出会い
バタン。
不良が倒れた。
「うるせーよ。」
後ろには力強い瞳をした金髪の少年が立っていた。
「…。」
「あ、ありがとう。」
「別に、これあんたらのだろ。」
破れたパンフレットを拾ってくれた。
「こいつら知ってるぜ!俺好きなんだよ!!」
金髪少年は目を輝かせて話している。
「Variant!僕も大好きだ!!」
「そうか!型にはまらない変わってるところが最高にいいんだよ!!」
「ふふっ。」
八重が僕たちを見て笑っている。
「なんだよ、八重。」
「二人ともそっくりね。」
「お名前はなんて言うの?あなたのおかげで助かりました。本当にありがとう。」
「…冷泉泉。怪我はねぇのか…?」
「おかげさまで無事ですよ。」
八重は深々とお辞儀をする。
「そうだ!三人で週末にあるサーカスを見に行きましょう!」
八重の提案に二人は驚く。
「お、俺は遠慮しとく!」
「あら、どうして。せっかくできた友達と仲良くなりたいのに。」
「…サーカス見に行こう。冷泉くん。」
「…ほんとお前ら物好きなやつらだよ。週末、楽しみにしてるからな…。」
泉はくしゃっとした笑顔で笑った。
「私は叶八重!よろしくね!!」
「此永橘。よろしく…!」