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最後の一葉が散る前に  作者: (第一樹)真いかみみ (第二樹)七峰らいが
第二樹
19/23

④ 魔法少女サウザンドナンバー(前編)

この物語はフィクションです。

(これまでのあらすじ)凶弾が舞花を襲う。彼の幼なじみ、早月さつき 桜花おうかは放送部から送り込まれた刺客の一人だったのだ。己の銃を奪われ騙し討ちに遭う窮地に死を覚悟した舞花だったが、彼の目の前に先刻部室の爆破に巻き込まれたはずの魔法少女S.A.D.(サッド)が現れて身代わりに撃たれたのだった。


「≪侵略空間インヴェイド・スペェェェエエス≫!!」

 ぼくが驚く間もなく、奇声を上げたSADさんは早月の胸もとまで一足で滑り込む。突然の事態に対処できない彼女の銃を持つ手首を捻りあげると同時に足払いをかけた。

「あッ……!」

 小さく悲鳴を上げる早月が手放した拳銃を掴み取って、無造作に引き金を引いた。


 ZAPZAPZAP!


 知り合いがあっけなく撃たれた。

 早月の両肩と胸先から計三つ、赤い花が咲いた。


「さっ…………」

 声が出ない。

 それでも叫ばずにはいられない。

「…………S.A.D.さん!? 何をやってるんだ!!!」


「落ち着け」

 まあ、見ていろと言いながらここぞとばかりに片足で早月を踏みつけるSADさんに向かって怒りの眼差しをぶつけてしまう。

 確かにぼくは早月に殺されるところだった。けれど、SADさんにこれほど追い詰められる必要はないと思ったのだ。


 ……だが、ぼくの目の前ではもっと異常な出来事が進んでいる。

「グっ…………」

 ごぽ、と音を立てて早月が血反吐を吐く。

 鎖骨のあたりをブーツで踏まれているのにもかかわらず、無理に動こうとして胸をそらし足をばたつかせる。

 なおも血を流しながら目をひん剥いて必死に立ち上がろうとする早月を見て、ぼくは……


「…………くっ」

 ぼくは彼女のことをバケモノだと思った。……そうやって自分と彼女の間に小さな引っかきキズのような線を引くことで、目の前の無茶苦茶な現実を理解しようと考えた。

 僕は最低野郎だ。



「これが、魔法少女だ」

「えっ?」

「魔法という特別なルールの範囲内で活動できるから、こうしてこの世のものではないはたらきをすることができる」

 特に()()()()にかかわるルールは三つだ、とSADさんは早月に目を向けたままぼくに三本指を見せる。

「一つ、頭部への攻撃は無効とする。一つ、心臓部への攻撃は、無効とすることができる。一つ、3カウント以上肩を地に付けられたもの、これを戦意喪失とみなす」

 ごぱっ、と早月が大きく開けた口から血を吐き出して、動かなくなった。

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