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ハッシュ・イル・カスラース64『東方大遠征:サガサ族からの逃避行』と『よみがえる『聖戦の大魔帝国:新カルシャーナ』の記憶』の話

『東方大遠征:レーム北部戦役』、『彼女たちのサガサ族からの逃避行』


 イスティ、カムサ、ハッシュ、デージャ、ゴブリンたちの眼の前の『光る幌』の中で『二人のニムル』が霧がかった森の中で語り合っている。この時の会話の内容は『農民戦争と第二次サガサ族戦争』での『反省会』だった。



『あんなことになったのは『食料と安全な寝床がなかったから』だって? なに心にも無いこと言ってんだか……『僕』に足りなかったのは確かに『力』だよ。『僕』は『少なくとも1000年以上は生きる高等魔族』なんだよ? 過去に『龍族』の群れだって一人で滅ぼせたじゃないか……そんなが本気をだせば『サガサ族』なんて『ギルモ村』の人間たちを兵士にする必要すらなく、『僕』一人で『魔界』に出向いて『サガサ族』を『滅ぼして』しまってからその後食料を持ち帰ればよかったんだよ。だって『死神バルバン』ならそれくらい簡単でしょう?』と『もう一人のニムル』



「何いってんのさ(呆れ)。僕たちの戦いには『クノム神話の神々』が介入してきてたし、今の『サガサ族』には『嵐の神ガズミ』が『加護』を与えてるんでしょ? 『僕』が『本気』出したからって無理だよ。無茶言わないでよ……」とニムル。


 果たして『神々の加護を得ている中堅魔族(川女族)』と『加護のない高等魔族(龍族)』どっちの方が強いのかは正直わからない。だがそれでも『もう一人のニムル』は食い下がって、


『そんなことないでしょ『僕』?? 『僕』はかつてあの『カルシャーナ帝国』の『正規軍』とすら何度も戦ったんだ。そうそう、ちょうど『サガサ族』たちもあの時その戦列にくわわってたねぇ? あの時のことを『覚えていれば』そんな言葉はでてこないはずだけどなぁ?』と『もう一人のニムル』


 言われてニムルがふと、『想起』した。


「……知ってるよ、『サガサ族』は『カルシャーナ帝国』の『同盟者(属国)』だったから。彼らは一度『僕』と戦ってる……」とニムル。


 そういうと『霧』が少し晴れてそこから『歩兵と戦(馬)車の集団』が雄叫びをあげながら現れる。その『軍隊』をみてカムサとハッシュが目を丸くした。


「あ!? あれクノム式重装歩兵じゃん! それに『戦車』だ! あんな数初めて見た!」とハッシュ。

「明らかに魔族の兵士もいるわ……しかも凄い数の『戦馬車』……でも魔法使いがあんなに……!」とカムサ。

「あれは『都市神カルシャン』の軍旗……つまりあれが『聖戦の大魔帝国』の軍隊……私も初めて見ました……(思わず『魔女』の気分で話している)」とイスティ。


 そう、ニムルの『夢』の中に現れたのはかつて史上初の『世界征服』を成し遂げた『カルシャーナ帝国』の軍隊だったのである。


 まず最初に目を引くのが『兵士が2名』乗っている『軽戦(馬)車』で、一人が馬を操りもう一人が『聖石矢』と弓を持っている。この弓兵の周りにはほかにも大量の矢があるらしく、その『戦車』が気性の荒い二頭の馬に曳かれているようだった。


 そして先頭を走る馬車だけは他と違い、この『戦車』は荷台に『都市神カルシャン』のシンボルである『角のついた冠』が描かれた『軍旗』がくくりつけてあった。この『角冠』は本来は『サルザリア』で『嵐の神ハルル』と『天空神リン』を表す『標章アトリビュート』だが、『ギルミーナ地方』では『嵐の神ハルル』が『カルシャン神』と同一視されていたのでそのまま流用されていたのだ。


 そして以前にも説明したことはあるが、『ハリスコ神話』において『天空神リン』と『嵐の神ハルル』の『外見』は『姿かたちがなく光りそのもの』であるとされているので『聖画像(神の像や絵)』を象ってはならないとされていた。なのでどうしても絵で表現しなければならないときは『角冠(神の象徴)』だけを描くのが『古の法()』なのである。そして『ギルミーナ地方』においては『都市神カルシャン』ももともと『都市自体が神の姿』と考えられていたので『聖画像』作るを習慣がない、というか『聖画像を作ってはならない』とされていたのでもともとよく似ていたのである(だが似ているだけで起源は全く無関係)。なので『同一視』されやすかったのだろうと思われた(余談)。

 

 閑話休題、『カルシャーナ帝国軍』の『旗持馬車』の側面には『車輪を背負い翼の生えた射手』の絵が描かれており、これも『有翼射手』という『ギルミーナ人の軍隊』を表す図像である。そしてその背後には『黄金の鎧』を身に着けた兵士の乗った豪華な『戦車』が続いており、これは一目で『軍指揮官』であるとしれた。おそらくギルミーナ人貴族であろう。


 伝説ではこの『戦車部隊』は『エダイラ王国』によって『東方諸国』に導入されたとされており、『ムンディ・アクナ』や『テルビアナ帝国』などでも『貴族戦士マリヤンヌ』と呼ばれて軍隊の主力を構成し『東方』を席捲したという。そして『カルシャーナ帝国』もこの『馬車騎士マリヤンヌ』を中核にして『歩兵と騎兵』を補助として使っており、特に『騎兵』はほとんど『騎乗伝令』や『後方任務』にのみ使われていた。だが『ムルディアナ人』が『騎兵』を主戦力に採用したことで『カルシャーナ帝国』は時代遅れの軍隊になって滅んだ……というクノム人世界にも有名な話があった。



 そしてその軍隊の大量の『戦車騎士マリヤンヌ』たちが『視界を塞ぐほどの聖石矢』を射掛けて来る!


 すると『もう一人のニムル』が吠えた。


『そう! 『サガサ族』は『聖戦』によって『旧領回復』を掲げた『カルシャーナ人』に抵抗せず降伏することで『同盟者』となり『補助軍団』に編入された! 彼らはギルミーナ人の将軍のもと、同じような魔族、亜人族、人間族の兵士とともに歩兵を提供していたんだ! 具体的には弓兵と槍兵をね!』


 そう叫びながら彼女(?)が『黒い馬車』に乗り込む。この馬車にあるのは『幌』も屋根もなくその代わり兵士が最大『2人』まで乗ることが出来る『荷台』だけで、それが腰くらいまでの『板』に四方を囲われている、つまりいわゆる『軽量の戦(馬)車』だった。なので『もう一人のニムル』以外にも『全身真っ黒な人型』が『馭者』として乗り込んでおり、さらに馬車を曳く『黒い馬』も『二頭』いた。



「「あ、『死神バルバン』が『戦車』の姿になってる……!?」」とハッシュ&カムサ。

「……話だけは聞いたことありましたが、あれが『死神バルバン』の昔の姿……」とイスティ。


 それは『暗黒時代以前』に『東方諸国』を席捲したとされる『戦車騎士マリヤンヌ』と呼ばれた『兵種』であった。この時代『戦車兵マリヤンヌ』たちは『王侯貴族に最もふさわしい高貴な兵科』とみなされており、『戦車』に乗ることを許されたのは『特権階級』だけであり、また彼らこそが『戦争』における『主力』だったのであった。



 次回へ続く。

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