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第五十四話 二ヶ月間の成果

これからは土曜日だけは、投稿はしないで見直し・執筆をしていきたいと思います。


宜しくお願いします。






 二ヶ月間が経った。









 その時間は短いのか、長いのか判断出来ないが、とにかく無駄ではない時間だったと英二は考えている。




 ラディソム国に来て、ダンジョンに潜って鍛える日々が続き、一ヶ月が過ぎた頃にはダガンから出された条件を達したのだ。


 ダガンから指導してもらうためには、最低でも地下40階を降りなければならない。その条件を出されていたのだが、一ヶ月ぐらいで結果を出して、ダガンを驚かせたものだ。


 二ヶ月経ち、英二達は地下51階まで進んでいる。最近は、ダガンによる指導もあるのでダンジョンに潜る時間は減って、国の外で魔物の相手だ。

 英二達は既にDランクの冒険者になっており、実力的にはCランクに近いが、技術が拙いという理由で、輪廻のようにランクを上げる優遇はない。




「うむ、これで一端の冒険者ってとこだろう。ラディソム国の外にいる魔物では相手にならないだろう」

「複数の敵に相手をするなら、連携を忘れるな」


 ダガンとゲイルが今の実力について、わかりやすく考察してくれた。




「そろそろ、ここの国を出て、別の国に向かって種類の違う魔物を相手にした方がいいだろう」

「あの、別の国とは?」

「ここから近いのは、エルフの国、アルト・エルグと獣人の国、ガリオン国になるな」


 ラディソム国から出発して、どちらも歩きで行けば一週間程で着く。

 輪廻の場合は、エルフが魔道具を作るのが得意なのを知っていたから、アルト・エルグに向かったのだ。




「ガリオン国なら、獣人の身体能力が高い者が多い。そこで、身体の動きという技術を学ぶのもいいだろう」


 だが、英二達は反対の獣人の国であるガリオン国に向かうことに決まった。英二達は戦いの技術もそうだが、動きの技術も素人の域に近い。動きの技術とは、重心の動きやバランスの感覚等を指す。

 前の世界では、そのような動きの技術を求められることはそうそうとないのだから、仕方がないだろう。




「今のレベルも上がっているから、ガリオン国に向かっても大丈夫だろう」


 無論、ステータスも結構上がっている。英二達のステータスはこうなっている。




−−−−−−−−−−−−−−−


笹木英二 17歳 男


レベル:31

職業:勇者

筋力:1200

体力:1100

耐性:1200

敏捷:1200

魔力:1100

魔耐:1200

称号:輝神の加護・人類の希望・魅了する者・異世界者の覚醒

魔法:光魔法(聖光剣・天撃・天聖陣)

スキル:剣術・物理耐性・精神耐性・魔法耐性・身体強化・言語理解


−−−−−−−−−−−−−−−




−−−−−−−−−−−−−−−


橘貴一 17歳 男


レベル:30

職業:剣士

筋力:1760

体力:1490

耐性:980

敏捷:900

魔力:250

魔耐:250

称号:闘神の加護・喧嘩屋・異世界者の覚醒

スキル:剣術・槍術・直感・徒手空拳・物理耐性・身体強化・言語理解


−−−−−−−−−−−−−−−




−−−−−−−−−−−−−−−


栗原絢 17歳 女


レベル:32

職業:魔術師

筋力:720

体力:910

耐性:490

敏捷:1020

魔力:1620

魔耐:1620

称号:療神の加護・治療の聖母・異世界者の覚醒

魔法:回復魔法(治傷・解毒・自動再生)・火魔法(火球・火壁・炎狼)

スキル:杖術・鑑定・魔力感知・魔法耐性・身体強化・魔法強化・言語理解


−−−−−−−−−−−−−−−




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霧崎晴海 17歳 女


レベル:29

職業:魔術師

筋力:810

体力:960

耐性:590

敏捷:1090

魔力:2020

魔耐:650

称号:氷神の加護・女帝の魅惑・異世界者の覚醒

魔法:氷魔法(氷球・氷雫・氷裂波・操氷人)

スキル:杖術・棒術・魔力感知・並行思考・魔法耐性・身体強化・魔法強化・言語理解


−−−−−−−−−−−−−−−






 それぞれが、新たな称号やスキルを手に入れており、ステータスも輪廻と同様に、大幅に上がっている。




「獣人の国ですか?」

「モフモフ楽園!! それは何処にあるの!?」

「晴海……、落ち着きなさいよ」

「あははっ!! モフモフ楽園か、晴海にしたら、そう見えるんだな」


 絢は呆れながら、晴海を宥める。晴海は街で獣人と擦れ違う時、耳や尻尾を触りたそうにしていた。晴海は動物が好きなんだろうと考えていた。

 あれ、素晴らしい毛皮を持つ魔物にも出会ったことがあるのに、晴海は全く反応してなかったのを思い出した。それどころか、凍りづけにしていた。

 モフモフに何かこだわりがあるのか、聞いてみたらこんな答えが返ってきた。




「え、魔物は攻撃してくるもん。殺気、威圧してくる動物に抱き着きたいと思うの? 絢は」


 その答えを返されては、質問した自分が馬鹿ではないか。確かに、敵対してくる者に抱き着きたいとは思わない。ただ、相手が輪廻だったら、私は抱き着いてしまうかも…………と考えてしまう絢だった。


 ふざけた考えが出来る程の余裕が絢にあった。強くなったからなのか、ただ世界に適応してきたからか判断出来ないが、心に余裕が出来たことは良いことだ。


 焦りはミスを生み出す失敗の元となるので、余裕を持ち、周りの状況を見れるのが好ましい。






「元気がある奴だな。ガリオン国はここから東に位置するから、強い魔物が出るぞ」

「そうだ。A〜Cランクの魔人も現れる可能性が高くなるからいつでも警戒は怠るなよ?」


 気を引き締めるように、ガリオン国に向かう時の危険さを教えてくれる。英二達はまだ魔人と出会ったことがないから、上手く戦えるかわからない。だが、技術に劣っても、全員が上手く連携していけば、B、Cランクの魔人ぐらいなら勝てると、指導者の2人はそう考えている。

 ちなみに、魔人のランクはF〜Dランクはなく、Cランクからになる。理由はわかっていると思うが、ただ強いからだ。




「輪廻の奴は何処にいるんだろうな?」

「輪廻か、おそらく街に長く滞在はせずに歩き回っている可能性が高いな」


 ラディソム国にいた期間は大体一週間ぐらいだ。そこから街に長く滞在することはないだろうと予測したのだ。




「おそらく、輪廻君はもっと強くなっているだろうな……」

「英二、お前も強くなっているのは俺も知っているから、悲観することはないぞ? お前はお前でしかないからな」

「…………はい、他人と比較してしまうのが、僕の悪い癖ですね」


 ゲイルに慰まれて、英二も少しは自信を取り戻し、反省した。時々、自分は勇者なのに、自分は弱いと考えてしまうのだ。


 実戦の経験が豊富な輪廻とただの学生である英二を比べると、英二が劣るのは仕方がない。だが、英二は輪廻の経歴を知らないので、小学生だった輪廻に負けて自信を無くすのは仕方がないと思う。




「明日から出発するでいいな? 何かやり残したことはあるか?」


 やり残したことはないので、明日から出発することに決まった。






「……何処まで行けば、会えるのかな……?」






 その旅先で、輪廻に出会うことになるのは、そう遠くはなかった。







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