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成功の頁

 テオが駈けつけると、既に皆が広間にいた。


「おぉ!!!テオ!!!!」


真っ先に気付いたのはバルトだった。


テオが遅れたことを謝罪しようとする前に、バルトはテオの肩を抱いた。


「馬鹿ヤロ〜!!そろそろ心配になってきてたとこだったんだぜ〜?」


「いたたたた!ご、ごめん!でもちゃんと捕まえたから!」


わしゃわしゃとバルトに髪の毛を掻き回されていると、じっとこちらを見ている存在に気付いた。


「レシカ!無事だったんだね!!」


レシカは無言でコクリと頷くと、テオの近くにやってきた。


「双子に会えた?」


声を潜めたテオの問に、レシカな再び無言でコクリと頷いた。


――あの扉に、双子がいる――


テオは、レシカに耳打ちした時、こっそり双子の居場所を教えていた。


「本当に、ありがとう。……でも、ごめんなさい」


「え?」


「…実は――」


✽✽✽


レシカがウィンディと共に部屋に入ると、なんと双子は先程敵を見たばかりだというのに、無防備に熟睡していた。


近付いても起きる気配はなく、捕縛は拍子抜けするほど簡単に出来てしまったのだ。


そしてチョーカーについていた赤い石も、難なく奪い返した。


念の為魔法を使って逃げられないように、レイを部屋に、ルイを部屋の外に縛りあげた。


しかしここまでしても彼らは起きる気配すら見せない。


逆によくここまで眠れるものだと感心したほどである。


憎い相手ではあるものの、十歳の二人に対して流石にこのままは気の毒だと思い、風邪を引かないように毛布を二人に被せると、やるべき事は終わってしまったため、他の応援に回りに行ったのだった。


✽✽✽


まさかの結果にテオは暫く唖然としていた。


「な、なるほど…でも怪我とかが無かったから、安心したよ」


やっとバルトの手を止めたテオは、レシカにそう言いながら笑いかけた。


「清々とはしなかったけれど…ね。でも、テオは納得した顔で出てきたから、良かった。それよりも…………」


レシカは少し表情を曇らせながら、テオの切り傷のついた肩に、傷口は避けつつも優しく触れた。


「……痛そう」


「えっ?あぁ!あはは!いやぁダメダメだね!傷こんなに受けちゃったよ!」


「あははじゃない。治療しなきゃダメ。放置してると危ない」


確かにあの時は頭に血が上っていたのもあってそこまで気にもしていなかったが、今になって痛みが走り始め、どの傷もそれなりに深く見えた。


しかしどちらかというと、より危ないのは、今現在、レシカからのボディータッチと気遣いで高鳴っている心音の方なのだが、流石のレシカもそこまでは気付かない。


治療という言葉に反応し、働き蟻のようにせかせかと動くリルたちの横で、バルトとウルズは何やら声を潜めて話をしていた。


「…で、どうすんだよ。五芒星は全員片付いたとして……」


「どうするも何も、まぁこの国の負けは確定なわけだから、後はアイリスに親父さんを渡さねぇとなぁ?」


「いや、それもそうだが、そこじゃなくてだな…」


「あぁ、あの話ならテオたちにも話すぜ?流石にここまで俺の我儘に付き合ってくれたってのに、真実を知らないまんまってのはちょいとなぁ?」


「まぁ隠さなくてもいずれバレるだろうが…」


「バレる前に種明かししてやろうじゃねぇの。マジックにもちゃんとオチがねぇとな!」


「あれってマジックなんて洒落たもんなのか…?いや、そもそもマジックってのは謎は謎のまま…」


口の中で言葉を溜め込み始めたウルズを、バルトは「細けぇことは気にすんな!」と肩を盛大に叩いた後、早くもお疲れ様会のような のほほんとした空気を醸しだし始めた少年たちの方に近寄った。


「おいおいお前ら〜まだ戦争が終わったわけじゃねえんだぜ?」


「ま、まぁね。でも大丈夫!いざって時は国王を相手する準備くらいはできてるよ。」


テオがそう言うと、近くにいたカインも力強く頷いた。


「僕もリルも、まだここにいる全員を回復できるくらいの元気はありますから」


「私はカインさんの補助があれば無限にできますよ!」


「おうおう!威勢がいいのは大変よろしいが、そんな必要はねぇと思うぜ?」


「そうだろ?」とバルトがウルズに問うと、ウルズはまだ口をもごもごとさせていたが、話は聞いていたらしく、直ぐに「あぁ。」と返事した。


「なんなら武器を置いていったっていいレベルさ!」


「それは流石に大袈裟だろう」


「まぁな!でもそれくらい楽にしていいって話さ」


「そんな油断しまくって、行ったらその場で撃たれましたなんて洒落にならないわよ?」


「はははは!まぁそんときゃそんときさ!」


バルトはそう言って笑い飛ばしながら、少年たちに手招きする。


「まぁついてきな。今にその理由が解るさ」


半信半疑という言葉を顔で表現しながら、テオたちはバルトたちの後に続いた。

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