2話 人見知り
入院してから三日で退院し大学前で林道と鉢合わせした。
[退院、おめでとう、九條]
[おう、林道]
…此奴が言う言葉が馬鹿にしているように聞えるのは俺だけだろうか?。
[あ!退院おめでとう、九條くん、大丈夫ですか?体? ]
茶髪でロングヘアー右の前髪はリボンで括ってスタイルも良い可愛い女子大生で部門は医学の望月 凛。
[この前はありがとな、望月]
[え!!っいどどう致しませて、そそれじゃ授業、遅れるか先に行くね!]
顔を紅くせて慌てて走って行った望月を見ながら呆然としていた。
[なぁ、林道、俺…嫌われたかな]
[…ふっはは]
[笑い事じゃね!]
半泣き状態で林道に振り向くと笑いを堪え、震え出す林道だった。
[悪い悪い‥泣くな、男だろ九條]
[泣くかー!‥俺、何かしたのか?…分からね]
◇
[ハァハァ、逃げる様に来ちゃった‥悪いことしたなー‥]
息を切らした望月はベンチに座り深呼吸をしていた。
[九條くん、と喋る切っ掛け出来たんだから、ちゃんとアタックした?]
そこに黒髪でショートヘアーで望月と同じの黒峰 鞠が隣に座り込んだ。
[マリちゃん!‥やっぱり無理だよ]
[はぁヘタレだね‥何でもっと積極的に行かないかな‥‥あれ!?どっかのヤクザ恋愛系のセリフじゃん!…まぁいいや、この前、林道がらの誘いはどうする、九條も来るし凛が行くなら私も行くけど?]
見を輝かせ振り向く望月、本当は行きたいけど行くと言う勇気がないと気づくと呆れてくる黒峰だった。
[じゃ行くんだね]
望月はそっと頷いた。
[じゃぁ‥メールしとくよ]
[うん]
◇
その頃、俺と林道は授業の開始二十分だった。
[お!九條、旅行に行くってメールきたぞ]
[誰が来て何処に行くんだ?]
[ないしょだ]
[何だよ、ケチだな]
誰が来るんだろ‥楽しみだーぁぁ、取り敢えず、水着が見れる…それだけで天国だ。
[おい!九條、今、水着を見る‥天国と思ったろ]
[何故それを!]
急に席を立ち上がり、片手が顔を覆い隠すようにし、まるで中二病らしきポーズをした。
[…甘い‥甘すぎる!俺を誰だと思ってるんだ‥良いか、俺は旅行と言ったどう言う意味か分かるか?]
やたら渋い声を出した林道を見て少し驚いた。
[旅行は‥お・ん・せん…何っだと!!]
[やっと気づいたようだな、九條、そう温泉‥すなわち‥除き、男心をクスがれるこのスリル]
[しかし林道!俺たち二人だとリスクが高すぎ]
[馬鹿やろー!!]
思っいっきり林道に左頬を殴られ、周りの注目を浴びたが気にせず話は進んでいく。
[グッは…貴様]
[九條ー!俺は何も考えて居ないと思ったか!大バカ野郎]
しかし此奴の右ストレートが思ったより…此奴実はエスパーか!。
[林道…済まなかった]
[分かるか、九條…男のロマンを]
[あぁ分かる…心の友よ、で誰が来るんだ?]
[教えられないな]
「ガチャン」
奥の扉から坂上教授が入って来て一目見ると少し気分が悪くなり、何故か嫌な気分になった。
[さて、今日は‥‥九條くん、体調はもう良いのかね!]
[あ‥はい、お陰様で‥]
[そ‥そうか!‥ゴッホン‥体調管理をしなさい]
[は‥はい]
どうしたんだ?‥やけに慌てて、俺に気づいたらヒア汗をかいて‥?やっぱり苦手だな坂上教授は、何を考えてるか分からん。
[えぇー今日の事業は理解をしていない事に理解をした。と言う事に理解をしてみよう]
[教授!]
