表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2017/2313

コレノス・イル・ラムシス①『東方大遠征:レーム北部攻略編』と『歴史物語閑話:『アウィールムかムシュケーヌムか』』と『州都でのさらなる『戦後処理』』の物語

『コロコス帝国歴史物語:閑話』、イスティが『瑠璃の国の領主』が『重臣』を呼び集めたシーンから『東方の国制』について『クノムティオ』と比較しながら話をしていた。


「……以前『東方』において『伝統的』には『王』の『権力の源泉』は王個人が所有する『土地』と『雇った者たち』で構成される『家政組織』であると述べたことがありますが、今しているのはその話の『より具体的な話』です。『瑠璃の国』がも『領主エンシによる中央集権』が達成されているのであればこの『重臣』たちは『王の家政組織(エッカル)』に雇われている人たちになります。ですがもし『瑠璃の国』で『中央集権』が達成されていないのであればおそらくこの『重臣』たちは『領主ほどではないにしろそれに次くらいの『自分の家政組織(領地とそこで働く労働者)』を持っている『貴族』ということになります……」とイスティ。




 ※注:『家政組織』という単語は実は『クノム語』には存在せず、ただ単に『オイコス』とだけ呼ばれている。そしてクノム人に限らず東方人も『家』とは『その家の家長を頂点とした家族全員と奴隷(同居している庇護民も同じ)たち(厳密には奴隷も家族に入る)、そして家の人間が所有しているすべての財産』を意味する。そして『富裕市民に雇用されて雇用主の畑を耕している労働者』も『庇護民』とみなされるので、それらすべて含めて『家(家政組織)』と呼び、『王侯貴族』ともなればあたかも『企業』のように土地から得られた収穫を売買して収益を得たり、労働力を動員してインフラを作ったり、『交易』を行ったり、あるいは『戦争』まで遂行する『多角経営』を手広く手掛けるのだ(民衆でも財力が許す範囲で似たようなことはする)。そして基本的に『夢の世界』では『家政組織』の大きさに関係なく、その『家長(つまり社長)』だけが『完全自由市民』とみなされるのである。




 そこでハッシュが『挙手』して質問してきた。


「……なんか今までなんとなく『意味』を考えずに流してきたけどさ……『中央集権』って具体的にどんな状態を指してるんだ? ようは一個人が『絶対的な権力』を握って『僭主』になるって話だろ? いったい『僭主』はなにをもって『僭主』になるんだ? やっぱ『その都市国家の全市民から忠誠を誓われた』からか? つーことは『武功』で決まってることか?(戦闘民族の思考)」とハッシュ。


「いいえ、そんな『ふんわり』した話ではありません。『王の権力の大きさ』は『動員できる兵士の数』や『保有している土地の大きさ』で決まります。つまり『その都市国家』の『領土コーラ』のうち『バシレウス』がどれだけの土地をもっているかで決まるんです。ですから『中央集権化』とは『国内の土地をどんどん『王領』に組み込んでいき、最終的に『国家のすべての土地が王の所有になる』ことを目指しているわけですね」とイスティ。



 ※注:これは今更捕捉する必要がないから知れないが一応。『夢の世界』は『農業が主要産業』の社会であるため『国内の土地の占有率』でその『王侯貴族』の『権力』が決まるきわめて『シンプル』な構造をしている。また『土地』は『その土地に住んでいる人』も含んでいるため、『王領地』の拡大は『本来自由農民だったものたちが様々な理由で『王』に自分の土地を譲渡する代わりに王がその土地の耕作を引き続き認める』ことを意味する。


 ※注:なので『王領』に組み込まれた農民は引き続き自分の土地を耕し続けられるが、今まで存在しなかった『収穫のうち『王』と契約で決められた分を『貢租』として支払う』という新たな『義務』が発生するのである(なので自由農民は自分の国に王がいても基本的に何も支払う必要はない)。だが代わりに『農民』も『王』から様々な『庇護』を受けることができるといった具合だ。


 ※注:こうかくといかにも『王領地』に組み込まれることは『保険』に加入するみたいに考えられかもしれないが、基本的に『王』が課す『義務』はかなり『重い』。大抵は収穫税だけでなく『労働力の提供』や『兵士の提供』、国家によってはもっと多くの『義務』が課せられ、基本的に『王領地』に組み込まれた農民は『やせ細りぎりぎりの生活を強いられる』のが普通である。だから『半自由人ムシュケーヌム』は『都市国家』においては『下』に見られ、誰にも庇護されず自活している『自由市民アウィールム』の方が『上』と思われたのであった。



