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2021/2313

コレノス・イル・ラムシス⑤『東方大遠征:レーム北部攻略編』と『ラムシス族の長の狡猾な『本心』と『葬送』』と『州都でのさらなる戦後処理5』の物語

『東方大遠征:レーム北部戦役』、『アラマン中央軍:タルキュア防衛隊』


『タルキュア擾乱』終了後『州都タルキュア』で開催された『総督代理コレノス』を自分たちの『党派スタシス』に引き込むための『政争スタシス』は結局コレノス自身の『今は保留』ということでいったんは決着したのだった。


 そしてこれは少し時間が経ってからのことであるが、コレノスは自分の指揮下にある『ミールス人:ラムシス族騎士団(戦士団)』と副官サルブルスとその直属の家臣たちである『マスファグ王国騎士団』たちをだけを前にし、ほかの『貴族戦士ヘタイロイ』たちには内密にこんな話をしたのである。


「……まああれだ。俺らはとりあえず『双角王』が『裁判』を開くまで自分たちの立場は表明せず、ゆえに『ミュシアス派』と『リカノス派』……この区分であってるかは定かじゃあねぇが、どっちにも助言も援助もなにもしない……」とコレノス。


 彼はまだ話を続けようとしたわけであるが、そこでサルブルスが笑いながら、


「はははは! 『従軍拒否アストラテイア』だコレノス先輩! あんたっていつもそうですよねぇ!? 『カレネス候』にいじめられた『心の傷(トラウマー)』が痛み出しましたか!? あるいは『ユート王』に『降伏』迫られた時? あの時先輩は『ユート王』と『親父殿』の間で『板挟み』になって『ひぃひぃ』言ってましたもんねぇ! ……」とサルブルス。


 彼が言っている『カレネス候~』の部分は『ダボス族遠征』のことだが、『ユート王~』の方はかつて『マスファグ王国』の領土の一部を統治していたコレノスの一族『ラムシス族』の土地に『アラマン王国軍』が初めて進軍し、『降伏して『対マスファグ王国戦争に参加する』か、それとも今滅ぼされるか選べ』と迫られた時のことを言っているのである。サルブルスの言葉にコレノスの額が『ビキビキ』と音をだす(ようなきがした)。


「……そうならまた気絶するほど『オイノス』でもかっくらって寝ててくださいよ! そんで兵士を大量に失うんですよ『また』ね! ははは! なんでも『男娼のペルクロス』殿は『中立』になってたそうじゃないですか! ってことはコレノス先輩とアイアス殿も同じ『男娼』……ぶべぇ!?」とサルブルス。


 いつも通り『憎まれ口』をたたいてサルブルスが力いっぱい殴り倒されるがそれを『マスファグ王国騎士団』たちが傍観している。ちなみに『クノム人世界』において『男娼』は『同性愛の受け役(エロメノス)』のことを指していて、『同性愛の攻め役』が『自由市民エレウテロス』、『受け役』が『奴隷の仕事』なので自由市民エレウテロスが『受け役』を務めるのは『恥』。そして誰かに銀貨をもらって『受け役』をした市民はどこの都市国家ポリスでも『市民権剝奪アティミア』になるのが『古の法(常識)』だった……のだが『アラマン王国』のような『厳格な身分制度』が存在する国の場合は部下が上司や主君に忠誠を示すために積極的に『受け役』を務めることが奨励されていた(一応補足。割と都市国家で差がありややこしい)。


 コレノスが殴ったままの姿勢で、


「……だが俺自身はいつまでも『中立』で居ようだなんておもってねぇし、もちろんのこと『アラマン王国の貴族戦士ヘタイロイ』の一員として『自分が正義と信じる党派スタシス』に武器を取って参加し全力で戦うつもりだ……だから俺を『内戦スタシスにかかわりたくなくて逃げたカマ野郎(男娼)』というやつがいたら俺はぜってー殺す……わかったなてめぇら!? 覚えとけよ!」とコレノス。


「「「は! ヤーハッラー!!」」」と『ラムシス族』&『マスファグ族』


「なんでお前たち(マスファグ族)まで!? お前らの主君は僕だろなんで先輩の言うことを聞いてるんだよ!? ていうか僕が殴られてるんだから介抱しろ! 庇え! 復讐しろよ!?」とサルブルス。

「お父上が『サルブルスよりコレノス殿の命令を優先せよ』とのご命令でしたので……」と『マスファグ族』

「なんでだよくそ親父がよおおおおお!!(発狂)」とサルブルス。

「本当にお前の親父殿はいい人だよな、俺にてめーを押し付けてくれた人もであるわけだが(呆れ)」とコレノス。


 ちなみにコレノスの『俺を男娼呼ばわりした奴は殺す、お前たちもわかってるな?』は『俺を男娼呼ばわりするな』という意味ではなく『俺が命じたら死んでも全力で殺しに行け』という意味である(主君を男娼呼ばわりしないのは当然のことなので)。


 そしてやっと『マスファグ族』に介抱されたサルブルスが不機嫌な顔でコレノスに言う。


「それじゃあ先輩! 俺今すげーむしゃくしゃしてるんで誰か殴ってきていいいですかね!? もし殴ってほしいやつがいたら先輩指名してくださいよ、なければ先輩殴るんで(戦意満々)」とサルブルス。