[何だね、198238番…ゴッホン、宮本くん]
[ど‥どう言う風に理解をしたら]
[それは‥あれだ理解をして居ないのか理解をしているのかだ]
今思うけど、生徒一人一人の学生番号を覚えているって‥この大学に生徒が何人居ると‥千は超えるって言うのに?‥何だこの不安‥初めてだこんな不安感。
[なぁ?林道]
[何だ、もしの話で俺たちの身近に連続殺人が居るかもな]
[‥そうだな、もしかすると居るかもな?]
黄昏る中、ふと林道のノートを見ると坂上教授が言う前に書き上げていた。
[化け物だな]
どう言う頭の構造だよ!‥此奴が異常なだけだった。
[お前には負けるよ、何たってあの九條と来た]
[馬鹿にしてろ‥]
[じゃあ、バーカ]
気づけば授業は終わり何事も無く夏休みに入り、楽しみにしていた旅行の日になり一人浮かれ、集合場所に集まっていたが俺だけ遅刻し三十分遅れた。
[すまん、寝坊した!‥]
望月!…えっと。
[この前は、ごめんなさい!]
[へぇ?‥いゃ、何のこと?]
[私、逃げる様に言っちゃって…]
[イヤイヤ、大丈夫だよ、何も思ってない]
顔が紅くなる望月を見て可愛いと思っていたら後ろで林道と見知らぬ男女六人がニヤニヤと笑を浮かべていた。
[いゃ‥全然何思って無い‥おい!‥えっと?]
[あぁ紹介する、 望月と同じ学問で友達の黒峰 鞠「マリ」]
[九條くん、よろしくーう、マリで良いは]
ワイルド系の人かな‥まぁ。
[よろしく]
[それで彼は犬神 龍 ]
黒髪、短髪で落ち着いた感じで‥イケメンだ‥はぁ。
[あ! 犬神 龍、学問は美術、よろしく]
[俺は九條 よろしく]
[一回会ってなかったか?]
[‥そう言えば、どっかで‥もしかして、去年の新年会に居た?]
[一度、お会いしてるね]
思い出したぁー物凄く気の良い奴で性格も良くて何も言うことが無いスーパー真面目、ザ・イケメン!テンション下がってきた。
[彼女は犬神の彼女で福田 愛美]
茶髪でツインテール背が低く、表情が少ないのか何を考えているかまだ分からない、けど子供っぽい、あれだなロリータ・コンプレックスだな。
[どうも]
[よ‥よろしく]
[以上かな、さっ行こうか]
おい!林道ー!彼は、輝かせていた瞳が一気に死んだぞ…仕方ない。
[林道‥彼は?]
[あぁ忘れてた]
[酷いっす先輩 、忘れるなんて]
[冗談だ]
ん?先輩?‥。
[彼は二つしたの 石嶌 隼斗、以上]
金髪でチャラそうなイメージの石嶌の肩に手を置き渋々唸っいたが石嶌は何の事か分からなかった。
[頑張れ、応援してる…うん何も言うな…うん]
大変だな、これから、俺ならとっくに死んでる。
[まぁ取り敢えず 出発しうぜ]
[そ・そうすね! 九條先輩!]
という事で七人乗りので林道が運転手で何故か俺と望月がペアーで後に乗った。
…気まずい‥うん気まずい、望月の顔が以上に紅いし話しずらい。
それから1時間後、トイレ休憩のためにパーキングエリアに止まった。
ふぅ、あれから何も喋れてない!林道め、絶対面白がてるな!。
喫煙所で山を見ながら、タバコを曇らせていた。
[禁煙者がモテるぞ!]
[林道‥うるせぇ、もう行くのか?‥]
[どうしたーぁ、緊張してるよか?]
