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ハッシュ・イル・カスラース75『東方大遠征:サガサ族からの逃避行』と『様々な人々が逃げこむ場所:レーム地方』の話

『東方大遠征:レーム北部戦役』、『彼女たちのサガサ族からの逃避行』


 ニムルが『変わった村を発見した』らしく、イスティが自分の知識と『照合』してそれが何なのか『予想』しようとしていた。もし『危険度の高い村』なら避けたいからである。


 そして前回の続き、ニムルがイスティに『説明』を試みようとする横でデージャがハッシュとカムサに『東方』の『諸事情』について『四方山話』をしていた。


『『東方』の、『レーム地方』は『貧しい土地』ですが、一方で『大都市圏』である『ハリスキーナ』と『ムンディ・アクナ』に挟まれる土地ということで『交易』が活発なことは今まで何度も述べました☆ そしてそれは『様々な諸民族が入り乱れている』こともであり、また『大都市圏に住めなくなって逃げてきた者達の『隠れ家』も提供している』ということを意味するのです☆ それらの一つが『村人全員が密儀教団オルギアになっている村』ですね☆』とデージャ。


 だがハッシュとカムサは何度も首をひねって、


「『密儀教団オルギア』は『都市市民』が任意で加盟する『共同体コイノン』のことじゃないの??」とカムサ。

「『密儀教団オルギアの村』ってなんだよ、『祝祭』の時に集まるだけ団体がなんで村で固まって住んでるんだ?」とハッシュ。


『説明がものすごく面倒くさいので今は端折りますが、『危険な伝統(信仰)』を持っているばかりに『もともと住んでた土地』から迫害されてしまった『集団』が『東方』には多いのです☆ なにげに『魔族追跡部族』とかもそういう連中が起源になってる者達もいますし、『遊牧民』の中にもそういう者達がいたりします☆ 確かに『クノムティオ』にはそういう集団はあまり聞きませんが、それはそういう『危険思想をもっているクノム人』が暴れても最終的には『東方』に逃げてしまうか追放されてしまうからです☆ その逃げ込んだ先の『東方』で彼らは溶けて消えるわけじゃないんですから、こっちにはそういう連中がいっぱいいるってことですよ☆』とデージャ。


『危険思想を持つ魔族追跡部族』の好例こそ『盗賊ギルド』に所属していた『超能力者ヒムヤル』だったが、彼女たちは──()()()()()()──知らなかったし知らずに済んでいた。言われてカムサが納得し、


「……そういえば『伝説の哲学裁判』で『カミス』から追い出された『危険な哲学者』が『東方』に亡命してるって聞いたわね……(思い出し)。なるほど、『レーム地方』がそいう『危険思想を持つ集団』が逃げ込む場所だったというわけね……(納得)」とカムサ。


『まあ実際のところ『いうほど危険というわけではない集団』も逃げ込んだりしますけどね☆ あとこれは『昔』の話ですが、この辺りには『民主政デモクラティア』に極めて近い『国制ポリテイア』を持つ国もあったという伝承があるんです☆ といっても『暗黒時代』以前ですので『伝説』に近いですけどね☆ それでも『カミス』に『民主政デモクラティア』が『成立』したときにその伝承が掘り起こされたりしてるそうですよ☆』とデージャ。


「あれって『ニポス』が持ち込んだ『武器』じゃなかったっけ?(民主政は『強国化のため国制』と認識している)おなじもんが『東方』にもあったのか……どうでもいいっちゃあどうでもいいけどな。どうせ『東夷』は『専制君主デスポテース』に支配される『宿命』なわけだし(興味なし)」とハッシュ。


「ハッシュって本当に『学問』に向いてないわね……なぜ『楽しい話』の腰をそうすぐ折るのか私には理解できないわ……(哀れな目)」とカムサ。

「今はそんな『下らんこと』してる場合じゃねーからだよ傲慢お嬢様がよ(怒)。楽しいよりまず安全確認だろうが!」とハッシュ。



 そんな話をしている横でニムルが前回述べていたことはいかのとおりである(一応確認)。


『うーん……なんていうかな……村人の大多数が『冒険者』みたいな恰好してるんだ。鎧をまとった状態で畑を耕してたり、騎兵が家畜を追いかけてたり……それになんだか村の中に『魔法使い』も結構いるみたいで、家を建てて『非魔法使い』と一緒に暮らしてるみたいなんだ。だから村の中に『魔族』だっている気配もあって……そう、まるで『数百人規模の冒険者パーティー』って感じなんだけど、ちゃんと畑は耕されてるし、なんていうか……うーん、なんか自分で説明してて『いうほど別に奇妙でもない』きがしてきたや……ただ『魔界』が近くにあるから用心してるだけの村かも……』とニムル。


 彼女は途端に自信がなくなってきて『ヘニョヘニョ』と説明が尻すぼみになったが、イスティは言わんとしていることはおおよそ察し──そしてニムル『らしい』ので少し上機嫌になって──優しい声をかける。


「……なんとなく言いたいことはわかります。『冒険者に乗っ取られた村』ではなくて『村人全員が冒険者に見える村』というわけですよね?」とイスティ。

『たぶんそれでいいかな……? でもなんだか『殺人経験』のある人が多いんだ(見たりにおいで分かる)。しかも中には数十人くらい殺してる『腕利き』もいるみたいだし……イスティ? どうしたの?』とニムル。


 イスティは『あげて落とされた気分』になったので思わず渋い顔になっていたが、ニムルに言われて『感情』をしまいこみ、


「……いえ、なんとなく『思い当たる節』があります。ちょっと近寄ってみましょう、思わぬ『収穫』があるかもしれません」とイスティ。


 そういった時実はニムルは内心こんなことを思っていた。


(……今僕が『殺人者がいるのがわかる』って話をしたらイスティが明らかに機嫌悪くなってた……『死神バルバンとしての能力』はあんまり表に出さない方がいいかな……? でも今更嘘ついても仕方ないし……こまったなぁお姉ちゃんは……)とニムル。


 イスティは自分がニムルにずっと『圧力』をかけ続けて『望まし回答を強制』していることに無自覚だった。そしてカムサとハッシュがイスティの提案に質問する。


「『近づく』って大丈夫なのか? 東方人の村や町は今まで避けてたじゃねーか?」とハッシュ。

「そうよイスティ、『東方人貴族』たちが『サガサ族』に力を貸してるのに大丈夫なの?」とカムサ。

「……それに関してですが、もし私の見立てが正しければ『問題ない』のではないかと思っています。とりあえずニムル先輩、案内してください。歩きながら説明しますから」とイスティ。

『あ、うん。とりあえずみんな『馬車』に乗ってよ』とニムル。


 一度降りた『黒い馬車』に全員が再度乗り込む。ちなみにゴブリンたちだけはちょっとためらっていたがイスティに促されたので仕方なく従い、皆が乗ってからニムルが持っていた『黒い槍』を『二頭の黒い馬』に変化させて馬車を曳かせることにしたのだった。


 彼女たちのちょっとした『魔法の研究』はいったん中断し、『冒険』は再開されたのである。次回に続く。

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