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2010/2313

ハグニアス・イル・アポロニオス183『東方大遠征:レーム北部攻略編』と『タルキュア市での『政争(スタシス)』再燃』の物語

 前回直してます(すみません)。

『東方大遠征:レーム北部攻略編』と『アラマン中央軍:タルキュア防衛隊』


『タルキュア擾乱』を終えた後、『冬の終わり』が迫ってきた『七重城壁』のそびえる『エデュミン』の『山手アクロポリス』の上でオルトロス候とダーマス候が『現状確認』をしている。相変わらず『瘴気』は濃いが、よく見れば徐々に視界が『クリア』になってきていることに『アンフィスバエナ』とサレアスの右手のファイユは気づいていた。


(『瘴気』が薄まってきてる……みろサレアス、雑草の周辺に『聖石』が生まれてるぞ)とファイユ。

「……え? あ、これがですか?」とサレアス。


 立って『現状確認』を行っている『老将軍二名』の周りには『貴族戦士ヘタイロイ』たちが集まって『円を描いて』やはり立って並んで静かに話を聞いている。だが彼らの副官以下兵士たちはみな『休憩』になっており、『貴族戦士ヘタイロイ』たちを視界にとどめる範囲であればどこにいてもよかった。


 といっても『武装』の解除は禁止されていたので兵士たちはめいめい自分の部隊ごとにあつまって座っているだけである。『貴族戦士ヘタイロイ』たちの会話の邪魔になるのでみな小声で『ひそひそ』話していて、オルトロス候とダーマス候の話に耳を傾けていた。


 そして必然的に『裏切った貴族戦士ヘタイロイ』の部下と『そうでない貴族戦士ヘタイロイの部下』たちで距離があいており、両者の間には大きな『溝』があった。そしてちょうどいいのでその『溝』に『アンフィスバエナ』たちが控えているのである。もちろん『魔王フェルゾ』だけは『貴族戦士ヘタイロイ』たちの中に混じっていた。


 そしてサレアスだけはその『溝』のこっち側と向こう側を自由に(周りの視線を全く気にせずに)行き来していた。彼(彼女)は『山手アクロポリス』の湿っている柔らかい土に生えている雑草をファイユに教えられ、その土の周囲が『キラキラ』光っていることにきづいた。


「……この『光る粒』が『聖石』ですか」とサレアス。


『ああ、草自体が小さいので『聖石』も成長していないが、このままにしておくと大粒の『聖石』が現れるぞ。たぶん『植物』たちが『聖石』を生み出し始めたのと『戦闘』が収束したことの両方で『瘴気』が晴れてきたんだろ。『カハル川』流域は古い時代から『人間世界』だからもともと『瘴気』が薄まりやすいんだ』とファイユ。


「……『人間世界』の土地は『魔界』になりにくいのですか? そんなこと初めて知りましたが……」とサレアス。

『そういう『法則』があるんだ。魔族ならみな知っている』とファイユ。


「?? なんですって?」とサレアス。


『『古の法』のことだ。『スキアン語』だぞ』とファイユ。


「『カルシャーナ語』ですか? 私はクノム人なので『クノム語』でしゃべってください。クノム語なら『古の法(テスモイ)』ですよ。というかあなた今喋ってるのは『精霊言語』では? なぜ蛮語を?」とサレアス。


『『東方』では『スキアン語とアリシア語』は権威ある言葉だからだ。どうだ? これからお前は『異民族や魔族』とさらにかかわりが深くなるだろうし、俺が『東方の文化』について色々と教えてやるぞ? あと『魔法』に関してもな。『聖石』の発生についてだけでなく、なんだったらお前を魔法使いにだってできるんだ。どうだ? 一つ俺の生徒になってみないか?』とファイユ。


 ここで唐突なファイユの提案にサレアスは首をひねったが、すぐに『ファイユの本心』を感じ取って気づいた。

「……もしかして私が『より強力な魔族を『右腕』にしようと思って自分が切られること』を恐れてるんですか? それで少しでも役に立って私に『情け』をかけられたいと……?」とサレアス。


『そうだよ悪かったな! お前は『魔法使い』ではないから知らんだろうが『人間族』はより強い『魔族』をもとめて『相棒』をころころ変えるんだよ! 別にそうやって『解雇』されても命の危険がないのなら俺も構わんが、今お前に首にされると俺はまた『使い魔(奴隷)』に逆戻りだ! だから死ぬまでお前にしがみつくしかないんだ!』とファイユ。


