それは最高神とも同じ力を持っている。
「そういや、召喚術なんかあったっけ?」
「えーっと?ここをこうして?こう?で、こうかな?」
「できた!で色々条件を追加して………召喚!!」
混沌の世界には似合わず、白を基調とする召喚陣の光の中から現れたのは五人の老若男女。
召喚酔いしたのか、突然のことで吃驚したのかは分からないが、全員気絶している。
「寝てる場合じゃないって!起きて起きて!!」
「な、なんだここは?」
「外国人の子供……?」
「どこよ、ここ…」
「なんじゃ、何が起きた……」
「………?」
「君たちは僕が召喚した既に死んでいるはずの魂たちだよ!!」
「なんっ」
「でさ、君らちょっと異世界行って搔き乱してくれない?色々優遇するからさ!」
これが僕の世界に初めて色が付いた瞬間だった。