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マストカ・タルクス㉒『冒険者の町・バラン』と『耳長族』の娼館で体験したことの話

これ大丈夫ですかね? 消されませんかね?

 大昔、まだ人間が文字を持たず、火を起こせず、魔法の使い方も分からなかった頃のこと。

 この地上には沢山の魔族達が暮らしていた。弱い物、強い物、可愛い物、カッコイイ物、陸だけでなく空や海も様々な魔族達で溢れていた。

 だけど太陽神モンテールは魔族が嫌いだった。彼らは太陽神がお風呂に入った時に落ちた垢から産まれたからだ。

 太陽神は他の神々に告げた。

「汚らわしい魔族達を絶滅させ、地上を人間達の物とせよ」

 神々の軍勢が地上に降臨し、次々と魔族達を殺戮していった。

 魔族達も必死に抵抗したが、数万種は居たとされる魔族達が1年後には20種類にまで減少してしまったらしい。

 魔族達は各種族ごとに自分達のリーダーである『魔王』を選び、魔王達が神々と和平交渉をした。

「我々魔族も人間達の役に立ちましょう。我らの技術と力を教えましょう。そして地上の豊かな土地を人間達に譲りましょう」

 魔族達は人間達に魔術を教え、人間が住めない荒れた土地へと移住していった。神々も天界に戻り、地上は人間達の物になった。

 これはアラトア神話の中にある話だ。



『歓楽街』という単語に俺は慌てた。

「ちょちょ! 待ってよ! 歓楽街はやばいって! 母上から『結婚するまで女性に触れてはいけません。触れたら手を斬り落とします』て言われてるんだって! しかも貴族の服装のまんまだし!」

 ぐいぐい俺の手を引っ張るアルヘイムが振り返って、

「は? マストカ様はいつもシュナーヘルとイチャイチャしてるんでしょ? 何を今更言ってるんですか??」

「うぐ!? なぜそれを……」

「だはは! お前らが出来てることくらい俺だってわかるぜ! いいかマストカ? お前ちょっと考えてみろよなぁ?」

 ある娼館の入り口の前でシャイザルが立ち止まって、俺に壁ドンした。

 え、ちょ、やめてぇ。

「シュナーヘルを喜ばせてぇ、そう思わねぇか? テクニックは練習しなけりゃ身につかないんだぜ?」

「て、テクニックとか……俺は別に……」

「かー! なんだその女の子みてぇな反応は! さてはてめー女を抱いた経験ねぇな!? いいか? 女を喜ばせる技術があるってことは、あのいつも澄ました顔の生意気な魔女にこんなこと言わせられるんだぞ!?」

 シャイザルがいきなりアルヘイムを後ろから抱きしめて胸をまさぐった。

「ああん! 若殿ぉ!? 手つきがエッチすぎますわぁ~!」

 アルヘイムが変な声で鳴いた。

 きっしょ。

 アルヘイムはいきなり真顔に戻って、

「あの魔女がヒンヒン言ってる所なら私も見てみたいものです! さぁ若殿我々と一緒にまずはこの娼館で男になりましょうぞ!」

 若殿呼びやめろ。

 アルヘイムが俺の手を取って強引に娼館に入れようとして、

「あん!? こらシャイザルいつまで人の胸触ってるんだ!? 私は乳首が弱いからやめろ!」

「おっとすまねぇなぁ、中々いい胸筋してるからな。へへへ、これから娼婦を抱くと思うとなんか興奮してきちまってな。まあ許してくれやアルヘイムさんよぉ」

「む、そうかなら仕方ない……兵士だった頃部隊長に教えられたことを思い出すな……」

 アルヘイムとシャイザルが乳繰り合い始めた。

 2人で盛り上がってるなら俺帰っていい?


 俺は産まれて初めて娼館の中に入った。

 大きな部屋の中には等間隔でベッドが並んでいて、スケベな顔した男達が寝そべりながら酒を飲んだり料理を食べたりしている。傍には必ず娼婦と思われる少女達が座ってお酌していた。

 なんで寝ながら酒飲んでるんだ……? 逆に食いにくくないか?

「あらぁシャイザルちゃん久しぶりだわ~ん! 今日はお友達も連れてきてくれて嬉しいわ~♪」

 身長140センチくらいと小柄だが発育しまくった身体をスケスケの白い布で包んだだけの少女がやってきてシャイザルに抱き着いた。

「でへへ、相変わらず柔らかくていい匂いだなぁアハーマ。紹介するぜ、こいつは『耳長族』のアハーマだ。この娼館の女主人さ」

 シャイザルに紹介されてアハーマが妖艶な笑みを浮かべた。

「『耳長族』のメスを実際に見るのは初めてかしらぁ? 私はシャイザルのお友達でこの娼館を経営してるアハーマよん。うちはバランで1番高級な店だから貴族のお坊ちゃんでも十分楽しめるはずよん♡」