 そういう彼の近くには『アンフィスバエナ』たちがこっちを見ていた。といってもファイユの声はサレアスにしか聞こえていないので彼らは『サレアスの奴は自由だな』と思ってみているだけだったが(補足)。


「……なるほど。ですが残念ですが、別に私は『東夷』や『魔族』の知識なんていりません。そういうのは『教養人ソフィスト』とか『哲学者フィロソフィスト』の仕事ですのでお門違いですね。ですが……まあ、安心してください。たぶん解雇はしませんから」とサレアス。


『なんだそのちょっと自信のない言い方!? それが心配だから言ってるんだよ! お前の本心は私にも伝わってくることを忘れるなよ!?』とファイユ。


「今後のことは保証できません。ですが私はこれからより多くの仲間が必要ですし、ファイユさんのような『逃げ場がなくて自分しか頼れる相手がいない者』は大歓迎です。クノスティオではよく言われることですが、『実の息子より子供のころから使役している奴隷の方が信頼できる』というやつですよ」とサレアス。

『……お前は知らんだろうがその考え方は『東方人』そっくりなんだがな……まあ興味ないのならいいんだけどな(不満)』とファイユ。


 そんな話をしている横でサイマス将軍は『なんでサレアスはウロウロしながらぶつぶつ喋ってるんだ?』といぶかしんでいたが、ほかの『貴族戦士ヘタイロイ』たちは無視して前回のダーマス候の言葉を聞いている(つまりここでやっと前回の最後に戻る)。


 そしてここからは前回からの続き、ダーマス候の言葉にうなずいて今度はオルトロス候が締めくくった。


「……以上が今の所われらがわかっている限りの情報だが、確実に『陳腐化』していることだろう。なので今のわれらには『二つ』の選択肢がある。『一つ目』は『戦況をできる限り把握するためにいったん情報収集を行う』、『二つ目』は『情報収集はいったん置いておいて急ぎ『双角王』のもとに向かう』のどちらかだ。まずはこの場のすべての『貴族戦士ヘタイロイ』達の意見を聞きたい』とオルトロス候。


 するとすぐにリカノスが立ち上がって熱弁をふるったのである。


「むろん『二つ目』に決まっています! われらの主君キュリオスが戦闘中であるのならすぐさま駆けつけるのが『常識グノーメー』です! まず何よりもそれが一番大事な点ですが、もちろんそれ以外にも理由はあります。われ等はすぐにでも『双角王』主催の『法廷』を開くべきだからです! もしこのことを『なぁなぁ』にすれば『正義を腐敗させた』として神々(テオイ)の怒りを買いコロコス帝国軍の『二度目の再侵略』が始まってしまいわれらは破滅することでしょう! そう、今われらの主敵は『コロコス帝国』なのですから!!」とリカノス。


 彼の言葉は『当てつけ』なのか『サレアスの理屈を応用して自分の主張に説得力を持たせようとしている』のかは微妙なところだった。そしてここでサレアスとミュシアスは反論したかったが『副官』の立場に戻っているので我慢したのである。事前にオルトロス候が『貴族戦士ヘタイロイたちに意見を伺いたい』といっているので二人には発言権がないと解釈されていたのだった。


 次回へ続く。

 作者の歴史趣味です。『自力救済』の世界ってようは『自分で自分を助けられないやつはダメ。だからちゃんと被害を防げなかったり仕返しできない被害者の方が悪い』という発想の世界なので、すごい胸糞わるいな……と今更ながらに思ってますw


 イスティ「そこなんですよね。ですからそういう世界の話をしていると聞いてる方も不快になるのですよね」

 ハッシュ「でも『復讐』したらみんなから褒められるのはいいことだぜ。『恨みを晴らしてすっきり』するだけじゃなくて『皆から尊敬されて出世もできる』なんて最高だよな~」

 ニムル『『最悪』だよそれ(おえっぷ)。もうこうなんというか、『自力救済でない社会』で『ざまぁ』を成立させる仕組みってないのかな?? 後味のいい『ざまぁ』が欲しいよ』

 イスティ「そもそもこの作品は『ざまぁ系』ではないですよね??」


 もはや作者は感覚がバグってしまっていて、この作品が『露悪的』なのかそうでないのかよくわからなくなっています(汗)。(本気で分かりません)


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