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イスティ・イル・フィズラース147『東方大遠征:サガサ族からの逃避行』と『戦場の妻子をめぐる文化の摩擦』の話

『東方大遠征:レーム北部戦役』、『彼女たちのサガサ族からの逃避行』


 前回の続き、『カラミニ』は『コロコス帝国』に存在する『非戦闘員の家族を戦場に連れてきて将兵を励まさせる』という『文化』に衝撃を受けていた。


『はぁ?? 戦場で妻子に励ましてもらうだと?? 『王族の娘』なんて『侵略者』が一番欲しがる『戦利品』ではないか! なぜその『宝』を大事にしまっておかない!? 人間族は普通に馬鹿なのではないか!?』とカラミニ。


「『奇天烈』はまだいいとして『馬鹿』は酷いですね、わざわざ言い直さないでくださいよ(苦笑い)」とパシオム。


 実際『魔女』はそのことを危惧して『シェルファス湾』に皇族を伴わないように『諸王の王』に進言したのだ(補足)。それに対してトゥトゥイルラが『わかってないですね』と左右に指を振って、


「チッチッチッ、『妻や子供の前でいい格好をしたい』というのはすべての『父親(一人前の男)』たちの『望み』ですし、『愛する家族』に『頑張って』と声を掛けられることほど『全身に力がみなぎる』こともない! それに『勝てば』妻子が奪われることはありませんし、『負けた』なら妻子はたとえ後方の『都城』に置いてきたとしてもやはり奪われるのです」とトゥトゥイルラ。


「それにたとえ『愛する妻子』を『後方の都城』に置いてきたとしても、その都城には『守備隊』をおくわけですから、守備兵たちが『妻子』を穢す可能性だってあるじゃないですか。それが気になってすぐに『敗走』して都城に逃げ込むことだってあり得るのでは? それなら戦場に連れてくる方が『合理的』ですわ」とプトゥヘパ。


『おいおいおい、『合理的』だと?? こいつらは『二人』して俺を『からかって』いるのか? それとも本気でそんな『意味の分からん詭弁』を主張しているのか? おい『パシオム』、『コロコス帝国』の人間族は本気でそんな『古の法』があるのか?? お前もだから自分の妻をここに連れてこようとしたのか!?』とカラミニ。


『第二次サガサ族戦争』──といってもこれはニムルたちの側の呼称で彼ら的には『第二次『死神バルバン』戦争』と呼ぶべきだろうが──の際には『東方人貴族』たちと『サガサ族』の間で『険悪な雰囲気』になってしまって以来ずっと『ギクシャク』してたわけだが、どうやら『トゥトゥイルラ&プトゥヘパ夫婦』のおかげですこし『ほぐれた』ような気がした。パシオムの方も『予想もしていなかった展開』にすこし戸惑いながらも、


「……ふふ、冗談が過ぎましたな『カラミニ殿』、『妻子を戦場に連れてくる』のは『コロコス人』や『コロクシア』の諸民族くらいで他の民族にはありませんよ。私もトゥトゥイルラ殿の『故郷(本貫地)』も同様の文化です。ただ『プトゥヘパ夫人』が夫を心配するあまり強引についてこられたのでしょうね」とパシオム。


「まあそんなまるで『わがままな女』みたいに言わないでくださいましパシオムさん! 私はただ『大王様ラバルナ(旦那様)』を喜ばせたい一心ではせ参じたのですわ!」とプトゥヘパ。


「わがままで束縛癖のある貴女もともてかわいいですよ『私の御妃(タワナアンナ)』!」とトゥトゥイルラ。

「わがままなことは否定してくださって!?(予想外)」とプトゥヘパ。


 華麗な『夫婦漫才』を決めてから二人で『あははは!』と笑った後、そこでトゥトゥイルラがパシオムとカラミニに向き直って、


「……え~と、何の話でしたっけ? ああ、そうそう、『私がいかに高貴な一族の出であるかを聞かせすることでカラミニ殿を安心させたい』という話でしたね、まだ話していない『自慢話』があるのでもう少しお時間いただきますよ、つまり私は『テルビアナ大王家』の血縁として『家臣たち』の子孫も多く召し抱えているのですが……」とトゥトゥイルラ。


『いやだから『自慢話』はもういいって言っただろ!?(ツッコミ)それより『例の準備』は整ったかを確認したいのだが……』とカラミニ。


「……それだけでなく『ターレンタッシャ副王家』である妻『プトゥヘパ』の実家にも多くの戦士たちが召し抱えれられておりまして、彼らも……」とトゥトゥイルラ。


『無視するなよ貴様!? ていうかどんだけ『自慢話』がしたいんだよ!?(ずっこけた)』とカラミニ。


「他人に自慢話知ってる時の『大王様ラバルナ』は『子供が生まれ時』と同じくうれしそうな顔をなされてとってもチャーミングですわ♡!」とプトゥヘパ。


「えぇ……」とパシオム。


 結局『トゥトゥイルラ』はカラミニ二がどれだけ怒鳴ろうがツッコミをいれようとも『テコでも』変わらずえんえん自分や妻の『自慢話』をしゃべり続け、結局そこに『伝令』と『パシオムの部下』の二人が飛び込んでくるまで終わらなかったのだった。


「トゥトゥイルラ様お話の途中に申し訳ございません! どうやら『死神バルバン』が『戦力を集め始めた』との情報が!」と『伝令』


「パシオム様! 『尋問』の準備が整いました……って、え!? 『死神バルバン』が戦力を集めた!?」とパシオムの部下。


 そこでトゥトゥイルラが自分で話を中断して、


「……やれやれ、我らの『敵』はずいぶんと『無粋』な『西戎マルトゥ』のようですね(溜息)。私は『好意を持つ相手に特に自分と妻の自慢話を聞かせて自分を知ってもらう』こと『信条』としているのです。それを『早速』邪魔してくるとは否が応でも『戦意』が高まりますね……!(苛立ち)」とトゥトゥイルラ。


『お前も俺の気持ちが少しはわかったようだな(皮肉)』とカラミニ。

「そうですかカラミニさんも『旦那様』と同じように『武者震い』が止まりませんのね!(都合のいい耳)」とプトゥヘパ。


 そしてパシオムは『二つの話』が同時に飛び込んできたので『順序だて』ようとして指示した。


「ふむ、『死神バルバン』が『戦力』を集め始めたという話はずいぶんと『重い』な、飲み下すのに時間がかかる故先に『軽い』やつから済ませるか。『捕虜の尋問』の準備ができたのだな?」とパシオム。


「は! どうぞこちらに、もうすでに『多少痛めつけ』て話を聞きやすくしてありますね」と部下。


 彼らはそのまま今までいた『エルレイヤー教神殿』の『内陣』の『奥の通路』に入る。この通路は短くすぐに『突き当たり』にぶつかり、そこに『地下に降りる階段』があった。それを下に降りていくとそこは『宝物庫』になっており、『石油を燃やす炎』でてらされた薄暗い空間に出る。


 だがこの『宝物庫』は今は『宝物』の類が全く置かれていなかった。理由は近くに『アラマン軍』が来ているためすべて別の場所──正確には『パシオムたちが改造していた『要塞都市』(2022/3/30日投稿分参照)──に移動させてあったのだ。


 その替わりに現在『宝物庫』に納められ、いや『収監』されているのは『縛られた『ヒート・アプリ族の戦士たち』であった。今そのうちの一人を『尋問』しているのだ。


「う、うぐ……」と『ヒート・アプリ族』の男。


 これは一体どういうことなのだろうか……? 次回へ続く。

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