「……ですがここで結構『面倒』といいますか、『東方』では『王領地に組み込まれた者たち』をざっくりと『半自由人ムシュケーヌム』と呼び、そうでない『独立した自由農民』を『自由市民アウィールム』と呼んできました。一方で『クノムティオ』では『半自由人』の訳語に一番近いと思われそうな『二等市民ペリオイコイ』はかなり『半自由人ムシュケーヌム』とは意味が違います。まず『二等市民ペリオイコイ』は『その都市国家で『重装歩兵などの決められた武装を自弁して従軍できない財力の人たち』を指している言葉に過ぎず、その『二等市民ペリオイコイ』たちが『庇護民テーテス』であるかそうでないかは問いません。ですが『半自由人ムシュケーヌム』とはあくまで『庇護民』のことであり、その『財力』は全く問われていないのです」とイスティ。


 カムサが面白そうに言う。


「……確かに『所有されている者(ムシュケーヌム)』なら『庇護民テーテス』と訳すのがよさそうね。でも『庇護民』でも『自由市民エレウテロス』である場合もあるからやっぱり適切に『クノム語』に訳すのは難しそうだわ」とカムサ。


 他方ハッシュは『ニムル(黒い馬車)』とデージャに、


「どっちが『庇護民テーテス』でどっちが『二等市民ペリオイコイ』だって?」とハッシュ。

『何の話?? ずっと『半自由人ムシュケーヌム』か『自由市民アウィールム』かって話じゃないの??』とニムル。

『ご主人様『クノム語』の単語しか覚えようとしてないでしょ♡』とデージャ。


「カムサ先輩の言う通りですね。『自由市民アウィールム』と『半自由人ムシュケーヌム』の概念はクノム語に直すのは慎重になるべきでしょう。そしてここで『余談』ですが、『瑠璃の国』と深い関係があったとされる『フェイダーン人の国制』についても少しだけ触れておきましょう。そもそも『フェイダーン地方』は『サアールク』と『ディルタイン』だけにしか『都市国家』が存在していたわけではなく、もっと多くの『都市国家』が林立する地域だったらしいです。そしてそれらの都市国家は大抵の場合『大土地所有の有力貴族』たちが都市国家を支配していたそうでして、歴史上現れた『フェイダーン王国』とはそれらの『各地の有力貴族』を『ディルタイン』や『サアールク』に拠点を置く同じく『有力貴族』が『王』を名乗って束ねた国が『実態』であったそうですね。ですが『瑠璃の国』は果たして『フェイダーン』や『サアールク』とどういった関係であったかはこの『叙事詩』からは推し量ることはできません。なぜなら『フェイダーン人』と『サアールク人』は『瑠璃の国』へ『伝令』が向かう途中に『蹴散らされて』いるだけだからです。ですが『領主』が『フェイダーン』や『サアールク』の名前を出していないのなら、恐らくこの『瑠璃の国』は『フェイダーン&サアールク』の影響力の『外』にあったと考えて間違いないでしょうね……」とイスティ。


 彼女の話の続きは次回に持ち越す。








『東方大遠征:レーム北部戦役』、『アラマン中央軍:タルキュア防衛隊』


『タルキュア擾乱』終了後に『方面軍』は全員が『エデュミン』の町の『七重城壁』だけは撤去し、だがそれ以外の『復興』はすべて放り出して『タルキュア市』へと移動していた。もちろん去っていく彼らの姿に向かって『エデュミン市民』たちは口々に『呪いの言葉』を吐いたり『神罰』を願ったりしていたわけだが、『世界最強の軍隊』は気にも留めていなかった。


 そしてそんな彼らがたどりついた『タルキュア市』では早速出迎えた『総督代理コレノス』と『副官サルブルス』に対して『リカノス派』と『ミュシアス派』が『自分の派閥』に引き込もうと『論争』を開始したのである。


 そしてその流れでついに『アラマン王国』の中でもおそらく『三本指にはいる『性格に難ありの人物』』である『サルブルス』と『カリクセノス』が初めて対等な立場で言葉を交わしたのだった。そして案の定互いに互いを煽り合ってさっそく険悪な雰囲気になり、『若きオルトロス』が魂の叫び声をあげたのである……!


 ちなみに周りにいた『貴族戦士ヘタイロイ』たちは以下のようなコメントをだした。


「……おいサルブルス、てめぇあとでボコすから覚悟しとけよ(怒)」とコレノス。


「なんで俺だけ!?」とサルブルス。

「カリクセノス、貴様も鞭打ちだ。首を洗ってまっていろ(怒)」とダーマス候。

「ええええ!? 俺被害者なのにかわいそうじゃないですか!?」とカリクセノス。


「……ミュシアス、お前は本当にできた息子だな……(愛)」とオルトロス候。

「感心するなら助けてくださいよ父上……(不満)」とミュシアス。

「カリクセノスとサルブルス殿を一緒にするもは危険だな。いらぬ争いの種になる(真剣)」とリカノス。

「あとお前もな(小声)」とアイアス。

(人のこといえないよな……)とアルキオス&キクラネス&ハグニアス&テルアモス等。


 もちろんのこと彼は『エデュミン』周辺で行われていた戦闘の詳細を知っているわけではない、なのでオルトロス候とダーマス候は『まずは自分たちの身に起こったことを教えるべきだろな』と話し合った。