[し、してね]
林道、鼻が伸びてる‥やっぱり馬鹿にしてたな、此奴!俺の気持ちも知らないで。
[一本、くれよ]
[‥?辞めたんじゃないのかよ林道、まぁ良いけど]
[馬鹿か、誰が辞めると言った ]
そうだっけ‥あれ此奴と何時、知り合ったっけ?‥此奴の誕生日て何時だ?‥あぁれ忘れたな。
その頃、望月は緊張し震えながらココアを飲んでいた。
恥ずかしい!…暑い‥汗の臭い大丈夫だよ・ね?消臭剤‥持って来てなーい!。
◇
…何も喋らず目的に付いてしまったー!まぁ‥取り敢えず…旅行を楽しも…寿命が削られそうだ。
林道が予約したと言う旅館が何と林道の許嫁さんの親御さんが経営している旅館で豪華な屋敷で数千の土地を持ていて中々予約が出来ない有名な旅館だった。
ここか‥てか、ここしか無いよな!海も近いし、まぁ三回ぐらいしか来たこと無いけど。
立派な内装で驚いた望月、黒峰、犬神、福田、石嶌、達は本当に泊まって良いのかと動揺していた。
一度、来たことが有るけど相変わらず、派手?と言うか豪華過ぎるから派手に見えるこの屋敷‥眩しすぎる、なれない。
置くから黒髪で着物姿の女性が三人が此方の前に来ると正座をして頭を下げる女性。
[お待ちしてをりました、林道さん、九條さん、それから皆さんも、遠い所からお越しくださいました]
目がキツイのか冷たい表情し冷静かつ力強いので怖そうだが心優しい方で御歳五十歳なのだが、そんな風には見えない二十歳と言われても不思議では無い綺麗な人だ。
[この宿、鸛鵲「こうのとり」の女将をさせて頂いています、眼鏡山 鈴子と申します、鈴とお呼びください、隣が娘の 香苗子と夢々]
[眼鏡山 香苗子です、宜しくお願いします]
暗い表情をして居る彼女は長女、子供の頃に怪我をしたらしく左目に眼帯を付けている、母、鈴子さんの血を一番受けずいでいる。
[眼鏡山 夢々です 、夢々とお呼びください!]
[何時も元気だな‥その元気を違う方向に使えればな‥]
[林道、ひっでな、可愛いから良いじゃん、なぁ夢々ちゃん]
不機嫌そうな彼女は林道の許嫁で元気が溢れる年下の女性と言うより無邪気な子供だ。
[そうです、可愛がってください]
[愛情の裏返しって言うだろ]
部屋に通されて荷物を置き先ずは観光する事になった。
[なぁ林道、何処を観光するんだ?]
[知らん]
[何でだよ!]
[ご想像に]
[だろうな、まぁ商店街見て回ろうぜ]
俺たち七人で商店街を見て回ったが、やはり望月と喋る切っ掛けを作れなかった。
[隼斗、ちょっと良いか?]
[なんすか?九條先輩!?]
皆と遅れて歩き声を潜めて石嶌を呼び、後を追いかける様に歩き始めた。
[女の子との会話が分からん‥]
[‥‥確かに、こう言う言葉を林道先輩に聞いたら?]
[ダメだ!、分かるだろ]
奴に言うと、恐らく鼻を高くして馬鹿にしてくる、しかもタチが悪い‥。
[そ?‥すね]
[何をヒソヒソとし居るのかな?]
[マリ![黒峰先輩!」]
[何よ、二人して慌てた顔をして、そんなに聞かれたくない話をしてたのかな?]
[いゃ、何でも無い‥無い無い]
黒峰の後から顔を覗かせ、フォローしたら良いのか、よく判らず慌てて居た望月だった。
[良いの?、何も言わないで行って]
[良いんだ、犬神、気にしてたら体が持たないぞ、それに九條と石嶌は気が合うのだろう]
[そ‥そうなんだ‥あと、まな!?大丈夫?]
[子供扱いは辞めて‥まだ大丈夫だから]
機嫌が悪い福田を見て犬神は、疲れてるんだろうな‥怒ってる、まなちゃんも可愛いなぁと思いながら福田のペースで歩いていた。