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2024/2313

コレノス・イル・ラムシス⑧『東方大遠征:レーム北部攻略編』と『葬送のための辛気臭い体育競技祭』『迷宮攻略への共同出資事業』と『州都でのさらなる戦後処理9』の物語

『東方大遠征:レーム北部戦役』、『アラマン中央軍:タルキュア防衛隊』


『タルキュア擾乱』後の『戦後処理』はまだまだ終わらない。『州都タルキュア市』で『戦没者』を葬送するための『体育競技』の開催が決定し、『リカノス派』から『エルディオスのユーテティオンを領地とする法務官テスモテタイアンゲウス』が、『ミュシアス派』から『アルマイアス半島の都市ルリダイアの『都督ハルモステス(総督)』であるヘラスケス』が『競技委員アツロテタイ』に任命されて開催の責任を負うことになっていた。そのせいで彼らの間には『ピリピリ』した空気が漂っている。


 だがそんな彼らのもとに突然エダイラ人たちがやってきて、脈絡なく『エダイラ神話』の話を始めたのであった。エダイラ人たちが『愛想笑い』しながらさらに続ける。


「……といっても安心なされよ『アラマン王国軍』のお歴々。『女神』が『見物』に来たとしてもそれを我らが知ることは至難の業です。念には念を入れて探そうとして運が良ければ見つけることできるでしょうが、そこまで強いて行わなければ絶対に見つかることはありません……ですが西方から賓客の皆様、実は『地上の太陽』が『見物』にやってくるためにこの女神は『地下の宮殿』に通じる『門』を開くのでして、しかも『女神』が『見物』している間『門』は開きっぱなしになるのです……そこを『冒険』すれば、それこそ『山』のように多くの『神代の宝物』を得られることでしょう……興味はありませんか?」とエダイラ人。


 途端に『物語ミュートス』の話になり、ヘラスケスもそうだったが特にアンゲウスが興味を示した。


「『体育競技の際にだけ開く災厄の女神の宮殿』……だがその『宮殿』には『世界のすべての悪徳』が住んでいて中に入ると襲われるとかそういう話なんじゃないのか?」とアンゲウス。

「それで迷宮の一番奥には『希望エピルス』がいるとでも? まるで『ハルマの甕』ですね(小声)」とヘラスケス。



 ※注:『ハルマの甕』とは『クノム神話』に登場する最初期の人間族の娘で、『神々の王テイロン』と『大地ゲー』が『人間族を試すため』に『絶対に開けてはならない甕』を与たが、ハルマは好奇心に負けて開けてしまい、中に入っていた『戦争ポレモス』、『疫病ロイモス』、『呪詛カタプロネーマ』、『復讐ネメシス』などの『悪徳』が地上に放たれてしまったという話。だが最後に『希望(あるいは『予言』)』が飛び出したことで人々は災厄に備えることができるようにいなったとされていた。そしてこの『ハルマの甕』は実物が『アルバス島』に大切に保管されている(カムサたちが訪れたとき死体が隠されたりしていたが)。



「はい、しかも実際に過去には『地下女神の宮殿』に足を踏み入れ、しかも『神代の宝物』をもちかえった『冒険者』たちも過去にはおりまして、その中には後に『エダイラ王国』を建国した『ナラダ王』がそうであったという伝説も……ずいぶん昔のことですのではっきりとしたことは分かりませんが、確かに生きて宝を持ち帰った者たちもいることは確かです。どうですかアラマン人の皆様、もし『葬礼のための体育競技』を開催すると『冒険者』たちが聞きつければ『女神の宮殿』を攻略しようと奴らが集まってくるでしょう、あなた方の兵士にもその『ダンジョン攻略』に参加させるか、あるいはその冒険者たちに『出資』してみませか? 決して分のいい『賭け』ではありませんが、一発当てれば『神代の宝物』が手に入りますよ?」とエダイラ人。


 そのエダイラ人の話を聞いてヘラスケスがふいに昔のことを思い出し、少し自慢げに語り始めた。


「ほうほう、この私に対してなかなか面白い話をしなさるな東方の方々……何を隠そう、俺が『祭祀用のオイノス(転生者風に言えば『三度の飯』)より愛してやまないのは『迷宮ラビュリントスに出かける冒険者エンポロスたちに『晩餐会エラノス貸し付け』を行うこと』なんですよね~、実は『双角王』が持っていた『魔法の袋』も自分が出資した冒険者エンポロスから譲り受けたものでして……ふ、しかもあの時はその冒険者が『2か月以内』に戻ってくるか否かで友人と『賭け』をしてましてね、しかも掛け金(銀)が『4六千銀貨タラントン』だったのでなかなか冒険者が戻ってこないと冷や汗をかきっぱなしでしたよ……」とヘラスケス。