「お前ってやつは本当に……(イライラ)。だったら俺を殴れ馬鹿野郎が、だが100万倍にして返すからなクソガキ、ていうかまじでてめえは耳ついてんのか?」とコレノス。

「はぁ? だって先輩本当は『ミュシアス派』を全員『敵』だと思ってるんでしょ? 今絶好の『先制攻撃』チャンスじゃないですか?」とサルブルス。


 するとコレノスは一瞬だけ『サイマス将軍、サレアス、オルトロス候とダーマス候、ミュシアス殿だな。あと『アンフィスバエナ』どもも滅ぼしてこい』と名前を列挙しようとしたが、寸前で思いとどまって、


「……俺が今『どっち』に味方するつもりなのかはあえて言わない。言わないからお前らも『どっちに味方するかわからない』と右往左往しとけ。まかり間違ってもサルブルスみてーに『早とちり』すんなよ……ぶん殴りにいくのは『裁判』で、だ。だから俺はそれまではお前らにも『本心』はあかさねーぞ」とコレノス。


「また無意味なことを……俺が世界で一番先輩のことを理解してることをまだわかってないようですね?」とサルブルス。

「確かにてめーのしりぬぐいを俺がずっとしてたからだいたい何考えてるかは互いにわかるだろうがその気持ち悪い言い方やめろ(嫌悪)」とコレノス。


 ちなみにサルブルスは性格が性格なので『同性愛の受け役(エロメノス)』はコレノス相手だけでなく『双角王』相手も拒否していて周りの『貴族戦士ヘタイロイ』たちから白い目で見られていたが本人は自分の方針を絶対に曲げなかった(彼に出世願望がないの理由の一つかもしれない)。




 その後『タルキュア市』の中に新たな土地を習得して『戦没者追悼碑』も建設され、『タルキュア方面軍』の『貴族戦士ヘタイロイ』たちがこぞって『公共奉仕レイトゥルギアー』と称してその費用を工面した……といっても実際はこれらの『貴族戦士ヘタイロイ』たちの名前で『約束手形』が発行されそれもらった『エダイラ人』たちが自腹を切って建設したわけであるが(だが後でちゃんと払うつもりではいる)。


 そして『追悼碑』の建設時には『葬式』も行われ、『タルキュ州』にも実は自生している『香柏(オリシア杉)』で作られた『三つのからの棺桶』が用意された。そこに葬式参加者たちが各々『戦死者にまつわる様々な物品』や『戦利品』などの『副葬品(亡骸は入ってないので『副』ではないが)』をどんどん『棺桶』に入れていった。その後この『三つの棺桶』を地面に埋めたあと、周囲の土地を囲い込んで『英雄廟ヘロオン』を建設する手はずになっていた。


 だがそうすんなりと『葬式』が終わるわけもなく……次回へ続く。

 イスティ「フェイダーン地方の『伝説』について一つ。私は前回『フェイダーン地方に初めて攻め込んだハリスキーナの王朝は『都市国家アリシーク』だった』と述べましたが、この『アリシーク』の王朝が『第何王朝』かはわかりません。ただ『伝説』では『ディメルアンキア王』は『アリシーク第一王朝』の王様ですね……しかし『アリシーク』以外にも『フェイダーン地方』を侵略した都市国家は存在してまして、その中で有名なのが『ラムン市』です。この都市国家も『フェイダーン地方』の奥深くまで攻め込んでいるそうですよ」


 カムサ「『アリシーク』が一番初めに『フェイダーン』を支配し、その次に『ラムン』が占領したってこと?」


 イスティ「たぶんそうだと思っているのですが……これが結構難しい問題でして、実は『ハリスコ神話』では『ラムン第一王朝』の時代に『フェイダーン地方』に侵攻したとされていまして……つまり『アリシーク第一王朝』の『前』に『天命』を与えられた王朝が『フェイダーン地方』を支配しているんです。つまり順番が『逆』なんですよね」


 ニムル『……あれ? そういえば『ラムン市』って確か『アリシーク第一王朝』に『天命』を奪われた後『フェイダーン人の王に支配された』って前いってなかった? それが『ラムン第二王朝』だって……てことは『ディメルアンキア王』の治世って『ラムン第二王朝』と同時代ってことにならない?』


 イスティ「そうなのです、実はそうなるはずなんです(汗)。これも以前お話ししましたが『ラムン第二王朝』に関する伝説はすべて『ラムン市のローカル神話』でして、他方『アリシーク第一王朝』に関する『ディメルアンキア王と瑠璃の国の領主』の叙事詩は『メインストリーム神話』になるんです。この二つの『時系列』が『矛盾』していることは古代から『ハリスコ人知識階級』の議論に的になってまして……諸説入り乱れやはり決着がついていないですね(いつもの)」


 ハッシュ「『東夷の神話』に『合理性』を求めるのはお門違いだな(自分たちを棚に上げての見下し)。


 イスティ「……ただ一応『有力説』はありまして、そこでは『瑠璃の国』は『フェイダーン王国』の一部ではなかったが『フェイダーン人の植民市』だったのではないかとされているそうです。そう考えると少なくとも神話の『矛盾』がなくなるんですよね。つまり『ディメルアンキア王』の在位期間の『フェイダーン地方』は現在の『クノム人世界』のごとく同族同士が無数の都市国家に分裂しており、『瑠璃の国』はその一つ。他方『ディルタインとサアールク』は『ラムン市』を含む多くの『ハリスコ人都市国家』に支配権か宗主権をもっていた……という状況だったのではないかと復元はできますね(早口)」


 この話は近々『コロコス帝国歴史物語閑話』でも触れそうな気がします(悪しからず)。

 

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