ベニーカ・イル・キナン156『東方大遠征:レーム北部攻略編』と『オクソスとメムサの『奇談』蒐集14』と『糞投げ』の物語
『東方大遠征:レーム北部戦役』、『東方九か国戦争&西方世界の危機』
前回の続き、『オクソス書記官長』と『歴史家メムサ』が『アリアディス同盟兵』たちから『蒐集』した『奇談』を『双角王』に報告する。
時間はちょっと戻り、『東方人の陣営』の『お祭り騒ぎ』を後にして『オクソスとメムサ』が最後の『アリアディス同盟兵』の『陣営』に向かうと、その時ほぼ同じタイミングで『狩猟に出かけていた兵士たち』が戻ってきていたらしく少し騒がしくなっていた。
『え? 『狩猟』ですか? こんな雪山の中に獲物なんていないのでは??』とメムサ。
だが『猟兵(軍隊生活の息抜きや食料調達のために狩りを行う兵士たち)』たちは自分たちが手に入れた『獲物』を指して得意げに、
『いえいえ! 『冬』なら『冬眠中の熊』とか『冬眠しない狐』とか『動きが鈍い鹿』とか結構獲物がいるものです! 見てくださいこの『まん丸に太った狐』を! 毛皮があったあったかそうでしょう?』と同盟兵たち。
彼らは今回は『大猟』だったらしく、『槍で突き殺された熊』や『毒矢で仕留められた狐や鹿』がたくさん積み上げられていた。『アラマン人』の間では『狩りに弓矢を使うのは軟弱』という『古の法』があるので『槍』しか使わないのだが、他の『クノム人都市国家』ではその限りではないので普通に『毒矢』は使う。ちなみに使われるのは主に『トリカブト』などで、獲物に使用しても『矢が刺さった周囲の肉』を切除すればあとは食べることができる。
『まぁ、これはたくさんありますね……(まずは供犠を捧げるのが先ですわね……お話は儀式が終わるまで待たないと……)』とメムサ。
『うわ、嫌なタイミングで来てしまいました。全部終わらないと話が聞けないじゃないですか~(文句)』とオクソス。
そして『まん丸に太った狐』とは『冬毛になってモコモコになっている狐』のことで本当に太っているわけではない。狩られた獲物の中には『親子の狐』の姿もあったが誰も『かわいそう』とは思わなかった。むしろ『獲物を与えてくださった『ウービース女神』に感謝しよう』と早速『祭壇』が設けられて『皮がはがれた狐』たちが『火』の中に投げ込まれる。
そしてその『火』を『神妙』な顔に眺めて『祈り』を捧げていたメムサが、すぐに『狩りから戻ってきた兵士』の中に『治療を受けている者達』がいることにきづいた。彼らは『紫色の顔』になっていて『嘔吐』をくりかえしており、かなり危険な状態に見えた。
メムサとオクソスは『瘴気が移る』ことを警戒して遠巻きに眺めながら、
『あ、あれは一体? 狩りに出て何がったのですか??』とメムサ。
すると周りにいた『同盟兵』の一人が教えてくれた。
『そ、それが……あの『猟兵』たちの証言であって自分がみたわけではありませんが、彼らが近くの山に入って『獲物』を探していた時遭遇したそうなのですよ……『糞投げ』に』と同盟兵。
『『…………はぁ? 『糞投げ』????』』とオクソスとメムサ。
すると『同盟兵』の中にいた『アラマン王国に頻繁に出入りしていた交易商人(商人だが今は兵士として参加している)』が教えてくれた。
『御存じないのですか? 『糞投げ』ですよ、『アラマン王国』から『ミルティオ』にかけての地域にのみ生息している『魔族』です。それがどうしたわけか『モルバタエ』にも現れたそうでして、その『魔族』の『魔法攻撃』を受けて多くの『猟兵』が『病気』になったようですよ』と商人兵士。
『???? オクソス殿はご存じですか?』とメムサ。
『『うんこ投げてくる魔族』ですか? そういう変態じゃなくて??(へらへら)ちょっとわかんないんで知ってそうな人呼びますか』とオクソス。
そこで呼び出されたのは……『ダレネス(デレン)』だった。
『なんだよオクソス殿にメムサ殿、俺にも『奇談蒐集』を手伝えって? 面倒くさいからパスしたんだけど(文句)』とデレン。
『いえ、そういうわけではないのですがちょっとお伺いしたいことがありまして……『デレンさん』は『排泄物を投げつけてくる魔族』についてご存じですか?』とメムサ。
『メムサ殿は『貴婦人』ですので憚られてますが、『糞投げ』という名前の『魔族』だそうです。ご存じないですか?』とオクソス。
デレンは変な顔になって、
『なんだそのふざけた名前の魔族は(困惑)。聞いたことねーぜ? 『東方』に生息してる魔族なら俺が知ってるわけねーだろ?』とデレン。
『あ、いえ、どうやら『アラマン王国』に生息してる魔族だそうでして、『同盟兵』たちがそう言ってるんですがご存じですかね?』とオクソス。
『はぁ? そんな魔族聞いたことねーよ……もしかしてそれは『同盟兵』どもの俺等に対する『当てつけ』とかじゃねーだろうな?』とデレン。
言われて『商人兵士』が真っ青になって、
『とんでもございません!! 本当に生息しているのですそいう魔族が! 『老将軍』のうちだれかにお尋ねになられてください! 本当に本当ですから!!(必死)』と兵士。
『あ? 俺が『無知』だって言ってのか? それとも俺ら『ギナフ族』に対する『当てつけ』か?(喧嘩腰)』とデレン。
『だから違いますって! 誤解しないでください!(悲鳴)』と商人兵士。
『で、デレン殿、いくらなんでも理不尽ですわ、抑えてくださいまし(汗)』とメムサ。
そうやってる横でオクソスだけはちょっと呑気に、
『そうですね~、じゃあ『老将軍』を一名呼びますか。俺こういう時『ぴったり』の人知ってるんですよね~あの人なら知ってるでしょ多分』とオクソス。
そういって次に呼び出されたのは『ピラトン候』だった。彼もまたひどく戸惑っていて、
『何だ急にオクソス、私は兵士たちの訓練を監督していたから忙しいのだが?』とピラトン候。
メムサとまだ帰っていなかったデレンが居住まいを正して『申し訳ございません』と謝るがオクソスは全く悪びれずに、
『ちょっと話を聞きたかっただけですよピラトン候。あなたは『生え抜き』のアラマン人でしょうからいろいろと本国について詳しいんじゃないかと思ったんです。『糞投げ』ってご存じですか? もしかして『うんこ投げてくる猿』が正体とかじゃないですよね??』とオクソス。
『『純血種』という言葉には違和感しかない、そもそも『アラマン王国』はずっと同じ領土であったわけではないないからな……(『ウーシュ王家』自体が神話の中で『別の土地から植民した』とされているため)……『興奮した猿』ではなく『糞投げ』のことか? 知っているとは言えば知ってるぞ。みたことはないが……それがどうした? まさか『モルバタエ』で出たというのか?』とピラトン候。
『ご明察、そのまさかですよ。話が速くて助かりますね』とオクソス。
『もっと言うと私はお前の『総べて』に『違和感』しか持っていないがな……少しは年長者に礼儀を払え(呆れ)』とピラトン候。
候はそう言いつつあんまり怒ってはいなかった。次回へ続く。




