第一話:潰すべきフラグ
お元気でしょうか!
第一話の更新です!!
「リリス!!大丈夫か!」
私がベッドでぐうたらしていると、とつぜん扉が開け放たれた。はい、お兄様の登場!
「はい、お兄様。ご心配をお掛けして申し訳ございません。」
私はベッドから身を起こし言う。
「いや、いいんだ。可愛い妹だからね。」
そう言いながら優しく妹である私の髪を撫でてくれた。
確かお兄様の名前はルイシス・アイリーン。私が一歳の時にアイリーン家の養子になり、私の義理の兄だ。因みにエメラルドグリーンの髪と瞳を持つこのお兄様は私の一番の推しである。攻略対象ではないが、妹のことを思う優しいところが好きだ。リリスが断罪されると加担していた兄のルイシスも身分剥奪となってしまうので私が悪役令嬢となることは絶対避けたい。
私がお兄様のことを考えていると、黙ってしまった私を見てお兄様の顔が不安そうになる。
「どうしたんだ?まだ具合が悪いのか?」
「いえ、大丈夫ですわ。少し考え事をしていましたの。」
いけない、いけない。お兄様を不安にさせてしまった。今はこの世界よりお兄様だ。思い出した設定は後でノートにでもまとめておこう。もちろん日本語で。
「ずっとリリスの傍に居たいが僕はお父様と今から出なければならない。すまない……」
妹の傍に居られないことに嘆くお兄様に私は慌てて言う。
「お、お兄様が謝ることではございませんわ。私は大丈夫ですからお兄様は安心してください。」
「………………分かったよ。でも大丈夫だからといって起きてはいけないよ。」
「分かりましたわ。」
私は安心させるようにお兄様に微笑む。心配させたくないもんね。
「じゃあね、リリス。」
「行ってらっしゃいませ、お兄様。」
お兄様が出ていった後、使用人達も下がらせ部屋には私だけが残った。しっかしこの部屋広いなぁ。前世の私の部屋の三倍はあるよ。私はベッドから起きて自分の(?)机の引き出しを開ける。そこから新しいノートを取り出して閉める。まずは自分のことからだ。リリス・アイリーン。夜空を思わせる紺色の髪と濃い青色に少し紫色が混じった瞳をした公爵令嬢。第二王子の婚約者でヒロインが王子に近付くことが嫌で必要に嫌がらせをする。そのことで王子に愛想尽かされ婚約破棄されて、挙句の果てには身分剥奪&国外追放or自殺エンドしかないのだ。酷すぎる、私はそんなエンドは嫌だ。破滅フラグをぶっ潰してお兄様と平和に過ごすんだ!それには敵を知ることからだよね。次にアルル・ミズリット。この国の第二王子でリリスの婚約者。プラチナブロンドの髪と碧色の瞳の優しくいつも笑顔の完璧王子、The・王子って感じだよね。少し腹黒が入ってるけどゲームの中では一番人気だった。ま、私はお兄様が一番なんだけど!
まず私が潰す破滅フラグは王子だ。婚約を早くこっちから破棄しよう。シスコンのお兄様なら味方してくれるかな?
そんなことを思いながら私はノートをしまってベッドへダイブしたのだった。
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