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新たな出会い
みのりは人に見られぬように、夜や草木の生い茂った道を選びながら、何日も何日も歩きました。
ずっと歩き通しで、お腹もすいたみのりは、
疲れはてて、橋の下に座り込んで眠ってしまいました。
目が覚めると、もう夕暮れでした。
みのりは恐る恐る橋の下から顔を覗かせると、橋には女の人が立っていました。
女の人はひどく疲れた顔でした。欄干に手をかけ、川をじっと見つめていました。みのりの事は目に入っていないようでした。
そんな女の人に不安を覚えたみのりは、思わず声をかけてしまいました。
きっと驚かせてしまうけど、今、声をかけないといけない気がしたからです。
『こんにちは!!
あ・・・いや、こんばんは?には早いか・・・』
『・・・?・・・!?』
女の人は、みのりに気づくと、目を見開き、固まってしまいました。
『あのねっ!あのっ!とつぜん、ごめんなさい!
わたし、みのりっていいます!よろしくお願いします!』
ずいっと差し出された手を、女の人は恐る恐る握り返しました。
『・・・ほまれ・・・です。』