第八十九話 魔境の湖
iPhone5sで投稿している方に聞きたいことがあります。
段落で使う空白、何故か小説を投稿しようとすると、空白が消えてしまうのです。
どうすれば、空白を入れたままで投稿出来るか教えてくれませんか?
空白と言うボタンを使っても駄目だったので…………
目的の物を手に入れた輪廻達はティミネス国に用はなく、シエルの”移扉”で、北の地にある森の近くへ転移していた。このまま第三の試練をクリアしたことでガーゴイルへ会いに行くかと思えば…………
「次の目的は、この先にあるんだな?」
「ああ、この先にある湖。魔境の湖と呼ばれているな」
「二箇所にある物を取ってこないとクリア出来ないなんて、面倒なことをしてくれるな……」
輪廻達は四つの地に接する湖の近くまで来ていた。輪廻が言っていた通り、試練で持ってくる物はティミネス国のダンジョンで取って来た『竜の心臓』である赤黒い宝石だけではなく、もう一つあるのだ。
もう一つは、魔境の湖と名称が付く湖にあり、SSSランクの魔物の縄張りになっている。聖獣とも呼ばれており、Sランクの魔人さえも近付きたいとは思わない程の実力がある。
前からその湖を見てみたいと思っていたので、行く分には問題はなかった。だか、今回の試練ではある物を取りに行くには、湖に住んでいる二つの種族と対立する可能性があるから面倒そうにしているのだ。
「確か、人魚族と半魚人族がいるよな。その二つの種族は聖獣と共生していると」
「はい、あのハゲ悪魔はそう言っていました」
「ハゲ悪魔……、身体が石だから髪がないんだけど、その呼び方はどうだろう?」
「ククッ、いいじゃねぇのか? 面倒な試練を出した本人だからな」
今回で手に入れる物は、紅龍王の名が付いている聖獣の額にある。紅く、宝石のような輝きを持つと言われている『紅龍王の水晶』が試練で取ってくる物だ。
紅龍王を倒さなくても、『紅龍王の水晶』を取ることは出来るが、龍本人と共生している人魚族と半魚人族は許さないだろう。
「人魚族は歌を歌って精神に攻撃が出来、半魚人族はAランクの魔人と認定される程に強い。それが村単位でいるとなると、正面から行くのはやめた方がいいな」
「はい、狙うのは聖獣だけで、他は無視したいですね」
こっちは4人だけだが、全員が実力者であり、4人の中で桁外れの実力を持つルフェアもいるが…………
「我が戦ったらお前達の特訓にならないから、今回は参加なしだな」
「やっぱりな。3人なら、聖獣相手に健闘出来るといったとこか?そこに人魚族と半魚人族が出てくるなら苦戦はするな……」
「今回は、殲滅ではなく、物を奪うだけだから、策を考えて挑めば大丈夫だと思うよ!」
「今回は珍しく年増エルフの言うとおりですね」
「珍しくは余計だよ!?」
2人の言う通りに、『紅龍王の水晶』を奪ったら、転移して逃げればいい。戦って勝つ必要はなく、目的の物を手に入れて、転移でおさらばすれば、転移を使えない聖獣は追って来れない。もし、人魚族と半魚人族の中に転移出来る者がいても、少数なのは予想出来るし、聖獣がいなくて、少数だけなら負けはない。
「うん、奪ったらすぐに逃げる。シエルも、転移する魔力は残しておくんだよ?」
「わかったわ」
「年増エルフの戦い方は殆ど魔力を使うから、心配です。また無理矢理に魔力回復薬を飲ませることに…………」
「そこまでのヘマはしない!! ちゃんと考えてやっているんだから!!」
シエルが魔力が無くなって倒れる度に、テミアが魔力回復薬を180度に傾けて飲ませるため、いつも咽せて飛び起きるハメになるのだ。
「いつもいつも言っているんだから、その飲ませ方はやめてよ!!」
「えー、それでは、こっちが面白くないのでは?」
「むきー!! 面白くするために倒れているんじゃないんだから!!」
この光景は、いつも見れる。シエルはルフェアの特訓後、いつも魔力が無くなって倒れるのもあるが、テミアは飽きもせず、魔力回復薬を手に持って行くのだ。
それはそれとして、輪廻達は魔境の湖へ向かう。人魚族と半魚人族の村は湖の中にあるが、陸に住を置く半魚人族もいるから、湖の周りにも警戒しなければならない。そう思いながら、歩いていたんだが…………
「ここでこの展開は読んでいなかったな…………」
まだ湖に着いていなくて、森の中にいるのだが、人間の少女が倒れているのを見つけたのだ。まさか、人間の少女を危険地帯で見つけるとは思わなかった。ここは魔境の湖に近くて、魔物も沢山いるからただの少女が歩けるような場所ではない。
「何故、こんな所に?」
「ボロボロの服を着ているから、奴隷とか…………む?」
輪廻が鑑定を使ったら、表示されている中に目につくものがあった。
「人魚族…………?」
種族の所に、人魚族と表示されていた。倒れている少女は二つの脚を持っているただの人間にしか見えないが、ステータスには人魚族と出ている。輪廻は何故、人間の姿をした人魚族の少女が倒れているのかわからなかったが、とりあえず、生きているみたいなので、起こすことにするのだった…………