 本で読んだことあるが、実物は初めて見た。

『耳長族』、その名の通り耳が長く尖っているのが特徴の魔族だ。

 見た目は耳以外は人間と全く同じ。だけど平均身長は人間の半分くらい、女は皆小柄な美人でしかもスタイル抜群、男は皆高身長細マッチョで清潔感あるイケメンだ。

 つまり人間の欲望を具現化したような姿をしているというわけだ。

 なんでも、遥か昔に神々が魔族を滅ぼそうとした時に『耳長族』の祖先は人間に愛される見た目になることで、保護されて生き延びたらしいのだ。

 それ以外の弱い魔族は神々の虐殺でほとんど絶滅したらしい。現存する下級魔族はその後に産まれた種類だそうだ。

 

 俺はアハーマに案内されて店内で1番フカフカのベッドに通された。横には小さな卓があってその上にリンゴ酒(これ酸っぱくて嫌いなんだよなぁ)と魚の干物が置かれた。

 すべてのベッドの上の天井には日本の学校の保健室みたいにカーテンがついていた。周りのベッドのいくつかはカーテンで囲まれていて、見えないけど中からアレな声がおもいっきり聞こえてきている。

 ああ、やっぱりここは娼館なんだなぁ……。

(なんか流されてここに来たけど、娼館ってことはやっぱり……)

 やばい、足が震えてきた。

 俺がベッドに寝そべるとアハーマがベッドに座って俺の身体を触りながら言った。

「うふふ、タルクス家の方なら私がお相手しないといけませんわぁ。さぁさ、力を抜いてください? なんだか緊張して固くなってますよ?」

「い、いや、ここに居ると両親にばれたらヤバいって思ってさ……ははは」

 唇も震えてきた。やばいやばい、アハーマが俺の身体を撫でながら耳元で呟く。

「ふふ、なら私がマッサージしてあげますわぁ。さ、力を抜いて、楽になさって……」

 俺がうつ伏せになって、その上にアハーマが跨った。彼女の股がちょうど尻の上に来て俺の身体に『雷光の呪文』がかかる。

「んっしょ、んっしょ……ふふふ、身体の節々が柔らかくなってきてるわぁ、やっぱり気持ちいいのねん? さぁて、そろそろこっちは固くなってる頃よね、えい!」

 アハーマが俺の身体をひっくり返して、ある一点を見た。

 期待に満ちた彼女の顔が、みるみる失望に変わった。

 凹凸が全くないからね、しょうがないね。

「なんでなの~!? 今まで100人以上の男を元気にしたマッサージなのにぃ~! こうなったら次はこうよ~! 控え室のみんな! 集合~!」

 アハーマの指示で控え室に居た『耳長族』の女の子たちが大挙して俺のベッドにやって来た。

 両手で抱えきれないほどの特盛ご飯。柔らかさといい、良い匂いといい暴力以外の何物でもない。全身にキスされまくりいつの間にか服脱がされ、アハーマが舌なめずりしながら俺の下半身をまさぐった。

「どうかしら~? こんなハーレム状態で喜ばない男はいない……さすがに反応してるでしょ~? 観念して気絶するまで私達を抱きな……」

 俺の俺は圧倒的無反応だった。

 男にはそんな時もある。慌ててもしょうがないさ。

「なんで!? 『耳長族』の娘たちに迫られて興奮しないなんておかしいわ! もしかして男が好きな人なの!? うちには耳長族のオスもちゃんと居るから呼ぶわよ!?」

「え、あの、そういうわけじゃあ……」

 アハーマはパニックになっていて聞いていなかった。すぐに爽やかイケメンの『耳長族』の青年がやってきた。

「ごめんねルシン! このお客さん男が好きらしくて! 用心棒として雇ったけど相手してくれる!?」

「アハーマさんのためなら喜んでやるっす。お客さん、俺も初めてなんで痛かったらマジですみませんっす……」

「ちょちょちょちょ! 待って待って! 違うんだアハーマさん! その、とりあえず落ち着いて聞いてくれ。俺が何されても全然元気にならないのは、別に男が好きだからじゃないんだ。それは……」

 俺はベッドから身体を起こして咳ばらいをし、重々しく告げた。


「緊張して縮んでるだけなんです……」


 ……情けねぇ死にてぇ。

 するとアハーマがほっと安堵の表情になって、

「ほ、よかったわぁ~、うちは男娼はいないから焦っちゃたわぁ。うんうん、初めてなら皆そんなものよん、じゃあ私がとっておきのお薬をあげるわねん?」

 アハーマがそう言って店の奥に入っていった。俺は男娼になる覚悟を決めていたルシンに元の場所に戻ってもらってから、自分の肝の小ささに死にたくなっているとアハーマが戻って来た。

「はい、これは最近市場で買ったエッチな気分になれる薬よん。商人は『ピラガナ』とか言ってたわぁ~、私人間の言葉は難しくて全然わっかんな~い♪ でもちゃんとした魔法薬だから混ぜ物無しで安心らしいわよん?」

 は? 今『ピラガナ』とか言った?

 アハーマが俺に見覚えのある白い粉の入った小瓶を渡した。

 これ最近バランの町で出回ってるご禁制の『惚れ薬』じゃねーか!?


色々酷い話ですみません(笑)

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