(……確かに『エデュミン』で起こったことを詳らかにすべきでしょうが、コレノス殿はもともと『アルキオス殿やリカノス殿やキクラネス殿』に近いタイプのはずだ。正直に話したらわれらの立場も危うくなるのでは?)とオルトロス候。


 もしアルキオスとキクラネスがこの小声を聞いていたら怒るかもしれない。だがダーマス候は首を振って、

(どうせリカノス殿などは『自分の味方を増やそう』とコレノス殿やサルブルス殿ににも積極的に話をするでしょう、ならその時にわれらが先に話していなければそれこそわれらに対する印象が悪くなりましょう、ここは話すべきですな)とダーマス候。

(やはりそうなりますか……こうやってすぐに『王国』を真っ二つに割る『党争スタシス』になりますよ……(汗))とオルトロス候。

(まあ、それはもう覚悟を決めるしかないでしょうね……(こっちも汗))とダーマス候。


 ちなみにそのリカノスと、さらにはアルキオスとキクラネスとペルクロスが『威圧感』を出しながら老将軍たちの背後に無言で控えている(なぜかペルクロスも混ざっているが、実は彼もリカノスたちを止めようとしていた)。なのでオルトロス候とダーマス候はコレノスと、さらには横に並んだサルブルスにも簡潔に事情を説明し始めたのである。


「……一体コレノス殿たちがどこまで聞き及んでいるか私にはわからんが……そうだな。では結論から述べよう。まず『アンフィスバエナ』たちが『降伏』した。そしてわれらはこれから『双角王』に『アンフィスバエナ』たちの『扱い』について伺うつもりだ。それまでは一応『信仰生命財産』を保障している……」とオルトロス候。


 その話を聞くコレノスとサルブルスの後ろには静かに『アリアディス同盟軍』を率いていた二人の将軍、『アリアディス』出身のウルムス・イル・マスキウスとレムモス出身のアルキオス・イル・サラシュスの二名もいた。


 ちなみにもウルムスはもともと『双角王』から『エデュミン駐屯隊長』の任務を与えられていた。彼の職務は『タルキュア総督サイマス・イル・アサクレス』の指揮下で『エデュミン』に駐屯し『ハリスキーナ』から攻め込んでくるであろう『コロコス帝国軍』を監視したり『タルキュア州』の反乱の抑止をするはずだった。


 そしてもう一人サラシュスは『タルキュア市』に同盟兵とともに居座ってやはりウルムスと同じ仕事をするはずだった。だが『サイマス将軍』が『タルキュア擾乱』の鎮圧作戦に参加したことで彼らも指揮下で出兵し、『アンフィスバエナの猛将ガムル』に打ち破られて潰走しその後はずっと『タルキュア市』に逃げ込んでコレノスのもとにいたのであった。しかもその前にウルムスの方は『魔族(ナチュラルボーン)追い(・モンスター)部族(ハンター)ヒムヤル』によって部下をすべて失っていたりする(簡単な振り返り)。


 その二人は最初はサイマス将軍とサレアスを見つけるとちょっと慌ててからすぐに駆け付けて二人の前に跪こうとしたのだが、すぐに一緒に『アンフィスバエナ』たちも現れたのを見て体を硬直させる。そのまま『ヘロヘロ』と迷いのにじむ足取りでサイマス将軍とサレアスの前にやってきて、


「……き、きっと我らをお叱りになられたいでしょう将軍。我々はもう『男らしく(アンドラガティアー)』弁明はしませんが……(アンフィスバエナたちをチラ見しながら)」とウルムス。


「あの、説教為される前にご説明いただきたい、なぜ魔族と一緒にいるのですか? しかも拘束もせずになぜ『信仰生命財産』の保証を……?(困惑)」とサラシュス。


「……あなた方に俺からいえることは何もないです。とりあえず一緒に話を聞いてください……(汗)」とサイマス将軍。


 二人だけでもすでにコレノスとサルブルスも『はぁ?』と大きな『当惑』の中に『怒り』を成長させながら聞いている。その態度にすでに汗をかきながらもオルトロス候が続ける。


「……とりあえず我々の話を最後まで来てほしい(すでに弱気)。我らは『盗賊ギルド』や『エダイラ人反乱軍』、そしてそこにいる『アンフィスバエナ』たちと『湿地』に腰までつかりながら『補給』もろくにない状態でずっと戦っていたのだ。おかげで途中で『軍馬』もすべて食ってしまったくらいだ……だが『エダイラ人反乱軍』と『盗賊ギルド』をまず『壊滅』に成功している。といっても『盗賊ギルド』たちは途中で『大勢の冒険者パーティが戦線離脱していただけ』なのでコロコス人にやとわれて再度我らを攻撃してくる可能性はないわけではないが……」とオルトロス候。


 二人の老将軍は『水の都の戦い』の最中と変わらないくらい『プレッシャー』を感じていたのだった。次回へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