 ※注:実は『夢の世界』ではしばしば『貴族』が『遊び』で『ダンジョン攻略を目指す冒険者』たちに『資金援助』することがある(しかもマイナーではなく富裕層の間ではメジャーな遊び)。だが『遊び』とはいいつつも『冒険者たちがダンジョンに長期間潜るために必要な装備』をすべて貴族が負担するので結構な出費になる。しかもその冒険者たちが『神代の宝物』を持って帰ってくることも少ないのでぶっちゃけ『勝率』はかなり低い(確率という概念はないが)。ちなみにもちろんのこと冒険者たちが宝を持ち帰った場合はその宝物のうち何割か(事前に契約で取り決めた割合だけ)自分の物にできる。といっても価値の高い宝がある迷宮ダンジョンほど生還率は下がるわけであるが。


 ※注:だが実際のところ『富裕市民(貴族)』がリスクを低減して『神代の宝物』を得られる方法はこれが一番適しているためよく用いらていた。またまれに都市国家ポリスが危機に瀕した際の『占い』の一つとして、もちろんその際は『国家行事』として執り行われる場合すらあった。そしてその場合冒険者に出資した貴族を(冗談まじりだが)『体育競技奉仕者ギュムナシアルコス』と称していた(余談)。




 そしてヘラスケスは特にその『迷宮攻略に赴く冒険者に『晩餐会エラノス貸し付け』で出資する』ことが好きで、しかも出資し場合は大抵友人と『その冒険者が期間内に生きて帰ってこれるか』で『賭博』をしていたのである(むしろ彼が好きなのはその『賭博』の方)。そして『クノム人世界』では『くじ引き』をはじめ『賭け事』は『神事』なので『賭け事』自体はあまり白い目で見られない(だが哲学者たちは批判していた)。


 だが『脈絡のない自慢話』は白い目で見られるのである。そこでヘラスケスは自分が『饒舌』になってる様を周りの者たちが冷めた目で見ていることに気づいて、


「……おほん、あー、つまり私はそういう『冒険者に出資する賭け』が趣味ということです。つまり我らに『体育競技奉仕ギュムナシアルキア』を頼みに来たのですか?」とヘラスケス。



 ※注:またヘラスケスは『晩餐会エラノス貸し付け』で冒険者に出資しているわけだが、『利子や担保』を取らないことが『温情』というわけでもない。なぜなら彼は私兵集団を率いていて必ず回収に来るからである(それもまた彼の楽しみだった)。



 ヘラスケスの言葉にエダイラ人たちはいう。

「いえ、ただ『もし個人的に出資したいのであれば』と思ってこの話をお知らせしただけです。我らエダイラ人たちはすでに出資者を募っていますので、ヘラスケス殿も参加なさいますか?」とエダイラ人たち。

「ふむ……まあ『東方人』と一緒に行っても神々は怒るまい、別に『クノムティオ』でも普通にある話だからな……(独り言)、いいでしょう、自分も銀を出しましょう」とヘラスケス。


 次回へ続く。

 イスティ「……そうでした。『アリシア語』についてですが、この言語で『交易拠点エンポリオン』は『カール』という意味で『ディール』と言います。これは『ハリスキーナ』では『運河交通』が主流で『運河沿いの町』が物産品の集積地として利便性が高く、『スキアン人』も『アリシア人』も『船が入れる場所』は『川』でも『海』でも関係なく『カール(ディール)』と呼んでいたからです」


 カムサ「東方の町に『ディール・〇〇』という都市名が多くあるけど、全部『○○の港』って意味なのね(理解)」


 イスティ「そういうことです。ちなみにこれは『トゥルエデ語』や『オリシア語』でも変わらず、彼らも海外に造った『交易拠点カール』を全部『カール』と呼びますね。そして『オリシア人』たちは基本的に海沿いにしかすまないので『カール』が『カール』の意味にもなっていたりします。そして『アルディアーナ』も『カール』を意味する『ディール』と『新しい(ハダシュト)』を意味する『アル』をくっつけて『アルディアーナ(『新しい街(カルト・ハダシュト)』)』という意味になってるんですよ。つまり『新植民市ネオポリス』というわけですね」


 ハッシュ「『アリシア語』と『オリシア語』と『トゥルエデ語』って似てる部分もあるんだな……」


 イスティ「むしろ似てる部分だらけですよ。ちなみに『オリシア語』と『トゥルエデ語』はあまりにもよく似ているため、この二言語の母語話者が相手の言語を全く知らない状態で話しても意思疎通ができるほど似てるそうですよ。もはや『方言レベル』の差しかないそうですね」


 ニムル『日本語だと離れた地方の方言って全然わからないんだよね……それよりも差がないってことはもうそれは同じ言語なんじゃないの??』


『方言』と『異言語』の違いはわりと『政治的』なものだそうです。

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