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第百八十七話 魔界へ




 青龍王に勝ったとは言えないが、テミアを元に戻すと言う目的は達した。しかも、テミアは偽核のお陰で、前より更に強くなっていた。これが、テミアのステータスだ。



---------------


 テミア(魔族) ???歳 女


 レベル:200

 職業:魔王・メイド

 種族:魔瘴族

 筋力:103500

 体力:79520

 耐性:58750

 敏捷:91170

 魔力:65470

 魔耐:69510

 称号:病の魔族・珍魔族・毒舌家・破壊魔人・愛に走る者・掃除者・メイドの鏡・パワー系メイド・魔王

 魔法:水魔法(水刃・水遁弾・再水・水蛇・時雨・鏡花水月・魔獄水召・水龍・水之理)

 スキル:魔王威圧・魔物支配・瘴気支配・瘴気変化・魔力操作・上位鑑定・上位隠蔽・集中強化(武神・神硬・神速・幻融)・状態異常無効・念話・言語理解

 契約:輪廻(人間)


 ---------------



 レベルも200になっており、そのステータスもルフェアをも超えている。ステータスが全て10万を越えていないので、『超越者』ではないといえ、このパーティではナンバー2と言える強さを持っている。


 テミアが元に戻ったのはいいとして、これからどうしようかと皆が悩んでいた時に、テミアが提案を出した。




 魔界に行きませんか? と。




 その言葉があって、輪廻達は魔王城だった場所にいた。魔王城は東の地で中心に置かれており、竜の山からはそれ程には遠くは無かった。魔界に行くのに、何故、魔王城なのかと思う人もいるかも知れないが、今のゼアスで魔界に行ける唯一の方法が、魔王城にしかないからだ。


「うわっ、ボロボロだ」

「玲子の奴らが襲ったからだろ。そして、玲子と魔王が戦った跡なんだろ?」


 目的の魔王城に着いたのはいいが、ボロボロで瓦礫が邪魔になって、歩きにくい道を通らなければならないのは面倒だった。


「アレがまだ無事だったらいいが……」

「大丈夫だと思います。魔界の匂いがしますので」

「ぷぷっ! メイドは犬みたいね! 前に私にペット枠とか言っていたのに、自分が犬みたい言ってる――――」

「あら、まだいましたの? 東の地に来て、役立たずの野良が」

「酷過ぎない!? 野良って、ペットどころじゃないよね!! 少し、お返しをしただけでそこまで言う!?」

「間違ってはいないのでは? 東の地に来て、何が出来たの?」

「うぅっ……」


 そう、シエルは東の地に来てからは、活躍はしていなかった。いつも闇魔法での転移で活躍していたが、ここはシエルも来た事もない未踏地であり、転移が出来ない。強さはパーティの中では最弱。四天王で言えば――――くくっ、そいつは四天王では最弱の存在よ。と言われるぐらいに。


「まぁまぁ、魔界へ行けば、強くなれるだろう?」

「はい、私の母に会えればですが」

「母ね、想像出来んな……」


 魔界へ行こうと提案したのは、テミアを生み出した存在、母親に会えば強くしてくれると考えのことだった。


「大丈夫なのかのぅ? 人間が魔界に行って、何か異常を受けないかを。この世界で生まれた我らも心配だな」


 魔界は瘴気が漂っており、魔界から来たテミアやウルはともかく、人間である輪廻やゼアスで生まれたシエル、ルフェアが耐えられるかはわからなかった。


「大丈夫かと。私が持つ瘴気とは違うので、暮らす分には問題はないと思います。でも、長い期間に留まるのは危険です。10日が限界でしょう。魔界で生まれた存在はいいのですが、他の場所から来た存在は存在その物を作り変えられるかもしれません」

「どこが問題はないのよ!? まるっきり、危険じゃない!!」

「死ななければ、問題はないのでしょう? 作り変えられると言っても、異形な存在にではなく、瘴気に対応出来るように身体を作り変えられるだけですから」

「えっ、そうなの? なら、問題はないのかな……?」

「瘴気がないと死ぬ身体になってしまいますが」

「問題あり過ぎでしょ――――――――!!」


 つまり、魔界は人間でも行けるが、長らくは滞在出来ないということらしい。そして、ゼアスと魔界では時間の流れが違い、魔界で一日過ごしても、こっちでは一時間。魔界にいられるのは10日が限界といえ、敵がいつ動くかわかっていない今は、その時間の流れが違うのは助かる事だった。


「魔界へ行ける道は、ここにしかないのか?」

「はい。魔界と繋がる道はここしか感じられません。おそらく、魔王がこの世界へ来る為に作られた道だと思います。そして、魔王が死にしても、まだ繋がっています」

「もし、こっちが魔界へ行っている間に、その道が壊されたら?」

「もうこの世界へ戻れません」

「ええっ!? 危ないじゃない!?」

「魔王城へ来る者がいるとは思えんが、一人ぐらいは見張りが必要だと思うのぅ」

「いえ、普通・・なら、戻れないでしょう。壊されたなら」

「普通? どういうことだ?」

「普通なら、魔界からこの世界へ行くには召喚しかありませんが――――私の母なら、その召喚を使わずとも、ゼアスに魔族を送るのは難しくないのです」

「は? どんな母親なんだよ……」


 テミアの母親、自分達を強くすることが出来、普通なら魔界からゼアスへ行くには召喚しかないのに、その存在はその召喚なしでゼアスへ行く道を作り出せると。どんな存在なのか、気になる輪廻であった。




「私の母親のことは会えばわかりますので、私を信じて、着いて来てもらえませんか? ここでは話せないことがありますので……」




 ここで全てを話すことが出来ないと、悲しそうな表情で輪廻に確認するテミア。何故、全てを話せないのかわからないが、輪廻はテミアを信じないと言うのは有り得ない。最初に出来た仲間であり、恋人だ。信じなくては誰を信じればいいのかわからなくなる。

 輪廻はその返事に一瞬の間を置かずに返した。


「当たり前だろ。お前のことは信じているさ」

「ありがとうございます」


 テミアに笑顔が浮かび、魔界への道が隠されている場所へ向かった。そこは王座の後ろ、隠し扉があったのか、それを殴って破壊して進んでいくテミア。隠されていた道を何も話すこともなく、進んでいく。








「着きました。ここが魔界への入り口になります」




 テミアが立ち止まったと思えば、一つの部屋に着いた。そこは真っ黒な世界が広がっていた。そう、魔界への入り口だ。テミアは魔界への入り口を警戒もなく、そのまま進んでいく。皆も、その後を覚悟決めたように一歩を進めていく――――









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